日本企業が弱い理由

沈みゆく会社からなぜエンジニアは逃げ出さないのか?



うーん、この記事を読むと、何故日本企業が弱っているのか、理由が分かる気がします。
竹内  いま、多くのメーカーでは10の事業があったら、せいぜい1つの事業が儲けていて、残りのほとんどの事業は赤字を垂れ流しているような状態ではないでしょうか。だから従業員でいえば、90%の人は消耗戦を戦っているわけです。たまたま1つ儲けている事業部があれば、その他の事業の人も食べていける。
竹内  いま、シャープはコアの液晶事業まで業績不振に陥ったから、台湾のEMS大手の鴻海精密工業に出資をあおぐ形で救済してもらった。赤字の事業はやめればいいと思いますが、国内に工場もたくさんあるし、従業員もたくさん雇っている。だから、会社全体の売上にそれらの部門が貢献していないからといって、それらの事業・人を切れるかというと、日本の社長はこれをなかなか断行できません。
竹内  問題は他にもあるんです。フラッシュのようにせっかく勝っている事業があっても、負け戦の部門が多くなると、社内的に「ヘンな力学」が働くんです。たとえば、「極力、社内のエンジニアを使いなさい」とか「できるだけ、社内の製品や部品を調達しなさい」といった、お達しが出てくる。これがどういう意味をもつか、ちきりんさん、わかりますか。



 たとえばフラッシュメモリを使ってメモリーカードをつくる場合でも、いろいろな技術を寄せ集めることが必要です。当然、メモリ本体は世界最強の私達がつくる、それに載せるLSIや組み立ても世界最強の台湾でやる、というのが誰が見ても最適解なわけですよ。それが世界のどこでも勝てる最強商品であり、会社としての選択肢だと思うんですが、本体が弱ってくると、さっきのような「社内調達のお達し」が出される。そして、社内の資源をうまく使ってやるのがおまえの仕事だろ、となるんです。本来なら、最強タッグで組めば必ず勝てるのに、社内調達の道を選ばされるから、コア事業まで弱っていく。日本の会社の至る所で、こんなことが起こっているんだと思います。
根本原因は、雇用を切ることが出来ない、という一点に尽きる気がします。

「経営者は人をクビに出来て一人前」という言い方がありますが、特に日本では解雇を伴う事業整理が非常にやりにくい気がします。

じゃあお前は出来るのか、と問われると、私も自信がありません…。

そういう事態を招かないように最大限努力している、としか言えません。

誰だって悪者になりたくありませんものね。

そう考えると、日本の問題は経営者の経営力と言えるのかな。

難しいところですよね、日本は従業員を大事にして、組織の一体感を高める経営で勝ってきたのですから、そこを捨てたら日本企業らしさが失われる気もするし。

そんな甘い事を言ってるから、世界で勝てないのか…。

アメリカの経営者だって人の子ですから、人のクビを切るのに良い気はしないはずですが、そこは経営と資本が分離している構造が機能しているのでしょう。

経営者自身が株主に解雇されるプレッシャーを背負っているからこそ、踏み切れるのだと思います。

じゃあ、日本もアメリカ型の企業統治を目指すべきなのか?

う〜ん、何が何でもアメリカが正しいとも思わないしなあ…。

理屈では分かるんですよ、ばっさり切った方が当事者の為にも良いという事は。

う〜ん、結論の出ない難しいテーマです…。