裏方の仕込み

「おちゃのこネット」のご提供をしていて時々悔しくなるんですが、「最近改善遅いですよね」とご指摘いただくことがあります。これ、表に出せない裏方の仕込みをしてるんですよね。例えばですが、おちゃのこネットはPHP8に対応済みです。これ、意外とできていないサービスプラットフォームが多いんですよ。理由としては色々あるんですが、古いフレームワークに依存していて最新版に追従できていない、ユーザーのHTMLソースの動作保証をするために上げれない、など。特に後者は深刻ですよね。

おちゃのこネットではご不満を頂きながらもユーザーによるHTMLソースの編集は部分的にしか許可していません。これはセキュリティへの配慮が大きな要因なんですが、結果として上記のアップデート阻害原因を排除できています。古い環境のままだと何かと問題起きますから、大事なポイントなんですよね。

他にも3Dセキュア2.0への対応とかセッションの保持期間延長とか、目に見えないけど大きな工数が必要な開発を着実に消化しているのはどこかで効いてくるはずです。永く使い続けられるプラットフォームとしての信頼性と改善スピードの両立を目指す。ハードルは高いですが、引き続きチャレンジして参ります!

どの決済代行サービスを使うべきか?

ネットショップを始めるにあたっては、まずはショッピングカート選びから。これはこれで難題ではあるのですが、ここはおちゃのこネットを選んだという前提でw

次に大事なのは、どこの決済代行サービスを使うか。これがなかなか難しい選択です。特におちゃのこネットでは沢山の提携先があって、どこが良いのか迷いますよね。下記に選ぶポイントをいくつかご紹介します。

1.手数料
 商売ですから、まずは決済手数料ですよね。各社の料金設定を見ていると、そもそも個人ショップでは使えない決済代行サービスもあります。法人限定のサービスは基本的に固定費も高く、売上が多いお店しか対象にしていません。会社の規模は大きく営業体制も大人数でやってますので信頼できて良いように思えますが、敷居が高いので要注意。トランザクション料率設定が安く、固定も掛からず、個人ショップでも利用化、となるとかなり限定されますよね。

2.システムの安定性
 これが一番外部から分かりにくいポイントだと思いますが、結構大事です。まずは、画面遷移型かシステム連携型かの違い。カートに商品を入れてから、途中で決済会社の画面に飛んでいくパターンが画面遷移型です。これは実装が簡単というメリットがある反面、途中で決済をやめたとかブラウザーを閉じたとか、イレギュラー処理が弱いのが難点。システム連携型でしっかり実装されているサービスが安心感あります。いま困っているのがPayPayなんですよね。システムの作りが古くて、キャンセルやイレギュラー処理絡みのトラブルが結構あります。PayPay側がシステムのアップデートをしてくれないとどうしようもないので、善処を期待します。

3.オプションの豊富さ
 基本的な決済サービスには各社大きな違いはないんですが、例えば3Dセキュア2.0への対応とか、代金回収サイクルの多頻度オプションとか、クレジットカード番号の預かりサービスなど、細かい使い勝手には差が出てきます。AmazonPay対応とか、コンビニ払いとか、支払い手段の多様化も各社差がありますね。

4.サポート
 これも使う前には判断しにくいポイントなんですが、そもそも申し込みの受付対応とか疑問点への回答とかでその会社の体質みたいなものは見えると思います。チャージバックとか、運用上どうしても出てくるトラブルへの対応を気持ちよくやってくれる会社かどうかは満足度に大きな影響があります。会社のカルチャーが出ますよね。

おちゃのこネットのスタートアッププランでは仕組み上ZEUS決済一択なんですが、ベーシックプランに移行してもそのままZEUSさんがいいかもしれません。SBIグループのアグレッシブなところが出ている会社さんだなと感じています。

[おちゃのこネット]スタートアッププランのご提供を開始しました!

