江副浩正さんの死去と、日本のベンチャーと

リクルートの創業者である江副浩正さんが亡くなりました。多くのリクルートOBが追悼の言葉をアップしていますね。私は大学四回生の内定者のタイミングで例の事件が発生しましたので、退任された江副さんと直接の接点はありませんでした。しかしそれでも偉大な創業者が創りだしたリクルートという会社は、江副マインドに大きく影響を受けていましたし、それは今でも残っていると思います。なかなか言葉で説明しにくいのですが、究極のポジティブマインドというか、超建設的思考の会社なんですよね。仕事をしていると当然色んな問題や解決すべきテーマが発生するんですが、関わる全員がすごく前向きな対応をするというコンセンサスがあるんです。それを見ていた社外の人が、「サークルのノリ」「お祭り騒ぎ」と表現したんじゃないでしょうか。若い人のエネルギーで満ちていましたし、年輩の人も本当に柔軟な思考の持ち主ばかりで頭の固いオジサンなんて見当たりませんでしたね。毎日遅くまで働いてましたが、楽しい職場でした。



田原総一朗さんが書いてますけど、
リクルート元会長の江副さんが亡くなった。リクルート事件は完全な冤罪事件だった。江副さんは検察の暴挙で人生を狂わせられてしまった。言いたい事がいっぱいあっただろうと思う。
私もマスコミをはじめとする古い既成勢力が強烈な嫉妬で潰してしまった非常に残念な出来事だったと思っています。あれから25年経ってもリクルートは相変わらず高収益企業として存続しており、その事が社会的な貢献度の高いビジネスであった事の証拠だと思います。この国は、本当に良い国なんですが、狭いムラ意識が抜けないところがあって、こういう突飛な存在への許容力に欠ける面があるんですよね。それがホリエモンなんかの事例でも出ていて、ベンチャービジネスがなかなか定着しない一因だと思っています。孫さんくらいの突破力があれば抜き出ることも出来るのかも知れませんが、孫さんも三木谷さんも旧勢力に細かい気遣いしてますもんね。このマスコミの体質が変わらないと、日本は本当の成熟社会にならないんじゃないでしょうか。最近は大分マスコミの化けの皮がはがれて来てますけど、私はリクルート事件当時の報道を見ていて、いかにいい加減でご都合主義か痛感しましたよ。平気で無いことねつ造するのも当時からありましたから、私のマスコミ嫌いは当時の経験があったからかも知れません。ベンチャーが育たないと嘆きながら、反対の手で出る杭を叩きまくるんですもん。そりゃあきませんわ。



ベンチャービジネスというのは、規制の無い新しい分野で、今までになかった商品・サービスを開発するもの。だから一番しがらみのないIT分野が若手にとって魅力的なんですよね。本当にベンチャーを育てる気があるのなら、余計な支援策なんていらないから、規制緩和をすること。チャンスさえ与えれば、やる気のある起業家が勝手に商売にしますよ。補助金に群がる経営者なんて、あれはたかりです。お金儲けが汚いこととかいう感覚を捨てて、まともに頑張った人が正当に評価される風土を作ること。結局それが活性化の一番の近道なんじゃないでしょうか。