アジア各国の発展にかける想い

安藤百福さんはご存知ですね? そう、あの日清食品の創業者です。2007年に96歳で大往生されましたが、まさに波乱の人生でした。日経新聞の”私の履歴書”の連載も読んだ覚えがあるのですが、改めて上記のWikipediaを見ると戦後に47歳で無一文になり、独力であの世界企業を創業された不撓不屈の人であったのですね。ご一族と面識を得る機会があって改めて興味を持ったのですが、人づてに「日本の良い時代に商売をさせてもらった」と語ってらっしゃった事を知り、日本の戦後史に思いが及んだ訳です。



そう、日本の戦後史は、世界史に記録されるべき驚異の発展の歴史でした。西欧列強が世界を植民地化していたあの時代に、必要に迫られたとはいえアジアから反旗を翻し、正面から戦いを挑んで、一敗地にまみれました。世界の誰もがもう復活はないだろうと思ったあの焼け野原から、これだけの隆盛を見せるまで発展すると想像した人はいなかったでしょう。我々日本人の今日の豊かさは全て先人の努力の賜です。



今、日本を覆う先行きの不透明感の正体は、成長のストーリーが見えないこと。でもそれって当たり前じゃないですか? こんな歴史上に残る大発展が何度もある訳はありませんし、もう日本は世界のまぎれもない先進国になったのです。戦後第一世代から代代わりもし、文化的な成熟も進みました。もう農協のおじさんチックにマナーの悪さを笑われるシーンもなくなりましたよね。そんな国に、誰もが分かり易い成長ストーリーなんか描く方が無理があるのです。これからは、個々の努力の成果が問われる時代。全員が右肩上がりだったのは、発展途上の段階故の幸せな時代だっただけです。



そう考えると、伸び代が限られる国内マーケットの代わりを探さねばなりません。アジア各国が、今後の有望マーケットであるのは明らか。今、国内向けに一定の商売の基盤を築いている企業も、成長のタネは外に探す必要性に迫られています。アジア各国を旅行した人には、まだまだ低レベルな国情をよくご存知でしょう。一部で日本を上回る勢いの成長を実現している国(香港・シンガポール・中国沿海部)もありますが、それらの成功国にしても国民全てに富が行き渡っているとは到底言えません。追い掛ける中堅国(タイ・マレーシア・インドネシアetc.)の発展はまだまだこれからです。なんとなくぬるま湯に浸かってしまっている日本の経営者は、皆そろそろ本腰を上げて海外マーケットの開拓に取り組むタイミングでしょう。日本人として、各国の発展に貢献出来る智恵と経験は沢山あるはずですから。



おちゃのこネットはアジア圏向けのご商売のプラットフォームとしてご活用頂けることを目標にしています。次の一手を模索しているオーナーさん、是非トライなさってみて下さい。一度で上手くいかなくても、得られる知見にはプライスレスな価値がありますよ。