おちゃのこネット

本日より、おちゃのこネットの”スタートアッププラン”のご提供を開始しました。おちゃのこネットは2004年のサービス開始以来、ずっと固定の料金制でやってきました。当時は万円単位の費用が必要だったネットショップASPにおいて月額500円という料金設定は大きな反響を呼び、お陰さまで大きなご支持をいただきました。どうしてこんなに安くできるの、とよくご質問もいただきましたが、少人数で低コストの運営体制を取ったことが全てで、ひたすらお客さまにメリットをご提供したいという一心でした。当時は価格破壊の尖兵的な捉えられ方をしましたね。

時代は流れ、その後サードウェーブとして無料のサービスが各社からリリースされるようになりました。我々も随分悩んだのですが、確かにそのビジネスモデルを支持されるお客さまの状況も理解できますので、今回料金設定を大きく見直すことにしました。その答えが、従量課金制と固定料金制のハイブリッドモデルです。

この図にあるように、売上ゼロの状態からお店の売り上げが成長するにつれて従量料金が発生しますが、採算分岐点を超えた段階で固定料金に移行していただけます。最初は無料でお店を始めて、成長すれば固定費用でご安心して運用できる。この上限キャップ制が弊社の主張です。一見分かりにくいように見えるかもしれませんが、これが一番合理的な仕組みだと考えました。気軽に始められると安心してずっと続けられるを同時に満たす解だと思っています。皆さんにご支持いただけると嬉しいですね。

おちゃのこネットのカート離脱フォロー機能について

おちゃのこカート離脱フォロー

おちゃのこネットでは今年の8月より「カート離脱フォロー」機能をご提供しております。お陰さまで好評なのですが、改めてご紹介をさせていただきます。いわゆる”カゴ落ち”対策ツールなのですが、弊社ツールの特徴は下記の通りです。

1.圧倒的なコストパフォーマンス
 「カゴ落ち対策ツール」とかでググっていただくと有名なサービスが幾つか見つかると思いますが、概ね月額数万円かかる料金設定ですよね。おちゃのこネットのカート離脱フォローツールは、月額1,000円(税別)という低料金でご利用いただけます。何でも有料オプションかよ、という突っ込みもあろうかと存じますがw、開発に結構な工数を掛けておりますのでそこはご理解くださいませ。有料でもこの内容をこの価格でお使いいただけるのは相当な価値があると自負しております。

2.手が掛からない
 いくら有用なツールでも、設定や使いこなすのに複雑な手順やノウハウが必要では宝の持ち腐れ。弊社ツールは、基本的にボタンクリック一つですぐに開始できる簡単さ。いかにシンプルにお使い頂けるかにこだわりました。

3.高機能
 弊社ツールは、カート内表示、メールフォロー、の二つの機能から成り立っています。カート内表示は基本放置でOK! そしてメールフォロー機能を使えば、もっとも効果的なフォロータイミングをシステムが自動判定して、関連商品やクーポンをメール配信できます。

弊社が実際のショップさんで計測したデータによれば、実際のカゴ落ち率は51%ほど。世間で言われている70%ほど実際のカート離脱率は高くはないのですが、それでもカートに入れた商品の半分以上が落ちているというのは結構な衝撃ですよね。おちゃのこネットでは有料でご利用になる前に、実際のカート離脱状況を画面でモニタリングできるようになっています。ぜひご自分の目で、ご自身のショップでどれだけのカート離脱が起きているのか、お確かめになってみてください。きっと千円程度の費用は安いものだとお感じになると確信しています。

おちゃのこネットの越境EC対応について

コロナ禍でDX対応が求められている状況では国内でもECは成長マーケットなのですが、それでも長期的には日本の少子高齢化に伴う市場の縮小は避けられません。長い目で見れば、やはり海外向けの越境ECはどこかで取り組んでおきたい大事なテーマだと思います。おちゃのこネットでは下記の施策をご用意しています。

おちゃのこネットの海外対応
 おちゃのこネットでは、管理画面は日本語でショップ表示は英語表示、さらにグローバル設定で言語・通貨・タイムゾーン・配送方法を設定できます。さらに英語表示可能な決済手段を各種ご用意しています。海外ショップオーナーさま向けのおちゃのこネット英語版のご用意もあります。

WorldShoppingBIZとの提携
 ジグザグ社のWorldShoppingBIZサービスとの提携をスタートしました。このサービスはなかなかよくできた仕組みで、お使いのおちゃのこネットに一行のJavaScriptを設定するだけで他言語カートが使えるようになります。海外からアクセスしたユーザーは英語や中国語のカートに商品を入れてお買い物。その注文は国内のWorldShoppingBIZの物流拠点からの注文として扱われるので、お店は国内注文と同様に商品を送るだけ。海外ユーザーからの代金回収や発送トラブルなどの心配をする必要はありません。海外ユーザーはWorldShoppingBIZに10%の取り扱い手数料を余分に払う仕組みです。(規定の初期費用・月額利用料あり)

