バランス感覚

世論や意見が大きく一つの方向に傾いている時、おかしいのではないかと前提を疑う事が必要だと思います。

多勢に逆らうのは勇気が要ることですが。

私の経験では、物事ゼロ対100はない。

必ずどこかの中間点に解がある。

必要なのは論理的な思考と冷静な判断力。

軽率な態度は避けたいものです。

「日立の100年 IBMの100年」

日経朝刊「一目均衡」に西條編集委員の署名記事が掲載されていました。

日立製作所は昨年が創業100周年だったらしいのですが、今年はIBMが100周年なのだそうで、両社がいかに事業内容を変化させながら生き残ってきたのか紹介していました。

文中では欧州市場における日立の鉄道事業の活況振りに各国が脅威を抱いている、という最近は見掛けることが少なくなった表現があって何だか嬉しくなってしまいました。



最近の日立は業績好調です。

2011年3月期は20年振りに純利益の過去最高記録を更新したというニュースを見て、私も驚きました。

20年前の稼ぎ頭は半導体事業、そして家電事業。

それが今や様変わりして、インフラ系に注力しているのが功を奏しているのだそうな。

正解ですよね。

日立に動きの速い半導体や携帯端末は扱いきれないし、AV事業も似合わないと思います。



良しにつけ悪しきにつけ、日本を体現した日立という企業がこうして好業績を上げているのを見ると安心します。

我々はアメリカにもシリコンバレーにもなれないし、なる必要も無い。

外野の意見に振り回されず、自分達の強みを磨いて行けば良いのだと思います。

絶好調のAppleだって製造は外注だし、パーツの多くは日本製ですからね!

経営スタイル

先週末に前職のT社長と食事会をして、タイトルの話題になりました。

恐らく、社長が100人居れば、100通りの経営スタイルがあるのだと思います。

それは経営者の性格や、人生観や、社会経験が如実に反映されるからです。

T社長は非常にアグレッシブで、かなりアクセルを踏み込んだ経営をされます。

私はそこまでリスクを取れません。

ゴールをイメージして逆算するよりも、今の立ち位置とリソースを考えて、背伸びしない成長を志向する考え方です。

人によっては覇気のない姿勢に見えるかも知れませんが、昨日よりも今日、今日よりも明日が、少しでも中身が良くなっていればそれで良いと思うのです。

毎年10%成長でも8年で倍になるわけですからね。

世の企業の失敗の大部分は、株主からの実態を無視した成長期待にあると思っています。

短期的な投資効率だけを考えて年率20%成長を課せられたら、どんなに調子の良い企業だってペースを見失うと思うんですよね。

地道なんだけど、振り返ったら遠くまで来てたよね。

そんな経営が私のスタイルだと思っています。

賞与

もらう方は嬉しいけど、出す方は頭痛いですよね。(笑)

イマドキは派遣だったり契約社員だったり、昔のようにボーナス出ない人も多いと思いますが、私は若い人は変に溜め込まずに使っちゃって欲しいと思ってます。

買い物だって、旅行だって、飲み食いだって、やっぱり使った分以上の経験値をもたらしてくれるし、無駄使いって無いんじゃないかな?

小さくまとまるより、自分の幅を拡げる事を考えて欲しい。

後で効いてきますよ!

JR九州の幻のCM

幻のJR九州CM、カンヌ国際広告祭金賞を受賞



皆さん、このCM映像ご覧になりました?

震災でお蔵入りしてしまったCMなんですが、ネットで評判になりYouTubeの再生回数はうなぎ登り。

ネットの無い時代なら日の目を見る事はなかったでしょうね。

こういう人を勇気付ける、元気の出るコンテンツ、良いですね!

JR九州と、制作チームに拍手!

どうして中国のバブルは崩壊しないのか?

もうすぐ崩壊するすると言われ続けて、もう数年。

最初はオリンピック終了後、次は万博終了後が危ないと言われていたのですが、一向に中国のバブルは崩壊する気配を見せませんね。

これはどうしてなのでしょうか?



一つには、中国国内から海外への厳しい送金制限が理由だと思います。

中国における貿易・投資上の問題点と要望(日本機械輸出組合)

私の知人は機械部品製造業を経営しており、当然このご時世中国への工場進出を取引先より強く要望されていますが、上記の事情から進出を躊躇っているそうです。

つまり、一旦中国に工場進出したあとに、日本本社で資金繰りの都合等でキャッシュが必要になっても簡単には中国法人から融通が出来ない。

唯一海外送金に柔軟性が認められているのが決算利益確定後の配当支払なのですが、それにしても諸手続が厳しく簡単ではない。

中国合弁会社からの配当の日本向け送金の際の留意点(JETRO)

つまりどうあがいても簡単には中国国外にお金を持ち出せなくしてあるわけです。



恐らく中国の不動産市場の将来に危機感を覚えている人は多いはず。

現地の中国人にしろ、投資している外国人・海外法人も、しかるべきタイミングで物件を処分して換金し、海外逃避したいと思っているはず。

ところがそれが出来ない仕組み。

恐ろしい…。



もう一つの社会的不安抑止策が、強力な公安部隊による治安維持です。

中国:暴動相次ぐ 格差拡大など社会的弱者の不満が爆発(毎日新聞)
今年度の国家予算で、暴動鎮圧などに使われる公安費(6244億元)は国防費(6011億元)を上回っている。暴動やデモの広がりを受け、胡錦濤指導部は格差是正に積極的に取り組む姿勢をアピールすると同時に、「社会管理」と称する引き締め策を強化している。
これ驚きませんか?

