iOS6の満足度が低下

iOS 6はiOSの歴史上始めて顧客満足度が前よりも落ちる–やはり地図か



まあそりゃ満足度も下がるでしょうね、あの地図では。特に海外に出掛けると、土地勘のない場所での地図の精度は影響度が大きいのです。AppleとGoogleのビジネス上の事情は理解出来るけど、ユーザーとしてはそんなの関係無いもんね。Appleにとって致命的なのは”魔法を解いてしまう”こと。せっかくの製品への強烈なロイヤリティを捨てているんですよね。多くのユーザーが冷静になってしまった今、次の機種変更時には多くの候補とiPhoneを比べることでしょう。何も考えずに新しいiPhoneに飛び付いていた人々を取り返せるかは、今後のAppleの努力次第。あんまりお高くとまってると、あの恐ろしい暗黒期がまたやってくるかもよ。

香港、AsiaPay社訪問

月曜の夜から香港に出張して、AsiaPay社を訪問してきました。我々のようなショッピングカートサービスには決済機能が必須なのですが、アジア圏各国に対応した良いサービスが意外とないのです。有名どころのサービスは大抵アメリカの会社で、アメリカのマーチャントしか相手にしていません。海外企業に門戸を開いている会社も、イギリスあたりに法人登記を要求される事が多いんです。イマドキはそういう特定用途のためのペーパーカンパニーを安く設立してくれるサービスなんかもありますけど、面倒ですよね。その点AsiaPay社は香港・シンガポール・中国・台湾・タイ・ベトナム・マレーシア・フィリピン・インドに拠点展開しており、各国のマーチャントと契約することができます。こういう会社はなかなか無いのです。唯一対抗馬として有力なのはPayPalなんですが、これは独特のUIがリテラシーに低い消費者にとってハードルが高いという問題があり、PayPalしか選択肢がないというのはマズいと思っていたんですよね。AsiaPay社はそこを補完してくれる大変優秀なパートナーです。



日本市場が成熟していて伸び代に乏しいのは皆が認めるところ。成長を求めるなら、何らかの形で海外に出て行くことが必要です。実店舗を構えるのは大変ですが、そこはネットショップならではのフットワークの軽さを発揮すべき場面ですからチャンスなんじゃないでしょうか。我々は今後アジアマーケットにフォーカスして行きたいと思っています。



<追記>

そうそう、香港の事情についてお書きするのを忘れていました。メディアであれこれ取り沙汰されるとご心配になる向きもおありでしょうが、少なくとも香港の治安は全く問題ありませんでした。現地の人に今回の日中トラブルの話をすると「香港を中国と一緒にするな。あれは人気の無い政治家のパフォーマンスだ。市民はそもそも政治に関心など無く、頭にあるのは経済の事だけだ」と笑っていました。嫌な思いは一度もしませんでしたし、往復のキャセイパシフィック航空は満席でした。

地図を作る難しさ

iOS6の地図が酷いと話題になっています。確かに酷い…。しかしこれは如何に優れた地図を作るのが難しいかということを現しています。ウチはずっとカーナビ専門店を営んでいるのですが、初期の頃はやはり各メーカー毎に地図の差が大きかったです。そもそも地図の基礎データを持っている企業は限られており、日本だとゼンリン・昭文社の二社だけです。(恐らく…) で、カーナビメーカーはその基礎データにそれぞれ独自データを載せて拡張しており、それが各社の差別化ポイントになっています。抜け道ルートとか、観光地情報とか、各種施設情報がそれですね。インクリメントP社はパイオニアの100%子会社なのですが、カロッツェリアブランドのカーナビは業界トップリーダーでありながら、その地図の精度が悪くて悪評でした。近年はゼンリンベースに切り替えて払拭してますけどね。今のカーナビメーカーがどんな地図を使っているかと言うと、ゼンリンを拡張したトヨタマップマスター仕様なんですね。やはりお金を持っている企業(トヨタ)はちゃんと大事なところに投資してるんですよ。



なので、iOS6の地図がインクリメントP社の提供と聞いた時に嫌な気はしたんです。実物を見てやはり、とガッカリしました。Google Mapだってベースはゼンリンでしょうから、対抗したいならどうしてゼンリンを採用しなかったのかな。iOS6の地図はTomTomとの共同開発らしいので、その辺りの事情でしょうか。どうやらGoogleは早期にiOS向けのGoogle Mapを提供するつもりらしいので、それを待ちましょう。今回分かったのは、地図が如何に大事で、難しいものかという事。全国を歩いてデータ集めてるゼンリンさんに感謝ですな。

iPhone 5 登場

何だかんだで毎年これだけ騒がれるのは大したものですね。Jobsがいなくなって魔法が解けた感があるAppleですが、製品開発チームは相変わらず良い仕事をしています。軽く、薄くなって、速くなる。携帯端末にとっては至極真っ当な進化と言えるでしょう。そもそもスマートフォンに搭載出来る要素はおおよそ出尽くしていますから、今さらビックリするような新機軸があるはずもなく、こうやって毎年モデルチェンジ毎に進化していけばそれで良いと思います。



僕なんかは天の邪鬼なので、次を夢想しちゃいます。PCからスマートフォン、タブレットとフィールドを拡げたAppleにはやはりリビングに進出して欲しい。やはりホンモノの「Appleテレビ」が見てみたいですね。これが登場すれば、Appleのデジタルコンテンツエコシステムが完結すると思います。Jobsが描いていたであろう夢が現実になるところに立ち会いたいな。Apple、もうひと頑張りだ!

国内EC業界の転換期

数・量の拡大から質・利益の追求へ。これは成熟した業界に見られる戦略転換の潮目ですが、国内EC業界にもこの転換期が訪れているようです。インターネットが普及して17年、楽天市場が出来て14年、Amazon.comは1995年のスタートらしいので、そろそろ成熟期に入ってもおかしくないですね。実店舗をお持ちのショップオーナーさんのウチ、ITリテラシーの高いアーリーアダプター層がまずECに手を付け、その後実店舗を持たない純然たるEC業態が広まりました。現状はめぼしい企業・商店さんはほぼ進出が終わったのでしょう。二店舗・三店舗目、または異なるカテゴリーへの多店舗展開、又はモールとの業態併用などが目立ちます。大手企業のEC進出も珍しくありませんから、これからは数で勝負するお店は苦戦することが予想されます。販売数量に拘らず、独自の強みを持つ商品を強化して、しっかり利益を出していく。お店側も、サービス提供側も、モードを切り替えねばなりません。



そういえば、自動車メーカーはいまだに販売台数に拘って数字を追い掛けていますね。ああ見えて、まだ成熟期に至っていない若い業界なのかも知れません。世界商品としてグローバルマーケットを追い掛ける特性が出ていますね。

PayPal Hereスタート

PayPal Here」がスタートしましたね。店頭型のクレジットカード決済サービスについては何度か書きましたので、過去エントリーをご参照下さい。



PayPal Japan設立の意味



カード端末代が必要だったり、料率が5%と高いのは、本国でのサービス内容(カード端末無料・決済料率2.7%)と比べても見劣りしますが、日本の決済市場に新しい刺激を持ち込んでくれたことには拍手です。日本は決済代行会社の数ばかり多くて、サービスが横並びでつまんないんですよね。このモデルのサービスを開発したアメリカSquare社の後追いではありますが、日本で広く普及すると良いなと思います。しかし取扱窓口に関西エリアがすっぽり抜け落ちているのは何故?