リモートワークの是非

皆さんの職場ではリモートワークのスタッフさんはいらっしゃいますか? 働き方改革が注目されている昨今、仕事との関わり方の多様化は大事なテーマです。ウチは基本的にはフルタイムの正社員が主体なのですが、さまざまな事情から兼業・複業・パートタイム・リモートワークのスタッフがいます。この状態をどう見るかは人それぞれで、多様性の実現と歓迎する人もいれば、少々苦々しく思っている人もいます。ネガティブに考える人の言い分は、コミュニケーションの確保に不安があるということと、そもそもオフィスに出勤するのと同等の時間と内容で業務時間をコミットできるのかという点にあります。

これは懸念するポイントとしては確かにもっともで、実際にある子育て中の女性スタッフは、自宅で仕事をするよりオフィスに出勤する方がやりやすいと言っていました。生まれたての赤ちゃんを抱えて仕事をするというのは特殊な事情なので、リモートワークで話が解決するわけでもなく、保育所へ子供を預けることも必要でしょうし急な病気で休むことや家事の分担など会社にも家庭にもそれなりの配慮が必要になります。そういう意味では、一定のネガティブ要素がないとは言えない。それでもリモートワークを導入する理由は、やはり質の高い人材の確保という大命題があるからです。これだけ人の確保が難しくなると経験を積んだ高スキルな人材を容易に手放したくないし、新規の採用場面においてもそういう配慮がある会社かどうかが入社のモチベーションに大きく影響します。ある意味必要に迫られての対応かもしれませんが、時代環境が多様性の実現を後押ししているのですね。

コミュニケーションの確保という面では、最近新しい発見がありました。それは、リモートでのオンラインコミュニケーションが必ずしも対面のリアルコミュニケーションに劣るとは限らない、ということです。私は頭の中に対面のコミュニケーションがベストで、オンラインコミュニケーションはセカンドベスト、質的には落ちるという考えがあったのですが、そうでもないと指摘されました。新鮮な驚きでしたね。これにはその人と周囲のスキルと理解も必要です。誰でも同じようにいくわけではありませんが、信頼関係のベースとオンラインコミュニケーションのツボを心得た人同士であれば、場合によっては同じオフィスで空間を共有している以上の意思疎通が実現できもする。なるほど。

気を付けなければいけないのは、意識してコミュニケーションを取る姿勢そのものを持つこと。なんとなくその場にいれば受動的にでもシェアできる暗黙知は、オンラインでは伝わりません。発信する意識のない人からは何も生まれませんから、まずは必要な相手先に必要な情報を伝える問題意識があることが大前提です。実はここのスキルを持ち合わせない人が結構多い。遠慮だったり、慎み深さという個人のパーソナリティの現れかもしれませんが、チームに対して必要な情報をシェアするというはっきりとした意図をちゃんと持ってくれないと、オンラインコミュニケーションの世界では埋没して存在が消えてしまいます。だからきちんと発信できる人でないとリモートワークは機能しないですね。

加えて、文字で誤解のないように必要充分なコミュニケーションを取るスキル、これが要求されます。これがなかなか難しい。どうしても情報不足だったり、表現がまずかったりして、こちらの意図が正しく伝わらないことが多い。これはみなさんも経験されていることでしょう。私もこうやってBLOGやSNSに日々色んなことをポストしてますけど、分かりやすい良い文章を書くことの難しさを感じています。今回の内容も冗長ですかね?w

しかし多かれ少なかれ、これからは全ての企業においてリモートワークは増えていくし、上手に対応出来ない会社やチームは質の確保が難しくなるでしょう。契約社員・パートタイムスタッフ・業務委託先・社外コンサル、などなど多様な関わり先と多様な働き方を模索する。経験を積んでおいた方がいい大事なテーマだと思います。