Kindleダイレクト・パブリッシング(KDP)

無事に「CARZY」がKindleでリリースされましたので、手順などをメモしておきます。



まずは、KDPのアカウントを取得します。買い物をする個人アカウントとは別にしておいた方が良いでしょう。KDPの初期画面はこちらです。



サインインしたら、最初にアカウント情報を登録しましょう。法人名(氏名)・銀行口座etc.です。



さて、いよいよコンテンツの登録です。Kindleではサポートしているファイルフォーマットに下記の制限があります。
サポートしているファイル形式



縦書き・横書き : KDPでは、固定レイアウトとリフロー型のコンテンツ(縦書き・横書き)をサポートします。固定レイアウトの場合は、ページめくりの方向を自由に変更できますが、リフロー型の場合は、文字列の方向に合わせてページめくりの方向が自動的に設定されます。



ルビ : ルビはサポートされます。詳しくはこちらをご参照ください。



ファイル形式 : 現在KDPがサポートしているファイル形式は、HTML (.htm、.html、画像を含む場合は.zip)、 ePub (.epub)、圧縮されたXMDF (.zip)です。 Microsoft Word (.doc、または .docx) で作成した日本語の本については、試験的にサポートしています。出版前に本のプレビューを行い、品質を確認することをお勧めします。
更にファイルの容量に関しても以下の制限があります。
Amazon KDPで変換できる最大ファイルサイズは50MBです。50MBを超えるファイルを変換することはできません。



画像



Kindle本では、画像コンテンツが最も大きな要素となっています。Kindle本のファイル形式は、最大127KBまでのJPEG・GIF画像に対応しています。KDPにアップロード可能な他の形式の画像(BMPやPNGなど)や、ファイルサイズの要件を満たしていない画像は、変換処理中にJPEGファイルとして自動的に再圧縮されます。KDPにアップロードする前に、これらの要件に合わせて画像を最適化すると、ファイルサイズを小さくすることができます。また、ファイルサイズが大きいことを原因として、変換中に問題が発生する可能性を減らすこともできます。
テキスト分を主体とする書籍コンテンツでは上記の制限に掛かる事はまずないでしょうが、「CARZY」のような雑誌体裁のコンテンツの場合は色々注意が必要です。まず一番悩ましいのが、PDFをアップ出来ないことです。凝ったレイアウトを多用する雑誌のデザインをePubで実現する事は出来ません。事実、Adobe InDesignで作成した雑誌の誌面をePub書き出しオプションで吐き出してみましたが、レイアウトはボロボロでした。しょうがないので、「CARZY」では画像として各ページを生成する方法を選びました。この場合は、今度は各ページの解像度が気になります。文字の潰れを考慮すると極力高解像度が望ましいのですが、上記の各ページ毎のファイル容量制限に抵触します。「CARZY」のPDF版、並びにiOS版ではかなりの高解像度画像を多用しましたが、Kindle版は各ページ127KB以下に落としてあります。各ページを個別に画像として生成した場合、これをまとめてアップするには全部の画像を一冊の雑誌としてePub形式にまとめる必要があります。探したところ、こんな便利なツールがありました。作者さんに感謝!



ChainLP



一つだけ注意は、ChainLPのePub生成オプションのうち、"縦横比チェック"と"ページ補正"オプションは指定を外して下さい。入っていた場合、Kindleへのコンテンツアップに失敗しました。



さて、コンテンツの準備が出来たら、いよいよKDPへのアップです。これは画面の指示に従って各項目を埋めていくだけ。ISBNコードには
ISBNは国際標準図書番号です。ISBNは、本の商品詳細ページに表示され、その本の固有のバージョンを識別します。ISBNがなくても本を出版することができますが、ISBNがある場合はここで入力してください。



重要:電子版には印刷版のISBNを使用しないでください。電子版にISBNを入力する場合は、電子版固有のISBNを使用する必要があります。ISBNは公式のISBN機関を含む、ウェブ上の複数のソースから購入できます。
と注記があります。電子版の場合はISBNコードが無くても問題ありません。カテゴリーの指定がちょっととまどいますね。なかなか適切と思えるカテゴリーがありませんが、どうせ検索でコンテンツを探すのですからあまり気にしなくても良いでしょう。表紙用に使う画像は
サイズ



カバーアートの推奨サイズは次のとおりです。



• 長辺が最低1000ピクセル

• 理想的な縦横比は1.6

長辺が2500ピクセルの表紙画像が推奨されます。
だそうなので、解像度の大きな画像を用意しておきましょう。DRMの設定は各自の判断ですが、私はアンチなのでDRMなしにしました。さあ、ここまで入力したらコンテンツファイルをアップしてみましょう。これは10分程度掛かりますが、それで正常です。一度でアップ出来たあなたはラッキー。ダメな場合はファイルの容量や余計なオプション指定が入っていないか設定を変えて試しましょう。この段階では全体のファイル容量が50MB以下なら、各ページのサイズが127KBを超えていてもアップ出来るそうです。後で変換してくれるんですね。アップが完了したら、そのまま出版へ。これでAmazonの審査フェーズに進みますので、後は待つだけ。我々は一日程度ですぐにリリースされました。Appleの審査と違い、アプリの挙動等のチェックがないので早いんでしょうね。拍子抜けするほどあっさり審査は通りました。



如何でしょうか? こんなに簡単にKDPで出版出来ると、零細のコンテンツホルダーがこぞって電子版をリリースする様になると思います。出版という行為の垣根が一気に下がりました。勿論粗製濫造されたコンテンツが増殖すればそれは読者離れになりますから、数があれば良いというものではありません。でもこのネット社会で優れた草の根コンテンツ(電車男とか)が沢山生まれましたから、長い目で出版業界全体の活性化に繋がれば良いなと思っています。