トリオシステムのメガアプリECサービスとの提携
 これは中国向けに特化した仕組みですが、こちらもなかなか面白い仕組みです。これだけ急成長している中国向けに越境ECを行いたいとお考えのショップさんは多いと思いますが、実際に取れる手段は限られています。有名な天猫モールは既に出店費用が1千万円単位に上り、審査も厳しく、大手企業との過当競争状態で中小ショップが成果を出すことは事実上難しくなっています。Google等のネットサービスが遮断されている中国という特殊なローカル環境では普通にマーケットにリーチすることは難しいのですが、突破口としてWechatやAlipayといった既に普及しているメガアプリに自社ECショップを出店するという手があります。日本で言えばLINE上に自社ECショップを出店するイメージです。この場合のネックは、現地ユーザー向けに中国語で商品登録を行い、中国語でユーザーサポートを行わなければならないこと。当然ながら発送も中国向けに自社で行わなければなりません。なので中国人スタッフを用意することが必要となり、リソースの少ない小規模ショップではなかなかハードルが高いプランになってしまいます。

もちろん国内マーケットを深耕することが一番優先度の高いテーマではありますが、それでも海外向け越境ECのポテンシャルは無視できません。対応リソースに余裕があるお店や、戦略的に挑戦したいお店にとっては有望なチャレンジになると思います。

趣味車というカテゴリー



CARZYというサービスについて、思うところをお書きしておきます。

どうして今ごろクルマ、それも狭い趣味車のサービスなんてやってるのかとお思いの方もいらっしゃるでしょう。若者のクルマ離れと言われて久しくもあり、クルマというカテゴリーそのものがオワコンと思われている節もあります。それは果たして正しいのでしょうか。

実は各地にクルマ好きが集まるスポットがあります。関西だと、芦屋の芦有展望台や京都のカフェセブン。関東圏だと大黒PAや箱根ターンパイクでしょうか。週末の早い時間にそういう場所を訪れると、ちょっと雰囲気の違うクルマたちがたむろしているのに出会うはず。そう街中を走る実用車とは明らかに様相が異なるのです。

クルマのCMを見ていると分かりますが、世間でよく売れているクルマは概ねミニバンと軽自動車。実用の観点からクルマを選べばそうなりますよね。でもそんなクルマは運転していても楽しくない! 人とモノを運ぶためだけにクルマに乗るのを良しとしない人が世の中には沢山いるのです。そんなクルマ好きが選ぶクルマは、やっぱりスポーツカー。乃至は、ちょっと古い味のある旧車なんですよね。私たちがCARZYで分かりやすい基準に選んだのは、”2ドア車”でした。クルマ好きじゃないと絶対に選ばないカテゴリーですよねw

国産メーカーでチェックしてみましょう。現行車種として販売されているクルマの中で2ドア車がどれくらいあるか?

●トヨタ
 ・86
 ・スープラ

●LEXUS
 ・RC
 ・LC

●日産
 ・フェアレディZ
 ・GT-R

●ホンダ
 ・NSX
 ・S660

●マツダ
 ・ロードスター

●スバル
 ・BRZ

●ダイハツ
 ・コペン

今や絶滅危惧種であることがわかりますねw だからこそ、2ドア車を選ぶ人は特別なクルマ好きと言えるのです。人も荷物も積めない、税金や保険料も高い、燃費も悪い。でも実用車では代わりにならない運転する歓びがある。クルマ好きの魂に訴えかける何かがそこにあるのです。

いま日本国内では年々クルマが売れなくなっています。人口は減るし、何より趣味におカネを掛けられる人が減っています。若者がクルマに乗らなくなったのは、おカネがないというのも大きな理由ですよね。でもだからこそ、これからは人生にゆとりが出た年配層を中心に、大人の趣味としてのクルマが見直されると思います。実用車をわざわざ自分で買う必要なんてないんです。カーシェアリングでいい。買うなら軽で充分。もしコロナ禍で東京中心のライフスタイルに変化が生まれるとすれば、田舎でゆっくり暮らす人が増えるでしょう。過密な都会を離れたら、ぜひ古いオープンカーを一台買ってほしい。そして夫婦でドライブに出かけてみてください。きっと今まで見えなかった風景に出会えるはず。生活に潤いがもたらされるってそういうことだと思います。実はコレクタブルカーは価格が落ちないというメリットもあるんですよね。下手したら、買った時より値段が上がるケースだってあり得る。絵画と同じマーケットになっていくんだろうと思います。

