新型MacBook Pro発表

次の時代を切り開く「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」速攻レビュー



Jobsのキーノートが見れなくなって寂しいのですが、それでも恒例のWWDCは最新のApple製品が発表される世界注目の場です。今回の目玉は”Retinaディスプレー”と呼ばれる高解像度の液晶を搭載したMacBook Proでした。iPhoneをお使いの方は、この液晶の素晴らしさをご存知のはず。「網膜解像度」というアピールの仕方はさすがにAppleで、インパクトも、技術的な根拠の確かさも備えた良い着眼点でした。つまり、VGA → XVGA → HDなんてスペック向上の流れにいきなりファイナルアンサーを出して、「もうこれ以上のスペックは必要無いんですよ」と宣言しちゃったのですね。これ以下のスペックを古くさく見せてしまい、かつこれ以上は必要無い。究極の勝ちました宣言ですな。



これが如何にWindowsの世界で実現困難な課題であるかは、下記をご覧下さい。(細かくて技術的な解説ですので、興味のない方はスルー)



解像度の呪縛から逃れようとするWindows 8



一世を風靡したMicrosoftですが、強みであったはずの豊富なサードパーティ環境が、逆にレガシーとなって足を引っ張っているのがお分かり頂けると思います。林さんが、
MacBook Pro Retinaディスプレイモデルは、これから数年先、時代をリードするノートPCとなることだろう。他社のマシンがこれに追いついくには、しばらく時間がかかるかもしれない。例えば、Retinaディスプレイの採用1つをとってもそうだ。中には、これを単に「アップルが高解像度の液晶パネルを調達して、はめ込んだだけ」のニュースだと思っている人がいるかもしれない。しかし、それは間違いだ。



 アップルは、4倍の解像度を持つ液晶パネルを採用し、従来よりも負荷がかかる画面描画をきちんとこなしたうえで、体感できるパフォーマンスの向上も得られるように、ほかのハードウェアスペックも大幅に強化した。それだけではなく、OSの側でもRetinaディスプレイの解像度をサポートできるように変更を加え、さらにはSafariをはじめとする付属アプリケーションすべてをRetinaディスプレイの解像度に対応させている。



 たとえ他のハードウェアメーカーと、OS提供者と、サードパーティの開発者が、どんなにうまく協力体制を築いたとしても、ここまで一気にことを進めるのには、それなりの時間がかかるはずだ。やはり、ハードもOSも、そして一部の人気アプリケーションも1社で作っているアップルだからこそ、時間の針を先へと進めやすい部分があるのだろう。
と語っているのは決して大袈裟な表現ではありません。西暦がキリストの誕生以前と以後で区別されるように、ディスプレイもRetina以前と以後で意味が異なる。そんなエポックメイキングな出来事だと思っています。これは電子が紙に近付いた、意味のある前進なのです。是非、多くの方にこの環境を経験して頂きたいですね。(私も現物触った訳じゃありませんけど(笑))



蛇足ですが、最近のIT系のニュースソースはITメディアが圧倒的に支持されていますね。昔はCNETだったのですが、朝日新聞傘下になってからダメダメです。メディアもメーカーも、かくもIT業界は移ろいやすいデリケートな世界。だからこそ面白い。