高速道路の最高速度規制について

新東名制限速度は100キロ 県警「引き上げ困難」



どうやら新東名も制限速度は従来通り100キロに落ち着きそうです。

ま、120キロにはならないと思ってましたが…。

知人が高速道路の最高速度規制に関する政府見解資料を紹介してくれました。



自動車の走行速度と道路の設計速度・最高速度規制との関係



この資料の中で、最高速度を現状から引き上げない根拠とされているのは次の箇所です。

しかしながら、高速自動車国道の最高速度の上限に関し、構造適合速度※14では、100km/h を上回る 120km/h が算出可能となるが、次のことから、最高速度 100km/h を引き上げるには、更なる検証が必要であり、直ちに引き上げられる状況にはないとしている※15。

・ 規制速度が100km/hを上回ると、事故率が増加するとの報告がある。

・ 事故発生時の危険認知速度が上昇するにつれて、事故の重大性が増加している。

・ 速度差が40km/hを超えると事故発生確率が上昇するとの報告がある。

※ 大型貨物車の最高速度は80km/hに規制(スピードリミッター H15 年9月から義務化)されており、120km/h に対し 40m/h の速度差となる。

・ 平成18年度に実施した高速道路の規制速度に対する利用者の意識調 査結果では、約7割の利用者が、現在の最高速度 100km/h について「今 のままでよい」と考えている。


この根拠になっている「平成 20 年度 規制速度決定の在り方に関する調査研究報告書」という資料がいくら探してもリンク切れで出てこないので詳細は分かりませんが、どちらにしろ実際に120キロ規制を実地検証した訳ではないでしょう。

せっかくの高規格道路なんだから、試してみれば良いと思うんですよね。

そこが前例踏襲主義から脱却出来ない官僚機構の限界。

日本の閉塞感を打破するにはあちこちに散らばる規制を緩和して新しい市場を創出するしかないと思うので、この官僚の壁を突破出来ないと展望が開けない。

やっぱり道州制を実施して、小さく試せる仕組み、が必要なんじゃないでしょうか。

それも当分無理かな…。

Panasonicに必要なビジョンは?

Panasonicが社長交代を発表しましたね。当初予定は、中村会長・大坪社長コンビの続投だったようですが、この業績悪化で圧力が強くなり津賀新社長へのバトンタッチに至った模様です。事情通からは津賀氏の手腕を押す声が強かったので、いたずらに時間を無駄にすることなく良かったのではないでしょうか。



さて、これからのPanasonicに必要な成長ビジョンとはなんでしょうか?頭の体操のつもりで考えてみました。



まず、現状把握。

一時は日本、いえ世界の家電をリードしていた松下電器ですが、当時の中村社長がコメントした通り「SONYがチャンピオン、我々は挑戦者」と言わざるを得ないほど業界での地位は低下してしまいました。その後SONYが自分達のエラーで没落してしまった感はありますが、それでもSONYの映画・音楽といったソフトコンテンツとブランドイメージには底力があり、Panasonicが後追いすることは実質無理だと思います。無難な商品開発に終始してきたツケが一気に回ってきた感がありますが、まあこれは社風とあきらめるしかないと思います。

では、Panasonicの強みとは何か。それは白物家電の存在でしょう。勿論コモディティ化してしまっては価格競争しかありませんので、付加価値を付けていくしかありませんが、この領域はSONYもAppleも簡単には手を出せないので今後も強みが活かせると思います。デジタルAVの領域はSONY・Appleに勝てないと思うので、正面突破はあきらめた方が良いと思います。更にPanasonic電工の存在。地道ですけど、強い会社です。では、この強みを活かしてどう成長ビジョンを描くか。



PCとスマートデバイスの融合の中で繰り広げられる、新たな“OS戦争”



上記のエントリーにPanasonicの向かうべき未来のヒントがあると思います。やはり自社のデバイスにOSを搭載してプラットフォーム化していく事でしょうね。ここで大事なのは、そのプラットフォームで何を実現するか、です。昔から家電がネットに繋がる、というコンセプトはさんざん提唱されており、「ネット冷蔵庫」なんてのも提案されましたがそれでどれだけ消費者にメリットがあるのか、もう一つ説得力に欠けていました。ここで重要な技術は、音声認識にあるのでは、と思っています。



