相対とシステム処理

TPPに関する議論を見ていてなるほどと思ったのは、空洞化という現象の捉え方でした。

特に製造業において工場が海外に流出してしまう事には大変な危機感を感じてしまいます。

ここ10年程は中国に製造拠点を移していないと経営者として仕事してない位の勢いでしたよね。

で、その結果どうなりましたか?

私の身の回りでは、中国に進出して良い結果になった人を見た事がありません。

最初は良かったけどビジネスが上手く回り出したら騙されたとか、ノウハウ抜かれて海賊版でボロボロにされたとか、お金持ち逃げされたとか、ロクな話がありません。

色々経験を積んだ結果、必ずしも海外に機能移転するのが良いわけじゃなくて、コアコンピタンスを担う重要な機能はむしろ国内に回帰して、付加価値の低いアセンブルとか、汎用品の生産に止めた方が得策かもという話になってる気がします。



で、そうなると国内に求める機能要求は非常に高度なものになるんですが、これはこれで労働者側にとってはツラい話な訳です。

今までの中産階級を形成していた層の仕事がドンドン二極化して、使い捨ての派遣労働や海外アウトソーシングでなくなる仕事か、凄くスキルと経験を要求される高度な頭脳労働に別れちゃう。

皆が上位の仕事にシフト出来れば良いんですが、そうもいきませんからね。

で、ミドルゾーンが没落する。

これは日本に限った話じゃなくて、欧米先進国どこでも起こっている現象です。

グローバル時代になったら競争相手が世界になっちゃってみんな大変という、シンドイ世の中です。



これに輪を掛けているのが、システムの進歩です。

目の前にいるのが専門的な知識のない人だと、もうその人に期待する事を諦めて、帰ってネットで調べてそっちで手配しちゃう。

皆さん、そうなってますよね?

昔多くの人手で処理していた仕事もシステムで代替されてしまうので、人の価値は相対の専門的コンサルティングにしかなくなってる。

経験の浅い若者はどこでその必要なスキルを身に付ければ良いのか、悩ましいところだと思います。



ウチの息子は社会に出てちゃんとやってけるんだろうか?

凄く心配になります。