ありがとう、Jobs!

ついにこの日が来てしまいました。

色々書こうと思ったのですが、ネット上に追悼メッセージが溢れていて食傷気味ですよね…。

彼の死がこんなにも世の中に大きく受け止められるのは、その活躍がIT業界に止まらず全ての生活シーンに多大な影響を与えたからに他なりません。

そして彼がただ順風満帆に成功したヒーローであっただけなら、またここまでの惜しまれ方はしないでしょう。

彼の人生は、正に波瀾万丈でした。
<ジョブズ年表>

・16才ウォズニアックと出会う

・21才アップル Ⅰ発売

・22才法人設立 アップルⅡ大ヒット

・25才アップル株式上場

・29才マッキントッシュ発売

・30才アップル追放

・31才ピクサー買収

・42才アップルCEO復帰

・46才iPod発売

・51才iPhone発売

・56才逝去
一番大きいのは彼がAppleを追放されていた12年ほどの期間ですよね。



どん底時代のスティーブ・ジョブズの思い出

「ちょっと近所まできたからさ」



そう言ってスティーブが会社に寄るといつもH&Qの社員はスティーブを暖かく迎えました。



でも(本当はスティーブは行き場所が無いんだな)という事はH&Qの社員は皆、ひしひしと感じていました。


あれだけタフに見えるSteveにしてもやはり自分が創業した会社を、よりによって自分がスカウトしてきた経営者に追い出されるというのは堪える経験だったのです。

それからの数年はやることなすこと上手くいかず、混迷の時期を迎えます。

でもその時に種をまいたNeXTやPixarがその後大きな花を咲かせることになるのですから、ここに我々は大きな感動を受けるのです。

人生に無駄な時期なんてない、失意の時にこそ人の本質が出る、痛みを知っている人こそが他人の痛みを理解出来る。

そして、彼を蝕んだ病魔との戦い。

当初は燃やしたであろう打倒Microsoftの想いや、自分を邪険に扱った人々を見返してやろうという思いをとっくに超越して、最後の10年ほどはコンピューティングの未来だけを真摯に見つめて情熱を傾けたのだと思います。



改めて、2007年1月のMac WorldのKeynoteを見返してみました。

私はラスベガスのCESを見に行っていたのですが、ホテルで見たJobsのプレゼンに完全に魅了されてしまいました。

この数年は彼の魔法に掛かった気持ちよくも夢現のひとときでしたね。

今一度彼の元気なプレゼンを見返してみて下さい。

彼の創り出した新しい世界が、今や我々の生活の一部として根付いていることを実感します。

願わくばいつまでも解けないでいて欲しかったのですが、彼の魔法を受け継いだ後継者達の活躍に期待しましょう。

そして、我々一人一人が世界をより良くする為に前進する事こそが、Steveへのはなむけになる事でしょう。

さようなら、そして、本当にありがとう、Steve!





(Steve Jobs keynote from Mac World 2007)