納税意識

多分普通の勤め人さんは自分が納税者だという実感をあまり持っていないと思います。

私もそうでした。

実感しているのは、経営者さんじゃないでしょうか。

半期に一度の源泉納付、半期に一度の決算(中間)納付、毎月の社会保険料、年に一度の労働保険。

がっつり通帳から引かれる金額の大きさ、資金繰りに大きな影響を与えるんですよね。

あと頭が痛いのは半年ごとの賞与ですけど。(笑)

だからこういうまとまった支払のない通常月にコツコツお金を貯めておいて、がっつり持って行かれる繰り返し。

お金なんて貯まりませんよね〜(涙)



こうやって苦労して納付している税金を、前向きに、まともな事に使って欲しい。

民主党とか、労組出身の方は、こういう現場のお金の感覚を持ち合わせてるんでしょうか。

国民全員が、給与からの天引きじゃなくて毎年確定申告して税金納付してれば、もっと政治への関心が高くなると思うけどな…。

アメリカ訪問雑感

忘れないうちにまとめておこうと思います。



今年の夏は4年振りにアメリカで過ごしました。前回は2007年1月にラスベガスのCESを見に行きました。当時はまだカーナビの販売にまつわる仕事の参考にという程度の目的でしたが、初めて海外でレンタカーを借りて走った貴重な体験をしました。着いたのが夜の20時ほど。慣れない英語にドギマギしながらレンタカー会社の窓口でクルマを受け取って、初めての海外仕様ナビが英語でしゃべる案内音声にパニクり、LAのラッシュと圧倒的なフリーウェイの規模に圧倒されて走り続けた、緊張と興奮の5時間でした。



あれから数年掛けて主にヨーロッパの先進各国を廻りました。ドイツ・イタリア・イギリス・フランス。各国をそれぞれ三週間ほど、2,000km超走る旅を四年ほど続けて、かなりヨーロッパの道路事情については肌で理解が出来たと思います。乱暴にまとめると、ドイツは速度無制限のアウトバーンが作ったハイスピード自動車文化。追い越し車線を200kmでお婆さんがぶっ飛んでいく世界です。交通マナーも非常に良く、トラックや遅い車は右の走行車線を秩序良く走っています。イタリアは、速度制限あるのにハイスピード!(笑) ローマの街中は最悪。一方通行と進入規制のてんこ盛りで帰国後に違反キップが三枚送られてきましたw フランスは、国境に入ったことが明確に分かるほどスピード遅め、クルマ小さめ、おまけに道路脇はゴミだらけで大変汚いです。イギリスは中間ですかね。割りとジェントルな運転で、速度は回りの状況次第という大人な対応。



さて、アメリカはと言いますと、基本的にスピード違反の取り締まりが厳しく、制限速度を超えているクルマがばんばん捕まっています。ほぼ全線フリーウェイで無料なのは嬉しいのですが、最高速度は65マイル(104km/hですね)で20マイルオーバーすると即効で留置場行きなのだとか。道路脇の制限速度表示の標識には "Radar Enforced" というメッセージが付記されていますが、アメリカ在住の知人に聞いたところでは日本みたいな取り締まりカメラみたいなハイテクなものではなく、警察官がスピードガンを構えて測定しているだけだそうです。ただ、結構あちこちで警官がいるんですよ。で、一般道も高速も、警官に捕まっているクルマを頻繁に目撃しました。道路脇に故障で止まっているクルマも多いので分かり難いのですが、停車車両には要注意ですね。なので、後ろからヨーロッパみたいに速いクルマが来るという緊張感がないんですよ。なので日本同様に追い越し車線を遅い車がたらたらと走っていて流れが悪い! 高速の走行マナーはヨーロッパの圧勝です。で、私思ったんですが、アメリカも日本も、最高速度規制はもっと引き上げた方が良いと思います。140kmくらいにすれば、たぶん+10〜15kmくらいの速度で流れるでしょうから、追い越し車線を150〜160kmくらいのクルマが走るのが普通になります。こうなると普通のドライバーは速度に恐怖感を覚えるでしょうから、追い越しレーンと走行レーンの使い分け意識が進んで、結果的に全ての流れが良くなると思います。ただ、道路のキャパを超える数のクルマが走っているとこの理屈も通らない。アメリカで一番、という事はとりもなおさず世界で一番のクルマ社会であるロサンゼルスは、フリーウェイが片道8車線なんてザラです。それでも渋滞する。もうどうしようもない…。ちなみに通勤ルートとして良く使われる区間には、左端にCarpool Laneが設置されています。こういう合理的な仕組みの導入がアメリカの良いところですね。あと、市内の運転で要注意なのは赤信号での右折が原則可能という点です。こちらにアメリカでの運転の注意点がまとめてあるのでご参考に。ビバリーヒルズを走っていて、信号のない片道2車線道路で、皆が顔色伺ってキョロキョロしていたのが笑えました。日本ならさっさと信号付けますな。



