技術の分かる経営

「ずっとむなしい、なにもなく終わる・・・」 マツダの天才エンジン技術者、大逆転の軌跡
(2018.3/10(土)の5時までは無料で読めるそうなので、ご興味のある方はどうぞ。)

はてブで沢山のコメントが付いていたので読んでみました。感じたのは、経営陣が正しい技術の目利きができるかどうかで会社の浮沈は大きく変わってくるんだなということです。幾つか印象的なコメントをご紹介。
先行開発部門や研究所には、見た目の成果をほとんど出せないままに何十年間を過ごす人がいっぱいいる。
これは辛い。モチベーションを持ち続ける自信がないです。
スカイアクティブの開発が始まったのは、2012年に始まるとてつもなく厳しい規制に対応しなけりゃならんことがきっかけです。
規制が転機になったと。外圧でイノベーションが加速されたわけですね。このあたりがクルマ業界とIT業界のスピード感の違いなんですよね。IT業界は外圧の連続で息を抜くヒマがない。これをシンドイと思うか、競争環境がリセットされるチャンスの多い業界と思うか。
私に運があるのかないのか。運のあるなしは、自分の見方次第ですから。自分より不幸な人を見てマシだと思うのか、自分より幸せな人を見て、俺は何と不幸だと思うのか。私は真ん中くらいかな。最後にモノにできて、最悪ではなくなった。会社人生の大半を最悪だと思ってましたけど。
これ、今の若い人に同じ我慢を要求するのは無理があるでしょうね。昔は我慢していても業界と会社全体が成長していたから、自分の給料もポジションも自然と上がっていった。成長しない時代に同じロジックを持ち込んでも、若手は我慢の代償が得られない。チャンスの多い環境に移って社会全体が流動性を高めた方がみんなの幸せになるんじゃないかなと思えます。
マツダには、金がないんです。でも貧乏だからこそできることが絶対にあるんです。
それが新しい考え方や技術の導入、つまり工夫ということなのでしょうね。小さい会社がリソースの少なさを嘆いていても始まりません。それは当たり前。自分達の強みを探さねば。
メーカーによって、理解の度合いがまるで違います。ぐずぐず考える前に金を使って試作機を早く造ることを自慢する会社は、モデルベース開発への理解が遅いですね。
なまじカネがあるとイノベーションが進まないと。
今のところ量産開発を担当した技術者が研究所に移ることをあまりしていないので、今後はやりたいんです。
人事交流って大事だと思います。人がコンテンツ。混ぜちゃうと化学反応が起きる。
技術研究所のテーマは、ロードマップに沿う形にしました。究極のエンジンの姿を考えて、到達する道筋をどう実現するのか最初に示すんです。ぱっと思いついたアイデアで研究しません。ロードマップに沿うテーマを考えれば、採用される可能性が上がるでしょ。
この正しいロードマップを示せるかどうかがキモだと思います。気の利いた人がいないと見通せないし、その人を重用するだけの見る目が経営陣に必要。

さて、自分達はどこまでできているのか、我が身を振り返ってしまいました…。