アメリカの電子書籍市場

iPad版電子雑誌が本番へ、大手出版社がAppleルールに従う流れに



色々衝撃的な内容が含まれていました。

ちなみに筆者の田中善一郎さん、元日経BPのネット担当役員だった方なんですね。

個人BLOGに近いですが、内容には一定の信頼度があると思いますので、ご参考に。

以下気になった点をピックアップです。



・アメリカの定期購読市場の実態

こちらアメリカAmazonで「esquire」誌の年間購読が購入出来るのですが、何ですか、割引率85%って!? 15%オフじゃなくて、定価の15%掛けですからね。定価$54.89が$8ですよ。元の定価設定の意味を疑いたくなります。アメリカは定期購読が主流で安いとは聞いていましたが、これほどとは…。日本とは街中の書店の密度が違い、広大な国土をカバー出来ないので料金を割安に設定して読者を囲い込んでいるのだそうです。購読者リストが手に入ることで、後のマーケティングに活かす狙いもあるのでしょうね。



・Appleルールを飲むかどうかの綱引き

上記の背景から、出版社にとって定期購読者のリストを自分達が入手出来るかどうかは割引モデルの根幹を左右するポイントです。その意味ではリストを把握するのはAppleだけで出版社に一切購読者情報が渡らないルールを安易に飲めないのは当然ですね。しかしアメリカ出版トップ3のうち、No.2のハーストとNo.3のコンデナストが飲んでしまえばNo.1のタイムも譲歩せざるを得なくなるでしょう。つい今月の話みたいですから、まさに今Appleルールに出版社が膝を崩した瞬間を眺めているわけです。ドラマティック!



・大手雑誌電子版の実売部数の少なさ

正確な数字は示されていませんが、紙媒体なら100万部クラスの有力雑誌が電子版は1万部に届かないことがしばしばなのだとか。う〜ん、アメリカにしてこうなのか! 日本のマーケットの小ささは推して知るべし。売上予測に楽観は禁物ですね。



日本の出版社は電子出版に消極的で様子見の段階を出ませんが、将来の方向性はこちらにあるはず。

我々はタイミングを見誤らずに、攻めていきたいと思います。