何と軍事費より多額の公安費用を注ぎ込んで社会不安を押さえ込もうとしてるんですよ。



日本政府には及びもつかないほど中国政府は想像以上に賢いのでしょう。

すれすれの綱渡りを何年にも渡ってこなし続けているハイスキルのサーカス団員を思わせます。

しかし、この先ずっとロープから落ちない保証は誰にも出来ません。

そして落ちるのはGDP世界二位の大国なのです。

Xデイの到来を想像すると恐ろしくなりますね。

ホリエモン、収監

ぼくが堀江さんを応援する理由(前編)

ぼくが堀江さんを応援する理由(後編)



堀江さんが収監されましたね。この件に関する、非常に大人の、共感出来るエントリーだと思います。事情が分かっている人なら皆が思う、「何故この事件で執行猶予も付かない実刑判断なのか」「どうしてここまで大ごとになってしまったのか」「正しい判断だったのか」「本件が与える影響は」などの疑問に答えるヒントが沢山あります。正直私もライブドアが破竹の勢いでメディアに取り上げられている時、こんなの張りぼてだよな、と苦々しく思っていました。あのスピード感は認めますが、やっていることは他社の流行ったサービスのパクリ。どこにも独創性なんて見出せず、新興株式市場の仕組みを上手く使って派手に金儲けしている嫌なヤツ、という認識でした。多分この部分の言及が的を射た表現だと思います。
たんに目立つ人間に対するやっかみ以上に、堀江さんの存在を問題だと思わせた大きな要因は株の時価総額をあげて会社を買収するという手法だろう。日本を代表する大企業のひとつであるフジテレビを買収しようとしたのだ。タブーにふれたどうのこうのいう説もあるが、そんなこと以前に、冷静に考えて、ライブドアというポータルサイトとフジテレビの価値が釣り合うわけがない。それが、時価総額だか、MSCBだがしらないが、よくわからない理屈で歴史ある大企業が簡単に買収されそうになってしまったのは、どう考えても公平ではない。こういうのが許されるのであれば、株価をあげるテクニックがうまいだけの経営者が日本経済をいずれのっとってしまうことが可能だろうし、別に日本の経営者じゃなくても外資が日本経済をのっとることも同様に可能だということだ。だから、日本という社会が、もしくは国家権力が堀江さんを叩きつぶすという判断をするのはすごくまっとうで自然なことだと、ぼくはいまでも思う。歴史なんてそういうものじゃないか。
元々SONYやホンダのような”ホンモノ”のための限られたステージだった株式市場が、テクニックだけ達者な若造のおもちゃにされている、そんな反感がありました。資本市場への適切な介入が当然とされる今では、正しい判断だったと思いますが、それでもあのままライブドアや村上ファンドが暴れ回っていた方が日本経済の膿が出されて色んな分野が活性化していただろうな、という残念な気持ちもあります。日本は結局秩序を重んじる社会なんですよね。



技術革新という面では、日本のベンチャーの状況は寂しい限りです。ただこれも誤解しない方が良いのは、世界中のどこの国だってアメリカのように活気のあるベンチャー群を生み出す事は出来ていないという事実です。もっと言えば、アメリカの中だって成功しているのは西海岸のシリコンバレー近辺だけで、中西部も東海岸にもそんな生態系はありません。あそこだけが世界の特異点なんですよね。だから、日本を含めた各国のプレイヤーは悲観せず、卑下せず、自分達のマーケットの特性に合ったサービスを開発して、例えそれがアメリカ発の焼き直しであったとしても独自の付加価値を加えて磨いて行くことに注力すれば良いのだと思います。世界は小さくなりましたが、全部がアメリカ化する訳ではありませんから。



本人が「生き急いだ」と口にしたように、少し間を空けて、今度は誰にも後ろ指を指されない真っ当なビジネスを展開して世を驚かせて欲しいです。堀江さんを応援している人は確実に増えています。

多様性ということ

Webの世界は、一般社会と少し(大きく?(笑))常識が異なっています。

一番大きいと思うのは、プラットフォームのシェアの偏り。

検索と言えばGoogle、SNSはFacebook、コミュニケーションプラットフォームはTwitter。

こんなに同一カテゴリーの製品/サービスが一つに集中することは、他のカテゴリーでは希だと思います。

幾らトヨタのシェアが高まってもせいぜい15%止まり。

石油だって、小売業だって、製造業もサービス業も、一社独占というのは殆どないと思います。



でも、世の中は雑多なものが混ざって出来ているんですよね。

一番は人。

二人と同じ人は居ないので、そもそも社会が多様なんです。

だから、大事なのは価値観を押し付けないこと、相手の考えを尊重する事。

こちらとして、提案はするけど、相手の判断を受け入れる。

これが正しいとか、こうするべきとか、思っちゃいけないな、なんてちょっと反省してみました。

制度設計

ふう、ロケ出張から帰りまして、今日から平常モード。

きっちり仕事が溜まっております。

やっぱりPC持ち歩かないと、iPhoneからのチェックだけでは限界ありますね。

凄い数のメールが来るので、ノーマルなメーラーでフォルダー振り分けて整理しないととても片付きません…。



さて、政治の世界では色々ありましたが、社内の業務処理ルーチンも一部不都合なところがありましたので、ルールを変更。

やっぱり状況は刻々と変化しますし、こちらの体制も流動しますからね。

いかに組織を最適な形に修正していくか、スピードが大事なのだと思います。

ズレている時間が長いほど、中の人が腐っちゃいます。

典型例がお役所ですな。

あと、老害がはびこる大企業。

ウチなんかは総勢15人程度ですから、その意味ではラク。

働いている人が気持ち良い状態が、サービスレベルも高くキープ出来ると思います。

家族より長い時間過ごしてるんですからね。