デジタル全盛の現代だからこそ、アナログな機械の感触に触れるとホッとする。そんな気持ちをみんなが抱いているんじゃないでしょうか。これからの時代で大事なのは、生きる愉しみなんじゃないかな。エンターテインメントこそが一番優先順位の高いものになっていくと思うのです。だからある意味、時代を先取りしているつもりでCARZYに携わっています。笑顔な人の周りには人が集まりますからね。

おちゃのこネット名古屋セミナー開催しました

おちゃのこネット名古屋セミナー「私はコレにこだわっています」
女性経営者に聞く、選ばれるネットショップ作りのヒント

概ね二か月に一度のペースで開催しているおちゃのこネットセミナーですが、名古屋での開催は初めて。中京圏のお客さまには大変お待たせいたしました。

今回嬉しかったのは、事前アンケートで「岡野さんに会いたい」という参加動機を回答頂いた方がいらしたこと。タレントでもない私に会って喜んで頂けるなんて気恥ずかしいですけど、嬉しいです♪

今回のセッション1では弊社の馬頭より、モチベーションラインという考え方をご説明させて頂きました。つまりどのようなサイトの見せ方をすれば顧客の離脱が防げるのか、という心理的な施策ですね。サイトにも商品ページにも、ストーリーが必要。なぜこのお店で買うのか、なぜこの商品を買うのか。その理由をきちんと説得できなければ、どんなに沢山の商品を並べていても売上は上がりません。それができていないから、多くのお店は売り上げが作れず退場していくのです。おちゃのこネットでも多くのお店は月商10万円以下の水準から脱却できていません。私は一人でも多くのショップオーナーさまに成果を上げて頂いて、長くお店を続けて頂きたいのです。小手先のテクニックよりも、こういう根本的な芯の部分の考え方を身につけて頂くことが成功への近道だと思います。

セッション2ではいつものパネルディスカッション。今回も名古屋の有名店「SPLASH」さまにご登壇頂きました。本当にいつ見てもセンスのいいほれぼれするデザインのサイトですよね。ご夫婦で創業から経営に携わっておられる石田店長に日頃のネットショップ経営の裏側をお話し頂きました。お店を立ち上げて数年はご夫婦二人で運営をされて、ヤフオクへの出品で売れ線の商品の見極めと値頃感を掴み、全てのコンテンツを自前で作り、コツコツと実績を積み上げてこられました。検索エンジンへの露出、リスティング広告、メルマガ発信、FacebookやInstagramなどのSNSの活用、独自の読み物コンテンツの整備。それぞれが当たり前の施策を、ただし高品質に実行しておられます。デザインや見せ方についてはオーナーさんのセンスとしか言いようがないので簡単には真似できませんが、売上を作っていくプロセスそのものは王道ですから参考になるはずです。セッションの途中から参加オーナーさんからお悩みの相談などもあり、具体例を交えたやり取りが時間をオーバーして続きました。

そして最後の打ち上げ。実はこの時間が私にとって一番楽しい時間でもあります。顔なじみの古いオーナーさんたち数人とお互いの近況報告をして、おちゃのこネットがいまどういう状況で何をしようとしているのかお伝えしました。実はいま裏側で凄いことが進行中でして、東京で買収したエンジニアのSES会社を舞台に、新しい人材の採用と新規の開発チームの編成、そしてAIを活用した新しいツールの企画と開発がスタートしているのです。永年神戸で思ったような採用が進まず慢性的な人材不足に悩んでいましたが、状況はこの数ヶ月で様変わり。貴重な人財を多数確保することに成功し、戦略を考えられるキーマンの獲得と併せて新しいビジョンに向けて邁進中です。向こう数ヶ月でこの成果を形にしてお目に掛けられるはずです。どうぞ新しいおちゃのこネットにご期待ください。再度成長軌道に会社を乗せたいと強く決意しています。

