音楽業界はダメになってしまうのか?

時事問題の旬について(追記あり)



音楽業界は全てのデジタルコンテンツ業界の先行指標みたいなところがありまして、メディアの変化(カセット→CD→DVD/Blu-ray→ネット配信)の影響をモロに受けています。その結果、パッケージメディアの売上が落ちてきて、ライブの売上が重要になって来ています。そのあたりを解説したのが、



1600億円 -音楽業界でまさかの「逆転現象」発生中



↑こちらの記事ですね。”まさか”というのは煽り見出しで(笑)、関係者は皆当然の成り行きだと思っています。少し前からマドンナとかの有名アーティストがCDを無料化してライブで収益を取る戦略だ、とか有名な話しですもんね。
ドリルを買う人は、ドリルが欲しいのではなくて穴を開けたいのだ、という理屈に近い。厳密にはもちろん違うけど。でも流通経路が変わり、割高な装置産業よりも簡便にダウンロードできれば欲しいものが手に入る状況になれば、装置にぶら下がっていた人がコストになるのは音楽業界だろうが出版業界、新聞業界もだいたい同じ。当たり前のことなんですけどね。
私は音楽業界には関わりが無いんですが、この指摘にあるように出版業界も同じトレンドの渦の中にいるわけです。当然ながら、雑誌というパッケージメディアも同じ道を辿ると思うので、未来を予測するいい勉強材料ですね。



大事なのは、
「音楽業界が苦しいだけであって、音楽が駄目になったわけじゃない」
というところです。昔も今も、コンテンツを創り出せるアーティスト・作家こそが全ての価値の源泉で有り、メディアが変化したからといって騒いでいるのは周辺で商売している人間だけ。だから良質なクリエイターは良いコンテンツを生み出す事だけに注力していれば、勝手に周囲が新しい商売の仕組みに乗せてくれます。人の習慣が大きく変わって定着するにはやっぱり世代交代が必要だと思うので、一目20年サイクルですかね。意外と紙という媒体への執着が強いみたいなので、雑誌領域でこれだけのドラスティックな変化が起こるのかどうかはまだ分かりません。私みたいなIT業界から入って来た人間は、何せ新しい方向にベットするしかないのです。(^^ゞ