Amazonの金融サービス

アマゾンが金融サービスに参入?

ついにAmazon創業者のジェフ・ベゾスが世界長者番付一位になりましたね。そうだろうな、と思わせるものがあります。IT業界で一番勢いがあり、かつ貪欲な会社だからです。その目指すところがどこにあるのか、どうなろうとしているのか、天井が見えない不気味さを感じています。

ECと金融・決済は非常に相性のよい組み合わせ。以前からAmazon Payという決済サービスは提供していますが、それでもあまり本気で金融サービスに取り組んでいるようには見えません。上記の記事の中に、
ウォールストリート・ジャーナルによると、このビジネスは今のところ、それほど成功しているわけではない。
とあるのがちょっと解せません。ビジネス的にそれほどインパクトのある売上には繋がっていないのでしょうか。でも楽天を見てみれば、今や金融サービスは同社の柱の事業ですよね。クレジットカード・銀行・証券・保険と、オールラインナップで金融サービスに全力で集中しています。どうしてAmazonは同じようにしないのか?

ただの憶測ですけど、いずれ本格的に金融サービスに進出すると思います。楽天と同じように自前の銀行・証券・保険を持ち、暗号通貨の取引所や独自の暗号通貨の発行まで手掛けるようになるんじゃないでしょうか。というか、やらない理由がありません。唯一考えられるのは、独占禁止法による法的な規制ですかね。あまりに支配的なパワーを持つようになると、事業内容に制限を加えられる可能性はあります。既にそれに近い支配力を持ってしまっているように見えますが…。

これ、日本の決済代行サービスとか、一般的な金融サービスにも多大な影響を及ぼすんじゃないでしょうか。三大メガバンクや楽天がAmazonに飲まれることまではさすがにないでしょうが、規模の小さな事業者は今からどうAmazonに対抗するのか戦略を立てておかないとマズいと思います。

ウチも他人事ではありません。対Amazonという観点で見たウチの強みは何なのか、どう生き残るのか、何で差別化するのか。局所的にはAmazon Payの導入(大変お待たせしておりますが只今準備中です)はウチに功罪両面の影響をもたらします。デメリットは、決済サービスの収益が取れなくなること。どこのショッピングカートサービスもクレジットカードの決済代行業務から得るバックマージンは無視できない収益源になっていると思いますが、これがAmazonに吸い上げられて無くなる可能性があります。メリットは、モールと比べた単独カートの弱点であるクレジットカードの登録や配送先情報の入力といった面倒なステップが省けるので、単独カートの利用価値が高まります。果たしてどちらの効果がより強く出るのか。どちらにしろ、勝ち残れる戦略を構築する事が必要とされていますね。ECに携わる事業者、全てに共通する課題だと思います。