ワールドクラスの事業を創り出す

コンタクトのビジョンは何でしょう、と問われます。確かにそこを明確に言語化はしてきませんでした。それではいけないので、馬頭さんと相談して次のように定めました。

「ワールドクラスの事業を創り出す」

なかなか壮大ですねw しかし、ビジョンとはこうでなくてはならないのです。それが達成できたときに心からの達成感と満足感を得られる、誰にとってもワクワクする目標。そうでなければ、目指す意味がないからです。

ワールドクラスという言葉には色んな意味が込められています。一つは、神戸という地方都市から東京に負けない仕事を発信することで、地方を活性化する。もっと大きな視点からは、存在感が低下する一方の日本を活性化し次の世代にいい形のバトンタッチをする。

おちゃのこネットが身の丈を超えて英語版のサービスを提供し続けているのは、世界を見た仕事をしたいからです。我々が神戸を離れずにいるのは、地方の意地なんです。

いま有能な人たちが続々と集まってきてくれているのを感じます。まだおちゃのこネットは成長の勢いを取り戻していないけれど、CARZYは軌道に乗ってはいないけれど、それでも我々はワールドクラスを意識したい。時価総額一兆円は、そのモノサシだと思っています。神戸に一兆円の企業が生まれたら、きっと周囲にインパクトを与えられますよね。

期限は私の70歳の誕生日。あと18年。本気で狙います。

「楽らクラウド」社の事業譲受のお知らせ

楽らクラウド

前回のBLOGからかなり更新間隔が空きましたが、この間に上記のSES事業会社の株式譲渡を実施しました。グルーコード社の嵐社長とM&A仲介会社、そして楽らクラウド社の社員の皆さん、ほか関わった多くの方々に厚く御礼申し上げます。

正直なところ、当初は私自身がこの事業譲渡が実行できるとは思っていなかったんです。オファーを頂いてすぐに手を挙げたものの、競合先がかなりの数ありましたし、その中には上場企業も含まれていたと聞いています。資金力では到底太刀打ち出来ないと覚悟していたので、弊社に譲渡が決まったと聞いたときには驚きました。

しかしながら、12月に入ってから楽らクラウド社の社員さんに説明会を実施し、そこで生身の皆さんの反応を目にし、この方たちの人生に責任を負うのだという緊張感と共に新たな決意も抱きました。それはつまり、やるからには良いものにしたい、私が譲渡を受けてよかったと皆さんに思って頂きたいという想いです。特に規模が大きいわけでもないSES会社が新たにできたとして、それだけでは何もインパクトはない。従来の同業にはない新しい視点とビジョンがなければ、やる意味がないと思うのです。では、そのビジョンとは何か?

自由で楽しいエンジニアのための働く環境つくり、です。

私自身も2004年におちゃのこネットを始めるまでは東京に仕事環境を移すべきか随分迷いました。少ないとはいえ当時の社員に転居を強要することはしたくなかったし、何でも東京に行かないと話にならないというのも負けた気がして悔しいし。結果的に神戸に残って、自社サービスを立ち上げる道を選びました。それは正解だったと思います。Webの受託開発を請けていた頃から比べると、自分たちでサービスの仕様も価格も決めれるし、誰かに指図を受けるわけでもない自由な環境で働くことができるようになりました。何よりお客さまの声を直接目にできることは大きな喜びで、自分たちの仕事が誰かの役に立っている、感謝されているという実感を得られることは仕事の最大のモチベーションになりました。しかしながら、良いことばかりでもなかったのです。

自社サービスのデメリットは、目の前の環境に変化が乏しいというところにあります。一つのプロダクト、サービスをずっと提供し続けるわけなので、安定してはいますが代わり映えしないのですね。納期に迫られて苦しい思いをしていた受託開発は、あれはあれで納品の達成感はあったのです。そして毎回新しい開発テーマと最新の技術に触れていられるという愉しさもありました。どんなものごとにもメリットとデメリットの両面があるのです。だから継続的に一つのことを積み上げていくのが得意な人には自社サービスはとても良い環境なのですが、新しいもの好きで飽きっぽい人にはツラい面もあります。その意味では、受託や派遣という業態にも良いところはあるのです。では現状の派遣ビジネスの悪いところはどこか?

