クルマ雑誌が売れない理由

元気のないクルマ業界で、一番元気がないのがクルマ雑誌です。

何故でしょうか?



私は理由は明快だと思っています。

それは、「顧客の事を考えていないから」



分かり易い例として、女性向けのファッション誌を考えてみて下さい。

ちょっと話が飛躍しますけど、石油資源の枯渇やエネルギー問題、環境やエコといったテーマと密接に関わっているのはクルマに限った話では無いのです。

だって石油から作り出される製品は、プラスティック・化学繊維・化粧品・食品関連などなど非常に多岐に渡っていますから。

ファッション製品だって石油に依存しているという意味ではクルマと同様のところがあるのです。

じゃあ、ファッション誌で「環境のためになるべく長く着回しましょう」とか「この服のCo2排出量は…」なんて言いますか?

ナンセンスですよね。

ファッション誌を買う読者は、その雑誌を読む事で夢を見たいわけです。

今より綺麗な自分、モテる自分、若返る自分、、、

その夢にお金を払うわけです。

作り手も痛いほど分かっているから、必死でおとぎ話を紡ぎ出します。

なるべく現実の世知辛い話題を避けて、生活感を排除します。



クルマ雑誌がやっている事は真逆なのでは?

クルマ雑誌を買う人はどういう人なのでしょうか。

クルマ好きですよね。

環境問題に意識の高い人ではありません。

エコや地球環境に興味があってそういう問題を深耕したい人は、新聞やビジネス誌・専門誌を読みますよ。

誰がわざわざ自分の身銭を切って楽しくもないご託を読まされなきゃならないのか。

そこに疑問を持たないクルマメディア関係者は感性がおかしくなっているとしか思えません。



商売の基本は、顧客の気持ちになって考える事だと思います。

で、顧客目線を忘れないままで、少し、半歩斜め上の提案をしてあげる。

そこに満足感が生まれるのだと思います。

クルママーケット、そんなに悲観するほど枯れてはいないと思いますよ。