「北京咳」の原因と対策は?

北京PM2.5汚染の本当の原因 都市民の環境意識を含めた蓄積の結果



最近の一番の話題かも知れない「北京咳」。皆さんのお住まいの地域では如何ですか? こちら神戸はかなり影響を受けている実感があり、私も喉が痛いです。風邪にしては熱っぽくないし、体調に問題は無いので、やっぱり北京咳かなと。全然他人事じゃありませんね。



原因として挙げられているのは、
三大原因として自動車、暖房、レストランなどの厨房の排気があげられ、北京の大気汚染源の50%以上とされた。特に自動車の排気はPM2.5の4分の1の発生源という。
とされていますが、同時に
中国当局としては年初の首都を中心とした深刻な大気汚染はかなりショックをもって受け止めたと言われている。1月に発表された北京大学とグリーンピースの共同調査では、北京、上海、広州、西安の四大都市で昨年のPM2.5が原因で早死にしたとされる人数が8500人に上ったという。これによる経済損失が68.2億元とも。



 こういった各専門機関からの報告もあって、北京では年内に硫黄成分10ppm以下の「国五ガソリン」の導入を決めた。また排ガス規制も2月から、「ユーロ5」に相当する「北京5」の基準をクリアした自動車しか新規のナンバープレートを取得できないこととした。再び北京五輪当時の「やればできる子」なところを見せようとしている。



 しかし、私の個人的な感覚で意見を言わせていただければ、この種の努力で成し得る改善の程度は限度があるだろう。北京の大気汚染の本当の原因は、私は自動車の排ガスといった単純なものだけではないと思っている。



 排ガス規制もガソリン基準も、北京は周囲の都市に比較すると格段に厳しく、暖気の天然ガス化、クリーン化もずいぶんと進んでいる。



 だが、それが根本的な改善に結びついていないのは、環境汚染は複合的に起きるもので、排ガス規制やクリーンエネルギーといった個々のテーマではなく、都市としてのシステム、そこで暮らす人々の意識、また周辺都市とのつながりも含めたもっと広い地域の問題として取り組んでいないからではないか、と感じている。
とも指摘されており、単独の対策で解決するような簡単な問題ではないんですね。恐らく汚染は北京オリンピック前からかなし進行しており、中国当局の情報操作もあって低く公表されていたのがさすがに隠しておけなくなっただけなのでしょう。誰が見たって状況が深刻なのは明らかですからね。



中国の経済発展はここまで順調に来ましたが、さすがに環境という天井に突き当たったという事です。この先は国民も自身の健康と引き換えに経済発展を求めるわけもなく、規制を強めて成長にブレーキを掛けざるを得ません。日本が1960年代に経験した段階に到達したんですね。本当の先進国になればまだ成長の階段に先はありますから、中国が大人の国になってくれるのを願うばかりです。