それはあまりに自由度が低いところにあるのではないでしょうか? 通常、大規模な業務系のシステム開発は、特定の開発場所にエンジニアを集めて管理します。つまり、地理的・時間的に人を拘束して、稼働時間で管理するわけです。例えば銀行の勘定系システムなどのセキュアで規模の大きなシステムは、仕様書を書く上流工程から開発とテストを行う下流工程までウォーターフォール型の開発手法で進められることが殆どです。これはもう何十年も昔から変わっていません。しかし、本当にそのやり方が正しいのか? それしか方法がないのか?

一番分かりやすいのは、通勤です。東京の満員電車を体験した人なら誰もが思うはず。「これは人間的な生活環境ではない」と。どうして毎日毎日あのすし詰めの電車に、それもスーツで押し込まれて、汗をかいてドロドロになりながら職場に通わねばならないのか。今やリモートワークなんてスタイルで、自宅やカフェ、コワーキングスペースや、それなりに快適な職場で楽しく働いている人が一杯いるじゃないですか。どうしてああできないのか、疑問に思いませんか?

私が思うに、最大の原因は先入観です。このやり方でないと品質管理ができない、納期が保証できない、コスト管理が徹底できない、そう思い込んで思考停止しているのです。いわゆる大企業病ですね。変革を嫌う悪しき前例主義のしわ寄せが、そういう大規模なシステム開発の現場に全部向かってしまってるんじゃないでしょうか。もちろん全てのシステム開発がアジャイル型で少人数が試行錯誤を繰り返しながら柔軟に仕様変更に対応するようなスタイルになるわけではありません。それでも必要もないのに無意味に従来型スタイルに拘泥している古い開発現場は多いと思います。そろそろみんな気付いてますよね。もっといいやり方があるんじゃないかと。

私の思う理想形は、SIベンダーの品質と、フリーランスの柔軟性の両立です。SIベンダーの窮屈なところを取り去って、当てにならないフリーランスの品質を担保する仕組み。両者の中間的なポジションですね。これができれば、多くのエンジニアにとっての理想的な働く環境が作れるんじゃないでしょうか。通信環境がこれだけ劇的に良くなって、クラウドサービスもツールも充実して、新しい開発手法やチームマネージメントスタイルが開発されているのです。21世紀型のやり方に移行しましょうよ、というのが私の提案です。恐らくそれは人を現場に派遣する人月単価の管理手法とは大きく異なるスタイルになるはず。上手く機能するカタチを作れるかどうかはやってみないと分かりませんが、トライする価値は大いにあると思います。

ソフトウェアの重要性は今後も高まるばかりで、決して価値が下がることはありません。その価値を実現するのは、ひとえに人間なのです。エンジニアの価値の向上こそが時代の要請であると思うからこそ、この事業に取り組む意味が出てきます。息子たちの時代に向けて、エンジニアの地位と環境を高めてあげたいなと心から思うのです。本格的な仕事は来年からですが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

第二回「おちゃのこサークル勉強会」

非公開なんですが、「おちゃのこサークル勉強会」というものを開催しています。日程も不定期、参加メンバーも決まってはいませんが、おちゃのこネットをご利用中のショップさんでパネラークラスの成果を出してらっしゃるオーナーさんのみの参加に制限させて頂いています。元々は弊社セミナーにパネラーとしてご協力頂いているオーナーさんに何かお返しをさせて頂きたいというのが発端でした。今回のテーマは、”おちゃのこマスターマインド・グループ”。マスターマインドとは、共通の目標を持った同士、とでも言いましょうか、同じレベルにあってお互いに良い影響を与え合える仲間、の意味ですね。ネットショップとして月商数千万円レベル以上を成果として出せるメンバーが集っての勉強会は、やはり刺激的なのです。

今回発表された事例は、

・オウンドメディア(YouTube、フリーペーパー)の作り方
・決済が店舗経営に与える影響(AmazonPayほか)
・ブランドストーリー構築のクオリティとコスト施策
・ステップメールを活用した顧客リレーションシップのつくりかた
・eBookとメルマガとLINEの組み合わせによるVIP顧客の創出
・実店舗での世界観構築手法
・LINE@と動画コンテンツ、Instagramによる効果的なマーケティング手法の実態

というものでした。この濃い内容をできれば皆さんにシェアしたいのですが、長時間に渡るコンテンツの量とデリケートな内容を含むところからなかなか難しいんですよね。これはもう、現場にお越し頂くしかない。ご参加頂いたショップオーナーの皆さま、本当にありがとうございました。お互いに良い刺激になりましたよね。

第三回目の勉強会は開催未定なんですが、マンネリにならないよう、ネタの鮮度とクオリティを落とさずにまた集まりたいと思います。その節はまた宜しくお願いします!

