観光産業の重要性

日本は過去、モノ作りを産業の基礎としてきました。

お陰で世界に冠たる生産大国・技術立国を実現出来たわけですが、これからの展望はどうでしょうか。

もはや企業の規模が大きくなり、いとも簡単に国境をまたぐ時代です。

国の思惑を超えて経済合理性で工場立地、販売施策を決定しますから、もうそこは企業の自由意思に委ねてしまえば良いと思うのです。

本社・海外拠点に課する税制設計さえ常識にのっとった水準にしておけば、それ以上国が支えられる方策は限られていると思います。

そしてこの考え方は従来の大企業に限られた話では無く、中小零細規模の企業であっても同等の経営判断を求められる時代なのでしょう。

日本というマーケットに甘えない覚悟が経営者に求められます。



では国内市場はどういうテコ入れを考えれば良いのか。

答えは観光立国だと思っています。



観光立国の契機−観光庁

観光は、旅行業、宿泊業、輸送業、飲食業、土産品業等極めて裾野の広い産業です。また、その経済効果は極めて大きく、平成20年度において、二次的な経済波及効果を含む生産効果は、国内生産額972.0兆円の5.3%の51.4兆円、雇用効果は総雇用 6,445万人の6.7%の430万人と推計しています。
諸外国を旅行すると良く分かりますが、街角に明らかに観光客と見える人が大勢いますよね。

これに比べて日本の街角には観光客が少なすぎると思います。



出入国者数ランキング−観光庁



それは数字でも表れていまして、同じく観光庁のサイトにある出入国数の数字を見ると、日本は出国者が1,600万人いるのに、入国者数は800万人程度とあります。

フランスを見て下さい。

出国者数は2,300万人、入国者数は何と7,400万人に上ります。

国境を接している大陸という立地を考慮しても、日本が1/10しか集客出来ないほど魅力のない国とは思えません。

少なくとも今の数倍程度の数字を目標にしてもおかしくないんじゃないでしょうか。



企業活動がグローバルになり、どこの国の繁華街も同じブランドのショップが並んでいます。

郊外のショッピングセンターの顔触れも今や世界共通化が進んでおり、地域の特性は薄れるばかりです。

そうなると、日本という非常に独特な発展を遂げた文化・国民性・風土の持つ相対的な魅力は高まると思うんですよね。

古い街並みを守り、景観を保護する。

同時に海外に積極的なPRをし、受け入れ体制を整備する。

これが今後の大事な経済発展のポイントになると思います。



あなたの街やお店は、海外向けに英語・中国語等のWebSiteを作っていますか?

あなたのお店は、観光客向けのメニューやパンフレットを作っていますか?

あなたのお店は、中国人観光客向けに銀聯カード使えるようになっていますか?

出来ることは沢山あるはずですよ。