今、起きている事

新聞の今年度の収益見通しの修正とか、業績報告とかのニュースを見ていてつらつら考えた事を何となく。



今、世の中、特に日本において起こっている事はどんな風にまとめられるでしょうか。

私なりに。





1.情報技術の進歩

 これは1947年にショックレー博士らがトランジスタを発明して依頼、ずっと世の中にインパクトを与え続けています。コンピュータがパワフルに、小さくなる、この進歩の歴史がイコール20〜21世紀の世界の進歩そのものです。これがなければ、携帯電話も先端の家電製品もなく、自動車だってかなり様子が違っていたでしょう。大型の航空機やロケットなんかの宇宙開発だって実現していないはず。片や食品や住まいといった伝統的な分野を見てみれば、ハイテクの支配に染まっていないジャンルがいかに昔ながらのやり方を踏襲しているか良く分かります。世界中が手のひらの中で繋がってしまったために、世界は急速に狭く、時間の流れは速くなっています。



2.企業のサイズが大きくなった

 1.と関係があるでしょうが、企業はどんどんサイズを大きくし、活動の場を世界中に拡げています。もう自国内の市場だけで企業活動を測る事は不可能で、企業の国籍や本社所在地といった概念は意味が無くなっています。





こうやって整理して考えると、世界で調子の良いところと、日本企業の業績との関連も見えてきます。

私には、日本の企業は、「偉大なる裏方」としてのポジションを固める方向に一直線に思えます。

つまり、全体を司る頭脳としてのポジションは、システム全体を構想する力やスケール感でアメリカの先進企業に全く太刀打ちが出来ず、AppleやGoogleとの差は開く一方です。

ただ、そういう企業も誰かの手を借りてプランを現実の製品に落とし込む作業が必要なので、今は台湾のFoxconnなどのEMS企業に製造を委託しています。

日本企業の役割は、新素材や重要な機能パーツの製造といった、大事ではあるけどあまり表に出てこない役割に限定されている気がします。

勿論、SONYやPanasonicは一定の世界シェアを持っていますし、任天堂の様な自社ブランドで世界を席巻する企業も無くは無いです。

ただ、これからは単品ではなく、システム全体での価値を提案していかなければ大きな売上を作りにくい世界。

これは日本企業のセクショナリズムや改善積み上げ思考では突破出来ない大きな壁なんじゃないでしょうか。



トヨタ・ホンダといった自動車メーカーは、これまで繁栄を謳歌してきましたが、大きな転換期に直面していると思います。

これは要するに拡大する自社のサイズを持て余してるんじゃないでしょうか。

どんどん世界に散らばる工場の管理、各国市場への最適化、人のマネージメント。

日本企業は日本人だけで経営するスタイルが主でしたから、外国人を上手く経営層に取り込んで共通の価値観や思想を共有するようなスケーラビリティを獲得出来ていない気がします。

女性の扱い一つとっても、上手くやっている日本企業は少ないですからね。



幾ら企業業績が回復しても、若者の雇用に繋がらない時代。

これは若年層はツライです。

まともな自己投資を、企業も自身も投下する余裕が無いとすると、何十年か後に国際的な競争力が残っているのか非常に不安になります。

自分の子供を取り巻く環境を見ても、教育の質の低下は目を覆うばかり。

資金的な余裕のある家庭ほど私立に逃げているのは、自己防衛努力の現れです。

日本には外国に比べて非常に質の高い資産が沢山ありますが、先代の遺産を食い潰しているだけではジリ貧。

良さを磨いて、強みを積極的に伸ばす努力をしないと、落ちぶれる一方ですよね。

解決のカギの一つは、大企業の中でくすぶっている有能な人材が、外に出て勝負する事だと思っています。

リスクが高いように見えるでしょうが、実際やってみると何とかなるものですよ。

この部分の応援は全力でしたいですね。

若者よ、パソコンを切って、外に出よ。

話はそれからだ。