Siriのデモ



これはiPhone 4SのテレビAdですが、一番強くアピールしているのは音声認識ソフトである「Siri」です。残念ながらまだ日本語化はされていませんので我々はその恩恵にあずかることは出来ませんが、日本語を含める他言語で認識精度を高く維持出来れば世界中で爆発的なヒットになるでしょう。そして、これこそが生前にJobsが「ようやく見つけた」語っていたテレビの操作UIなのかも知れません。そして、この音声認識技術こそが、白物家電に搭載されるべき明日の技術なのではないでしょうか。



「スマートホーム」とでも呼べる、各家電がネットワークでクラウドに接続された状況。それらを共通の音声認識UIで操作する統合環境。「玄関の明かりを点けて」「まだお肉は残っていたかしら」「子供部屋のエアコンを入れて」本当にSF映画で出てきた未来図だと思いませんか? これを実現出来る一番有力なプレイヤーがPanasonicではないかと思うのです。共通で動作するOSの開発、クラウド環境の用意、「スマートコンセント」と呼べる次世代電源配線(システム接続ラインを兼ねる)。何だか考えているだけでワクワクしてきます。



もう安売り競争はやめましょう。そんなカテゴリーは、中・韓・台湾に任せておけば良い。プラットフォーム化にこそ、勝機がある事はAppleが実証済みです。是非、盛り返して欲しい。頑張れ、Panasonic!

エルピーダの会社更生法申請

まあ残念ではありますけど、ぶっちゃけ弱い事業を集めたところで強くなるわけないのは見えてましたよね。

経営者と関係者一同の努力には一定の敬意を払いますが、ダメな事が見えてきた事業を延命させる事にどれだけの意味があるのか。

すっぱり見切って、次のステップに踏み出した方が、社員も取引先もシアワセになると思う。

特に国の補助金に頼っちゃイカンよね。

日本のこういうずるずると問題を先延ばしにする体質はあきません。

「見切り千両」って大事な事だと思います。

誰かが責任を取る覚悟が居るけどね…。

そこがサラリーマン経営者には無理なのか?

日本はスマホ後進国?

comScoreレポート:モバイル環境でかつて先行した日本、スマートフォンの普及率は最低レベル



ちょっとショックなレポートでした…。

まあ、日本の従来の携帯電話が海外で言うところのスマホと同等に近い能力を持ってましたからね。

そこで普通にブラウザアクセスやメールが出来てて特に困っていない人が多いので、無理にスマホに移行する必要性を感じてないんですよね。

通話品質に不安を抱えている人も多いですし、使いこなせるかも分かりませんしね。

docomoの製品ラインナップを見る限り、従来のフィーチャーホン系列である「docomo STYLE series」はまだまだなくならないようです。

フィーチャーホンがなくなるのは、メーカーが開発投資負担に耐えられなくなった時、という事になりますか。

既に携帯電話メーカーの統合はかなり進んでますので、その日は案外近いのかも。

SONYはダサい?

米国の高校生の生態を観察すれば何故SONYがニシキヘビがとぐろを巻いたような醜悪なデザインのヘッドフォンに駆逐されてしまったのかがわかる



ちょっと色んな意味で衝撃だったので、ご紹介を。

僕:「なんだあのニシキヘビがとぐろを巻いたような醜いヘッドフォンは!」

息子:「ああ、あれはスカルキャンディーさ。今、流行ってるんだ。」

僕:「SONYじゃダメなのか。」

息子:「SONYのダサさが分かんないの?」

僕:「オレは日本人だ。SONYは日本の誇りだっ!」

息子: (頭を抱え込みながら)「Whatever….」


僕:「ちがう違うチガーウ!どうしてこの店はSONYを置かないんだっ!」

店員:(いかにも見下したような態度で)「お客さん、もう流行らないんですよ、SONYは。」

僕:「そんな筈はないだろう。SONYのブランドは不滅だっ!」

店員:「スカルキャンディーのブランドはオーセンチックだと思いますよ。」

僕;「オーセンチック?!“#$%」

店員:「つまり熱心なファンのコミュニティから自然に湧きあがったブランドだということ。大企業がねつ造したイメージとは違うということです。」

僕:(言葉を失う)


