原発再稼働の是非

大変難しい問題なので触れるのは避けようかとも思いましたが、大事な事なので考えをまとめておくことにします。どうもこの件は、感情論と理屈が相容れない不毛な水掛け論に陥っている気がしますね…。



まず、私は原発の再稼働に賛成です。理由を幾つか。まず第一に、原発は既に目の前にある現実です。この発電力を前提に社会活動が行われている以上、いきなり止めては影響が大きすぎます。確かに怖い感情を抱くことは自然ですが、何十年も概ね問題無く稼働して来たわけですから、一定の管理技術はあると認めて良いと思います。まずは当面の電力需要を満たすことが最優先ではありませんか。関西電力の原発依存度は48%です。(出典) これだけの供給力をいきなりゼロにして、節電努力だけで乗り切れると楽観視できる理由が分かりません。まずは社会の基盤を守るために現実的な対応が必要だと思います。



当面の電力需要をなんとか賄うことが出来たとして、その次に考えるべきは原子力とどう付き合っていくか、です。ちゃんと管理すればそれなりに安全に扱える技術なのか、それとも21世紀の我々には手に負えない厄介な代物なのか。これは正直分かりません…。原子力に関する専門的な技術知識のある専門家にしかその判断は下せないでしょう。ただ、気持ちとしては何とか扱っていきたい、扱えるようにならないものか、と思っています。文明の初期段階で火を使いこなせたからこそ人類は猿とは違う存在になり得たのだし、新しい技術を前にして尻込みしていたのでは進歩がないと思うからです。自然科学の発展は一本調子には行きません。失敗と改善、試行錯誤を繰り返して成果を積み上げていくものだと思います。失敗した時のリスク管理を出来るのか、というのは不安要因ではありますが、津波による電源喪失なんてのはあまりにも悪条件が重なったレアケースです。世界中に稼働している原発が何百基もあるわけですから、通常の条件下であれば安全稼働させるだけの実績は充分あると思うのです。放射線という目に見えないものに対する恐怖心が必要以上にパニックを呼んでいます。確率論では自転車やクルマよりも飛行機の方がずっと安全なように、ロジカルに落ち着いて考えるべきです。感情的に拒否反応していてはダメだと思います。まあ私の意見も科学的な知見に立脚してる訳ではありませんから、ただの希望的観測なんですが…。付け加えるなら、無くなるのが分かっている化石燃料に依存していては未来がありませんし、自然エネルギーによる代替発電が効率面で当面使い物にはなりそうもないので、原子力発電くらいしか選択肢がないのでは、とは思っちゃいます。



繰り返しますが、電力はインフラ中のインフラ、社会の基盤です。これなくして現代社会は成り立たないのですから、まずは電力供給を回復させましょう。政府が現実的な選択を取る事を期待します。