愛知トリコローレ with CARZY Live! 2018

愛知トリコローレ with CARZY Live! 2018

今年最後のトリコローレを愛知県はあいち健康の森で開催しました。限定200台のエントリーが早々に一杯になり、恐らく一般駐車場にお停め頂いて来場頂いた方も沢山いらっしゃったことと存じます。お越しくださった皆さま、本当にありがとうございました!

今回は閉会後に会場を退場なさるおクルマを一台一台お見送りしたのですが、思っていた以上に若い方、それも女性のオーナーさんが多くて良い意味で驚きました。このご時世クルマに興味なんかないやっていう声が多い中、こんなに大勢にクルマ好きの方が集まって頂いて嬉しい限り。皆さんの笑顔を見ているとこちらが癒されます。何だか日本のクルマ業界悪くないよな、なんて元気が出ましたよ。

実は最近クルマ関連のイベントって増えてるんですよね。各地で様々な趣向を凝らしたイベントが沢山開催されていて、ギャザリング、ツーリング、コンクール、オークション、色んなパターンがあります。景気が良いとは言いながら一般市民には実感がありませんが、景気に波とは無関係な大きなトレンドがある気がしています。それは、世間の風向きを気にせずに、自分の好きなことを中心に暮らしていく、という個性化の流れ。「流行っているから、誰かが言ってるから、周囲がそうしているから。」そんな他人の価値観に振り回されてちゃ面白くない。世間体に捕らわれない個性化と多様化の流れが来てるんじゃないでしょうか。それはこれからますます進む一方で、もう後戻りはしない。だから趣味を楽しむトレンドは加速していくのだと思っています。それはクルマに限った話じゃないですよね。こうやって自分のできる範囲でクルマと仲間の楽しい時間を過ごしてらっしゃるお顔を拝見しながら、そんなことを考えました。

今年一年、各地で多くのクルマ好きの皆さんにお目にかかりました。また来年も宜しくお願いします!

おちゃのこネットーAmazon共催セミナー

Amazon Payを活用して、ネットショップの売上げアップを狙おう

Amazonの大阪オフィスをお借りしてセミナーを開催させて頂きました。メインテーマはAmazon Payの導入と決済まわり。ここ、ネットショップにはとても大切なところですよね。

私は、個人タクシーが好きではありません。組織に所属しない一匹狼みたいな人が多いので当たり外れが大きい(たまに凄く良い当たりのドライバーさんもいらっしゃいます)のと、未だにクレジットカードが使えない車両が多いのです。東京に出張すると、全てのタクシーでSuicaが使えます。これは一度使うとクレジットカードにも、ましてや現金払いにも戻れない。でも関西では使えるタクシーがないのです。この決済のストレスは、サービス提供側が思っているよりも大きい。ECのハードルは低ければ低いほど良いに決まってるのです。決済手段は、銀行振込・代引き・クレジットカード・後払い、など多いに越したことはありません。その意味では、Amazon Payはとても良いサービスなのです。

おちゃのこネットのような単体のカートサービスの大きなネックは、集客力とアカウント登録の手間の二つです。集客はともかく、この買い物をするときのアカウント登録、萎えますよね〜 いちいち名前と住所と電話番号を登録して、クレジットカード引っ張り出して、ぽちぽち入力する。もう一度同じサイトを使うかどうか分からない、ロイヤルティの低い状況ではこの手間が非常に面倒です。結果として、もし同じ品、もしくは同等品がAmazonや楽天にないか検索して、そちらで勝ってしまう人が相当数いるはずです。その逃している客の幾らかでも拾えるのなら、これはAmazonPayや楽天ペイの意味は大いにあるのです。カートの弱点を大きく補ってくれる提携だと思います。

集客、決済、配送、バックオフィス処理。ECにまつわる付帯業務は沢山あります。それらをシームレスに結んで、使い勝手の良いトータルEC環境を実現することがおちゃのこネットの課題です。今後も一つ一つ解決して参ります。