うーん…。

全てのSONY製品がこうだとは思いません。

ティーンエイジャー向け製品独特の状況だとは思いますが、それでも「SONYがダサい」とはっきり言われてしまうと日本人としてはショックですね。

まあ考えてみればSONYも創業から66年目、決して若い企業ではありませんので、新興分野で先進イメージがないのはしょうがないのでしょうが…。



もう一つ驚くのは、このSkullcandyというヘッドフォンメーカーの売上規模と利益水準です。

2012年度の通期売上見通しが約30億ドル、gross profit marginつまり粗利が50%弱という圧倒的な高収益性。

私も筆者同様「低付加価値でコモディティ的なビジネス」だと思ってしまいましたが、ビジネスはどこに花の山が隠れているか分かりませんね。

素晴らしい事例だと思います。

iTunes Match

アップル iTunes Match は国内でも今年後半に開始へ



おー、ついに日本にiTunes Matchがやってきます!

これは著作権処理について日米で習慣や法体制が異なるので、日本市場導入は難しいと思われていたサービスです。

どうやらJASRACとも条件面で同意が見られそうなので、本当に実現しそうです。

何が嬉しいかと言うと、手元の音楽コンテンツがDRMフリーで使えること。

ユーザーはちゃんとお金を払ったコンテンツをDRMで面倒な管理される事にウンザリしていますから、利用の自由度が上がることは非常に喜ばしい事だと思います。



これで音楽系のコンテンツ流通については理想形が見えてきましたから、後は映像と書籍を何とかしなきゃ。

放送局のコピーワンスとかダビングテンとか、書籍のDRMとか、酷すぎです…。

頑張れ、国産メーカー!

Twitter上であまりに評判が良いので、シャープから新発売の「104SH」を見てみました。



シャープ製Android4.0搭載「104SH」の操作動画がスゴイ

写真と動画で解説する「AQUOS PHONE 104SH」



うーん、これは期待出来そうですね!

今までハイスペックのAndroidスマホと言えば、サムスンのGALAXYシリーズやHTCやらの海外勢が優勢だっただけに、久し振りに日本メーカーの製品で高評価のモデルが出てきたのは嬉しい事です。

最近どこの携帯メーカーも事業統合とか後ろ向きのニュースばかりで元気なかったんですよね。

本気で良い製品作れば出来るところを見せて欲しい。

で、せっかくの製品を世界で売ろう! 頑張れ、国産メーカー!

EC分野におけるパーソナライズ

Eコマースを巡る次の革命的発展は利用者次第?!



昨今のスマートフォンの発展振りを見るとIT業界は凄い勢いで技術革新が行われている印象ですが、実は置いてきぼりになっている重要な分野というのが沢山あります。

私的には、検索がその筆頭なのですが、この記事で扱われているEC分野のパーソナライズも注目すべきジャンルの一つです。

そう、Amazonで買い物した時に出る”この商品を買った人はこんな商品も買っています”というヤツですね。

Amazonのこの機能は本当に優秀で、初めて見た時はなんてスマートなUIなんだろうと感心しましたし、実際に買い物の役に立っています。

でも、この機能を実装しているのは大手モールを除くとほんの一部に止まっています。

理由は、上記の文中にもある通りデータの集積度とその解析システムの複雑さです。

単一のショップではリコメンドするに充分なデータ量がありませんし、あっても参考に値するだけの精度で解析して商品を選び出すシステムを構築するのに大変なコストが必要です。

中小のECサイトでは現実問題として実現は難しいですね。



これがFacebookやTwitterといったSNSプラットフォームを介在させるとどうなるか。

これが非常に興味深いところです。

膨大なトラフィックを解析するデータ基盤が手に入りますので、使い方によっては非常に面白い見せ方が出来るでしょうね。

問題はプライバシーへの配慮で、これが難題。

消費者の心理的な抵抗感は強いですから無条件にパーソナルな行動データを渡す気にはなれないでしょうが、匿名性を担保出来れば後追いで拡がっていくんでしょうね。

特にモバイルデバイスはパーソナルデータの宝庫。

個人の識別も、アドレス帳などの交流情報も、GPS等のロケーション情報も、個人へのフィードバック手段も何でもアリですから、いずれこれらの情報が集積されて解析され、広告や販売に使われていくでしょう。

気持ち悪さもありますけど、高度に洗練された見せ方をされれば、自然に受け入れられるのだと思います。

だって、あなたはAmazonに個人情報を盗まれているなんて考えてませんよね?

