空冷ポルシェ

最近思うのは、クルマは新しければ良いというものでも無いという事。

今乗っているTVRのタスカンは、2003年式。

エアバッグもABSもトラクションコントロールも付いてない。

車重は1,100kgで360馬力。

これで路面が濡れている状況で乱暴にアクセルを踏めば、即スピン。

ついでにボディは全部FRPなので、側壁にクラッシュすればイコール廃車。

実際にそうなった話を沢山聞いている。



ウチではスポーツカーのパーツ販売をしてるけど、最新のクルマはそれがフェラーリでもポルシェでも、正直つまんない。

壊れないのは嬉しいけど、引き換えに多くをクルマ任せにしちゃって、自分が運転してるというよりは乗せられている感。

ゲームの世界とあまり変わらない体験をしても、そこに感動は無いよね。



古いクルマは、息遣いがする。

シートに座った時のあの臭い。

エンジンを掛けた時の音。

そして振動。

機械が嫌いなオトコのコなんて、いない。

だから皆ワクワクしたんだ。



最近空冷のポルシェが人気らしい。

最新式の997を買ったは良いけど、物足りなくて空冷に戻るオーナーが多いのだとか。

分かる。

これって懐古趣味かも知れないけど、未来に繋がってないかも知れないけど、それでも理屈にお金を払っても満足感は無い。

心を満たしてくれるのは、やっぱり感性なんだ。

若い人でも、きっと分かってくれると思うな。