事業譲渡のお知らせ

本日11/21付けをもちまして、弊社の自動車パーツ販売事業を営業譲渡させて頂くことになりました。

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事業譲渡のご案内
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度、株式会社コンタクトは2018年11月22日をもって事業譲渡(カーナビ、カーパーツ販売)することとなりました。
永きに渡りご愛顧を賜りましたこと心よりお礼申し上げます。
なお、弊社の事業は下記の遠藤 弘樹氏が引き継ぐこととなりますので、何卒これまでと変わらぬご愛顧を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
敬 具

2018年11月22日

株式会社コンタクト
代表取締役社長 岡野 幹生



事業譲渡先
遠藤 弘樹
〒594-0076 大阪府和泉市肥子町2-114
電話番号 0725-46-1182
FAX番号 0725-46-1200
メールアドレス info@contactparts.jp
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永年続けてきた事業ですので私なりに思い入れもあるのですが、遠藤さんにお任せした方がより発展できるという前向きな考えからの営業譲渡ですのでご理解を賜りたいと存じます。引き続きのご愛顧を賜りますよう、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

私は今後、CARZYの立ち上げと、おちゃのこネットの事業拡大、この二つに注力します。おちゃのこネットは2004年からもう14年に渡る業歴がありますが、CARZYは形になったばかり。NASDAQ上場を目指して大きく育てて参ります。どうぞご期待くださいませ!

noteと連携しました

note記事内でのEC表示機能、新たにYahoo!ショッピングなどの6つのECプラットフォームが加わり、合計11サービスになりました。

勘違いしている人も多いのですが、イマドキはモノをただショップに並べているだけでは絶対に売れません。そこに必要なのは、ストーリー、物語り、なのです。その商品を生み出すのにショップオーナーがどれだけの情熱を傾けたのか。どれだけの想いと時間と労力が詰まっているか。その商品の背景にある物語りに消費者が共感したときに初めて、モノが売れるのです。だから、売れません、と嘆くオーナーさんは、自分が買う側の立場に立ったときに本当にそのお店でその商品を買う気になるかどうか、自分に問いかけてみればいいのです。何が足りないのか、どうすればいいのか、答えは自然に見えてくるはず。

その意味で、物語りを伝えるには、それ相応の舞台装置が必要。ネットにも相応しい場と演出が求められるのです。noteはそんな想いを伝えやすいメディア。そこにおちゃのこネットがJOINできたこと、とても嬉しく思います。ぜひ上手く活用して、それぞれのお店の素敵なストーリーを沢山生み出して頂きたいですね。ショップの運営、商売って、ある意味自己実現の場なんですよ。

AmazonPayがお使い頂けるようになりました!

Amazon Payのご案内

9/3(月)から、おちゃのこネットでAmazon Payがお使い頂けるようになりました! 先行して8月から申し込みだけ受け付けておりましたが、反響の大きさに皆さんの期待を感じます。やはりECの世界ではAmazonの存在感は別格。ネットショッピングする人でAmazonのアカウントを持っていない人はいないでしょうから、決済で自分のAmazonアカウントが使えるのはこの上なく便利ですね。

ショッピングモールと比較した場合、単体のショッピングカートサービスには致命的な弱点があります。それは集客導線の弱さとアドレス・決済情報入力の手間。集客導線は販売手数料とセットなので、手数料のかからない単体のショッピングカートサービスには裏返しのメリットがあるのですが、購入者/配送先アドレスと決済方法の入力だけはどうしようもないウィークポイントでした。それが普段からよく使っているAmazonのアカウントを使えるのであれば、普段はモールでしか買い物をしない層に対しても訴求できるので専門ショップとしては大きなメリットになるはずです。

Amazon Payの提供には諸条件がAmazon側から指定されており、注意が必要です。

・法人アカウントのみに限定:今のところ個人事業者は利用不可になっています。これはAmazon側の制約です。
・全体https対応必須:ショップをSSL対応にしておかないと、Amazon Payの設定ができません。これはChromeの警告表示の問題もありますので、対応はいまやネットショップの常識です。

実はこういうよく使われているモールアカウントを決済に使うパターンは、楽天ペイ・Yahoo!ウォレット決済もご用意があり、それぞれそれなりの数のご利用があるのですが、やはり今回のAmazon Payが反響としては圧倒的です。存在感の差は如何ともし難いですね。モールとしてのAmazonマーケットプレイスは、あまりいい評判を聞きませんが、外部のショッピングカートサービスでAmazon Payを使うというのは良いとこ取りの賢い選択なのではないでしょうか。