ロシアあれこれ

いや、全然仕事でもプライベートでもロシアなんて接点ないんですよ。

だからこそ、色々カルチャーが違っていて、面白くもあり、目眩がするようでもあり。(笑)



ロシアのソフト開発がいろんな意味で凄い

我が国の資源調達の現状、というか現場(メモ)



元切込隊長、最近ロシア方面とビジネスしてるらしくて、現場から生々しいレポートを発信してくれています。

正直全然ピンと来ないんですが、いやあ世界は広いなあと実感させる異文化ぶりです。

欧米ばかりを念頭に置いちゃうんですが、これからはBRICs始め、アジア圏やら、西洋文化とは異なる価値観で動いている社会の影響力が大きくなる訳なので、こちらも発想を柔軟にしておかないといけませんね。

いえ、ビジネスで対等に付き合える自信は全くありませんけど…。



ロシアでは「ごめんなさい」はかえって怒られる



↑こちらのBLOGはもっとベタなロシアの日常をタチアナさんが書いてくれています。

この方、ロシア人なんだけど、日本生まれ(?)で、今ご主人の赴任についてロシア在住らしいです。

市民感覚が伝わってきて、なんだかほっこりします。

オープンか、クローズか?

アップルとFacebookの繁栄、そして「オープン」が廃れた理由



考えさせられる記事ですね。

確かに、今のIT業界を見ていると、Windows/AndroidよりAppleのMac/iOS、GoogleよりFacebookが支持を得ているように見えます。

事実、自分もAppleとFacebookにどっぷり浸かっています。

何故なのか、と考えてみると、垂直統合でユーザー体験が洗練されている事と、やはりノイズが少なくて情報が整理されているから、というのが大きな理由だと思います。

ここに異論はあまりないでしょう。



では、ECの世界ではどうなのでしょうか?

傾向としては似たところがあるのでしょうね。

Amazonの伸長、楽天の伸び。

こちらも指示されている理由は上記のApple/Facebookと同様かも知れません。

では、このトレンドがずっと支持されるのか?

正直分かりません。

ただ、これは例えるなら、プールと海とどちらが良いのか、に近い問い掛けなのだと思います。

プールの方が安全で綺麗でサービスが行き届いていて、場合によっては飲み物まで持ってきてくれちゃう。

子供を遊ばせていても安心だし、大人も快適である事は間違いない。

でも、ダイビングは出来ないし、天然のサンゴもイルカも鯨もいない。

誰もいない真っ白な砂浜を求める人、サーフィンしたい人、パワーボートに乗りたい人の要望を叶えることは出来ない。

なので、やはり両方が必要なのでしょうね。



我々は海の領域に生息するポジションですが、ノイズを少なくする事、便利さの追求、そして自由度を担保されている事、が求められるポイントでしょうか。

何が大事なのか見失わないように注意しながら進んで行きたいと思います。

世界が一つの色に染まるのは息が詰まりますからね。

TVの将来

会社のスタッフとこんな会話がありました。



スタッフA「私ね、自宅の地デジを録画したDVDを、クルマで見ようと思ったんですよ。そうしたら、再生出来ないんです〜。聞いたらVRモードがどうたららしくて、凄く面倒らしいんですよ〜」

スタッフB「あー、それ聞いたことある。普通のDVDと録画方式が違うから、再生出来ないんだよね」

私「えっ、そうなの? そもそもCPRM対応メディアじゃないと録画出来ないって時点で、地ジデのディスクへの録画はあきらめてたんだよね〜」

スタッフA「新しいプレイヤー買わないとダメらしいので、私もあきらめです…」



意味分かります?

そもそも問題の発端は、地ジデ放送のコンテンツにコピーワンス(1回しか録画できない)という著作権保護機能が付いていることです。

昔のアナログ放送は自宅で視聴しているコンテンツは録画し放題でしたが、放送局がデジタル放送ではそう出来ない様にガードしちゃったんですね。

録画する為には何が必要か?

まずは、CPRMに対応したメディアが必要です。

普通のDVD-Rでは対応していないことが多いので、ここでまず引っ掛かりますね。

で、録画方式がVRモードという従来のビデオモードとは異なる方式になっています。

こいつも曲者で、VRモードに対応した再生プレイヤーと再生ソフトが必要になります。

普通のクルマに付いているDVDプレイヤーでは再生出来ない事が殆どですね。



こうやって、自分達の権利を守る事だけ考えてユーザーの使い勝手を何も考えていない放送業界ですが、アメリカではどうなっているでしょう?



