短所と長所

50を超えても迷うことばかりで、老成とはほど遠い心境です。耳の痛い苦言を頂くこともあります。有り難いことです。

誤解を招く表現かもしれませんが、私はあまり短所を改善しようとしすぎない方がいいと考えています。これは忠告を聴き入れないとか反省しないとかいう意味ではありません。客観的に自分を振り返る謙虚さは必要です。しかしそれを分かった上で、あまり短所にフォーカスしない方がいいと思います。そのココロは?

それは、短所は往々にして長所の裏返しだからです。例えば私の場合、無神経で鈍感なところがあると自覚しています。それはそれで改善する努力はしているつもりですが、それでもその欠点は私の長所にリンクしている部分があるのです。恐らく私は、他の人よりメンタル的にタフで逆境を打開する突破力があるんじゃないかと思っています。これは私に限らず、全ての人に言えることなんじゃないでしょうか。短所の表現、視点を変えると、その人の長所に繋がる。だからこそ、短所を矯正しようと意識を集中させるとことが、長所も殺すことになりかねないと懸念します。ではどうするのか?

繰り返し頂いたアドバイスに、欠点を直そうとせずに引き出しを増やす努力をしなさい、というものがあります。あるシチュエーションに上手く対応できない。反射的に怒りが爆発したり、逃げたりする。そのリアクションの基になっている性格や考え方を直すのではなく、違う対応をするバリエーションを増やす努力をしなさい、と。この考え方の方がなんだかホッとしませんか。自分を否定するのではなく、認めた上で、新しいスキルを獲得する。はるかに前向きで建設的な対応だと思います。

幾つになっても学ぶことばかりで、自分が成長しているのか停滞しているのかすらよく分かりません。ひょっとしたら同じレベルでウロウロしているだけなのかもしれませんが、それでも足を止めてはダメなんです。止まらずに前に進む。それが新しい場所に行く唯一の方法なのですから。