クルマ関連以外に気付いたことも幾つか挙げておきます。



1.アメリカは徹底したお金中心主義

 資本主義のメッカですからね。何でもお金です。良いサービスには必ず高い値段が付いているし、安いモノで掘り出し物はまずないと思った方が良い。そして望外のサービスを受けた時はチップで感謝の気持ちを表現するので、結果的に払ったお金と受け取った便益が一致します。日本人的なメンタリティではちょっと殺伐としたところがありますが、ある意味分かり易い。ま、あれだけの多人種・他民族国家は基本ルールを明確にしておかないと回らないんでしょうね。



2.ルール作りが上手い

 これは何度も思いました。上記の「Carpool Lane」にしても、右折禁止可能な原則とか、サンフランシスコのケーブルカーが乗客の体が駐車車両に当たりそうでも運行しちゃってるところとか、全体のルールと個人の自己責任のバランスが良い。日本は全部安全方向、事故が起きない配慮に判断を振ってしまっているので、やたらと無用なルールが多くてまどろっこしい。だから日本の成長戦略は基本的に規制緩和でかなりの部分が解決出来ると思います。自己責任原則を世論に理解させるという大きなハードルがありますけどね。勿論アメリカも全てが上手くいっている訳では無く、初等教育やら銃規制、医療制度に大きな問題を抱えているのはご承知の通りです。最近は財政状況も悪化してますよね。お陰でドル安/円高でラッキーでしたけど。(笑)



3.大らかさ

 これはアメリカ人の特質です。ヨーロッパにもない。あ、イタリア人の明るさは近いか? 何せ細かいこと言いません。多分日本社会に馴染めなくてアメリカ生活を選んでいる人はここに惹かれてるんじゃないでしょうか。逆に彼らが日本に住めるかというと、相当性格を選びますね。体感的には1割以下の人しか日本の細かさには馴染めないのでは? だからこそ短期間に異次元体験を味わえる旅の妙味があるとも言えます。



4.食文化

 これは最低。肉しかありません。(←多分に個人の主観なのでスミマセン) ただ、脂身の少ない赤みの肉はどこで食べても美味しく、毎日食べられます。私はアメリカでもヨーロッパでもどこでも住める自信はあります。シーフードとか、イタリアンとかは基本的にレベル低いですね。イタリア・フランスは街に本当に美味しいレストランが沢山ありましたけど、相当探さないとアメリカでは出会えない。そこをかなり助けて貰ったのが「Yelp」です。アメリカ版の食べログなんですけど、これ実はレストランに限ったレビューサイトじゃないんですよ。ほぼ生活の全てのローカル情報にクチコミがリンクされている。今のところ海外はパリ・ロンドンくらいしかないみたいですけど、いずれ東京にも来るでしょうね。誰もやらなかったらウチでやってもいいなw 私の結論は、「日本ほど食文化のレベルの高い国は世界にない」です。ミシュランのあの星の多さはダテではありません。これを活かす事をもっと真剣に考えるべきですね。



これからの日本は、産業構造を積極的に作り替えていくべきフェーズ。今までの製造業偏重を改め、内需産業にシフトすべきです。既に製造業はグローバル展開を進めているのですから、何も問題もありません。自国の通貨が強くなるのは良いことのはず。観光資源をアピールして、もっと海外から観光客を呼び込みましょう。で、サービス業もドンドン外に出て行く。既にユニクロは世界の大都市に展開を進めて沢山のお客さんが入っていますし、CoCo壱番屋もアジア中心に海外出店を進めています。良い事です。ちょっとおちゃらけですけど、「円高、いいね!」ご一読を。



あまりに長くなったのでこの辺りで。こんな贅沢を許して頂いているスタッフの皆と関係各位に感謝!