見たい番組だけを見たい時間に–テレビチューナーと録画機能をクラウド上に置くサービスAereo



アメリカでも同様にテレビ業界とネット業界の綱引きは続いています。

今のところ、マス放送コンテンツを完全なオンデマンド方式で視聴する術は実現されていませんが、何とか法律とテレビ業界の規制のすき間を縫おうと↑こんなサービスが来月からスタートするらしいです。

面白いのは、このAereoという新サービスの音頭を取っているBarry Dillerが、実はテレビ業界出身であること。

さすがアメリカ、守旧派出身の大物イノベーターって人がちゃんといるんですね〜

ここが日本との違いで、テレビ業界を変革するだけのパワーを若者が持ち得ず、いつまでも年寄りの牙城を崩せません。

ま、アメリカだって苦労してるんですから、日本でなかなか進まないのは当たり前かも。

このAereo、小手先の屁理屈みたいな仕組みなんですけど、テレビ業界がどう反撃してくるか見ものですね。

頑張れ〜!

Gumroad

Pinterestの19歳のデザイナーが起業して110万ドルを調達―Gumroadはリンクから支払いができる画期的サービス



話題のPinterestから、早くも19歳の若者がフェードアウトして新サービスを立ち上げたというので、見てみました。



個人コンテンツ販売の新時代を開くか 「Gumroad」で同人誌を売ってみる



↑サービスの概要は上記が分かり易いですね。

非常にシンプルな、デジタルコンテンツのダウンロード販売システムです。



なるほど、
ストア・モデルはもう時代遅れだ。誰もが自分のフォロワー、ページのファンにTwitterやFacebookで直接呼びかけることができる。しかし今まではファンに対してコンテンツを直接販売するチャンネルが整備されていなかった
ですか。

あえてコンテンツを検索出来るようなポータル機能を持たせなかったんですね!

確かに、現状でデジタルコンテンツのダウンロード販売システムを普通に作ろうとすると、アダルトまみれになります。

もしくは怪しい情報商材とか、著作権侵害コンテンツの嵐。

行き着く先はMegauploadの閉鎖みたいな結末ですので、この手のサービスに乗り出すなら事前の制度設計が重要です。

その意味では、最初からストア機能を放棄して、個人のソーシャルネットワークに委ねてしまったというのは、一つの賢明な切り口なのかもしれません。

課題はありますが、要注目ですね。

ホイットニー・ヒューストン

年に一度の音楽業界のお祭り、グラミー賞はアデルの6部門制覇という華々しい結果になりましたが、お祭り騒ぎというよりはホイットニー・ヒューストンの追悼の場となりました。

「ボディーガード」のイメージが強いのですが、晩年は決して順調とは言えず、薬物トラブルや破産の危機をなんとか周囲の好意で凌いでいた状態だったらしいです。

こちらとかにある彼女の動画をつらつらと見ていて、本当に良い曲が多かったんだなと痛感。

こういう時に思い出すのは、さとなおさんが加藤和彦の自殺に際してアップしていたエントリーです。



もっとちゃんと伝えよう。
たぶん、一時期でも時代の先頭を走った人は、自分の中でのハードルがどんどん上がり、下げられなくなってしまうのだろうと思う。真面目で真摯な人ほど高く高くハードルを上げる。そしてある日ハードルを越えられなくなった自分に気づき、「みんなの期待に応えられない自分」が自分の中でクローズアップされていく…。



いままで素晴らしいものを提供してくれただけで、こんなにもボクらの人生は豊かになっているのに。その素晴らしい価値に気づかないまま、ボクらの声も届かないまま、深く悩み、苦しんでいく。



手軽に、簡単に、いろんな芸術作品やありがたい言葉やオリジナルな情報を享受できるようになった現代。

手に入れやすくなったからこそ、こちらからも手を伸ばして、もっとしっかり感謝や愛情を「伝える」ことをしないといけないのだと思う。彼らには心ない言葉もたくさん届いている。それに負けないくらいたくさん「心ある言葉」を伝えないといけない。ここでも書いたが、意外と本人には伝わってない。誰かがきっと伝えてるよと思っても意外と誰も伝えていない。それどころかとっても孤独な状態にいたりする。それはきっとサイレント・マジョリティがサイレントのままでいるからだ。
若いときから長く長く創造活動をやっているアーチストたちは、多かれ少なかれ同じ苦しみを感じながら創作活動をやっているのだろうと思う。身勝手に「今度のアルバムつまんねぇ。○○も終わったな」とか言えるのも聴く側の権利ではあるが、長く聴かせてもらっているファンとしてはそういう客観評価とは違う軸で応援していく態度が必要なんだろうな。



