カーシェアリングはクルマ業界にとって必ずプラスになる!

カーシェアリングと自動車販売の意外な関係――MINI + タイムズプラスは、なぜ実現したのか



以前カーシェアリングについてまとめてみたのですが、神尾寿さんのこの記事素晴らしいです。

恐らく国内で最大手のカーシェアリングサービス大手はタイムズプラスだと思いますが、どうやらここの担当者さん自身が相当なクルマ好きらしいのです。

ありきたりな国産コンパクトカーだけじゃなくて、BMW/MiniやCR-Zなんかがラインナップされているのはその現れ。

しかもタイムズプラスのカーシェアリング事業に一番先に協力してくれたのがBMW/Miniだというのも面白いところです。

多分、今はまだ国産メーカーにもディーラーにも、「カーシェアリングなんて広まってもらっては困る」「自分達のクルマ販売ビジネスにマイナス」という意識が強いと思うのです。

でも事実は全く逆。

冒頭の記事にある通り、
「これはカーシェリングとのコラボレーションをして改めて分かったことなのですけれども、今は『ディーラーの敷居が高くなっている』のです。我々は多くのお客様に訪れていただき、BMWやMINIに気軽に乗っていただきたいのですが、この『ディーラーを訪れる』ことに気後れを感じている方が少なくない。ディーラーでセールススタッフと話しをして、試乗をしてアンケートに答える、といったことが、おっくうに感じられてしまうのですね。
という現実に気付かねばなりません。

私なんかは平気な顔してディーラーで試乗もするし、見積取って買う気になっちゃったりしますけど、普通は買う予定もないのに営業マン氏の手を煩わせて商談っぽい行為をする事自体気が引けちゃいますよね。

その意味では、誰にも会わずに、好きに気に入ったクルマに乗れちゃうカーシェアリングの仕組みは、ある意味現代的な最高の営業現場なんですよ。



今の時代の問題は、もうどのクルマが売れるかなんてレベルじゃなくて、そもそもクルマという存在に興味を持って貰えるか、そのうち誰も免許取らなくなっちゃったらどうしよう、というレベルなんですよ。

小さい縄張り意識で見栄張ってるより、消費者が商品と接してくれる機会をどうやって増やすか、というのは大事な視点だと思います。

ライバルは携帯電話ですからね。



月間維持費1万円を実現せよ――「若者のクルマ離れ」を考える



同じく神尾さんの別の記事ですが、



 ・初期費用:100万円

 ・維持費用:月額1万円



というのは、確かに現実の若者に負担できる良い目安だと思います。

普通にクルマ買っても今は無理。

ならば、カーシェアリング等でクルマと接する機会をキープしてもらって、潜在的な購入層をちゃんと育てておく。

で、将来的にコスト構造を下げる工夫を社会全体でする。

この二段階作戦が必要です。

クルマに携わる全ての大人が、神尾さんのコメントを真摯に受け止めるべきですね。
むろん、モータリゼーション華やかりし往年に比べれば、若者のクルマへの憧れは減退しているかもしれない。しかし、これほど商品や価値観が多様化した現代において、いまだ半数前後の若者がクルマへの興味を失わず、4割強が「できれば欲しい」とさえ言ってくれているのだ。それに対して、自動車業界を中心とする経済界やマスコミが安易に「若者のクルマ離れ」と言いはやすのは、若年層向けのマーケティングがうまくいかないことに対する“単なる言いわけと甘え”ではないのか。少なくとも、クルマに興味・関心を持ってくれている若者たちに対して失礼なことだと思う。