家に帰って、ユーミンとか桑田とか達郎とか元春とか、若いときからずっと聴いているアーチストたちのCDジャケットを見ながらそんなことを考えてた。せめて借りずに買わなきゃなぁ(最近の数枚は借りた)。頭の隅でユーミンや桑田が自殺したらどう思うかを想像した。うぅ。心が痛すぎる。もっとちゃんと応援しないと。


そうなんだよな〜

この時代、余計なノイズばかりが届いて、ちゃんとしたポジティブなメッセージが意外と届いていない気がします。

大事な才能が若くして消えた時、その責任のいくばくかは受け手である我々にもあるんじゃないでしょうか。

いつまでもサイレントじゃダメなんだ。

ありがとう、や、おめでとう、の気持ちをもっとちゃんと伝えないと。

それは、スターに対しても、身近な人でも、同じなんだ。

「いねむり先生」伊集院静

久し振りに小説を読みました。

伊集院静氏よりも、むしろ色川武大氏に触れたくて手に取った本。

懐かしい青春の思い出が一気にフラッシュバックしてきました。



色川武大氏をご存じない方でも、「麻雀放浪記」の阿佐田哲也氏は知っているでしょう。

真田広之主演で映画もヒットしましたよね。

私が最初に読んだのは高校生の時でした。

一応県内屈指の進学校だったのですが、雀荘に出入りするやんちゃなクラスメートがいるような、今から考えれば鷹揚なところのある高校でした。

元々将棋が好きだった私は、誘われて麻雀にも深入りし、体育祭の時も隠れて部室で麻雀に入り浸ったり、夢中でした。

その時仲間内でバイブルのように読まれていたのが「麻雀放浪記」でした。

カラフルな牌図が織りなす魅惑のゲームと、魑魅魍魎が登場するアウトローの世界。

板子一枚下は地獄、という危うい綱渡りの生き方に憧れました。

ま、本当に実行する根性はどこにもありませんでしたが。(笑)



そんな作者が、本名で文学作品も書いているのだと知って、著作を読み漁りました。

色川武大氏の脅威のテクニックに驚嘆しましたね。

すごい才能だと思いました。



でも、色川武大氏の本当の魅力は、その著作でも、アウトローの生き様でもなく、人柄そのものにあったのです。

それを改めて浮かび上がらせてくれたのが、伊集院静氏の本作。

もう色川武大氏が亡くなって二十余年経ちますが、私の中では本田宗一郎氏と並んで、懐の深い大人物の代表です。

実際にお目に掛かった事などないのですが、あんなに優しく、人を受け入れて許してくれる人は居ないと思います。

小事に狼狽え、人の粗が気になる自分の小ささが嫌になった時、いつもあの人を思い出して反省します。

懐かしい、昭和の匂いが色濃く残る人でした。

Panasonic、これはアカンよ…

これは酷い…パナソニック「プラズマVIERA」、日本だけ手抜き仕様に



がーん、これ、本当ですか? > Panasonicどの

ショックです…。

一昨年末に旧型Panasonicプラズマから新型に買い換えたプラズマファンとしては、非常に残念です。

確かにテレビ市場では液晶に押されっぱなしでプラズマの先行き危うし、という状況ではあるのですが、プラズマの画質を評価して使い続けているユーザーとしてはPanasonicを応援しているんですよね。

かつてのSONY神話に騙された思いを抱いて、今は家電はPanasonicイチオシ。

多少割高でも、無駄に高スペックでも、関西企業を応援する気持ちもこめて贔屓にしてきたのに、この仕打ちはないですわ…。



ネットで簡単に情報収集と拡散が出来る時代に、消費者をごまかす姿勢がナンセンスです。

皆、尼崎工場の赤字もリストラも知ってますよ。

で、社長交代の微妙な時期でもあるんですよね。

でもね、シンドイ時に本性出るんですよ。

不器用だけど、実直なモノ作りの姿勢が評価ポイントだったのに、こういう小手先のマーケティング(になってませんが)されると一気に冷めます。

失った信頼は簡単に戻らんぞ。