GoogleのYouTube買収に見る日米比較

今日は、YouTubeがGoogleに16億5千万ドル(邦貨換算で約2,000億円)で買収された日として、語り継がれる日になるでしょう。

恐らく日米共にITに携わる者の最注目ニュースです。

本件を、ただスゴい金額の買収だとか、著作権のグレーゾーンをどう処理するのか、といったネガティブな見方だけで捉えるとその重要性を見失います。

背後にあるのは、



GoogleがYouTube買収!!! 圧倒的に正しい戦略が迅速に執行されたのだと評価する



十二年間の最大の変化 それは「強靭な胃袋」の定着



上記の梅田望夫さんの二本のコラムにあるように、GoogleというWeb業界の怪獣の思考回路の進歩、及びシリコンバレー企業の持つ”異なる遺伝子の企業を取り込んで自社の強みとする”多様性に注目すべきです。



どうしてアメリカでばかりこういう企業や出来事ばかりが起こるのか。

どうして日本ではいつまでもホンモノのベンチャーが育ってこないのか。



日本の問題は、ベンチャーマインドの貧困さに起因するところが大きいですが、現状の株式市場の制度に欠陥があるのも皆さんお分かりでしょう。

これも既に梅田さんが指摘済みです。



制度設計側が是正すべき一般投資家のリスク過重



 では日本のこの現状の何が問題なのか。

 この仕組み全体の関係者が取るリスクと得るリターンのバランスが、株式公開前の関係者にやさしく、株式公開後の関係者に厳しくデザインされ過ぎていることなのである。そしてこれは、起業家のモラルによる解決を期待すべき問題ではなく、制度設計側の責任で是正すべき問題だと私は考える。

 ところで「売上高を数億円規模から数十億円規模へと伸ばす」期間とは、ベンチャーが「まだどうなるかわからない危なっかしい存在」から「真の公開企業」へと脱皮するための「最大の難所」である。

 今の日本の仕組みの最大の問題は、株式公開前の関係者が「早すぎる公開」によって先にハイリターンを確定してしまい、「最大の難所」を乗り切るリスクを、公開以降に投資した一般投資家に負わせているところにある。




これが今の日本の新興市場上場企業に感じるうさんくささの元凶ですよね。

どうなる分からない段階の企業なのに、当事者達だけ良い思いをして投資家は馬鹿を見るだけ、という不健全な状態は正さなければいけません。

話しは簡単で、上場に際して売上を数十億円規模要求すれば良いんですよ。

これだけで随分選別が進み、その時点である程度社会的に認知されている必要な企業だけが残ると思います。



健全なルールが出来ないと、プレーヤーも育ちませんからね。

最後はアナログかも?

来年の年明けにアメリカ出張の機会があり、久し振りに航空券やらホテルの手配をしております。

基本はネット上で情報収集&予約をするのですが、実は問い合わせてみるとネット上の情報をちゃんと更新していない旅行社も多く、



「その便は満席です」

「えっ、サイト上には空席あるじゃないですか?」

「申し訳ありません。更新が追いついておりませんで…」



なんてケースが多発してます…。



で、結局前から付き合いのある某エージェントに手配を任せる事に。

う〜ん、運用するのが人間である以上、最後はアナログな処理が決め手になるのはこの先も変わり無さそうですね。

ま、全部完全にシステマティックになっちゃったら面白みが無いとも言えますが。(^^)

明日は我が身と心得よ

最近のソニーの凋落振りは、見ていて痛々しいほどです…。



ソニー、パソコン用電池不具合で外部機関に調査依頼



ソニー、「ブルーレイ」録再機も出遅れ



かと思えば、ついこの前まで絶好調だったはずのデルでさえ、



精彩欠く米デル、ウォール街はロリンズCEOの去就に注目



と、散々な評判になっています。



両者に共通するのは、製造業の本質である製品の品質低下が深刻な事。

デルのパソコンはウチも創業以来ずっと使い続けていますが、初期不良の割合が増えたり、コールセンターが中国に移管されてレベルがガタ落ちだったりと昔の栄光はいずこへ、といったカンジです。

SONYは一時は松下をしのいで日本の電機メーカーとして栄華を極めた感がありましたが、明らかに技術力・開発力が落ちていますね。



これだけ規模の大きな企業が、こんなに早くおかしくなる昨今。

規模の小さな組織やショップが信用を無くすのは一瞬です。

調子の良い時に浮かれずに足元を見直す姿勢を忘れない事。

難しい事ですが、人間謙虚さを無くしたらダメ、という事ですね。

円は過小評価?

過小評価の「円」:「ビックマック」が世界で一番安いのは東京



まあビッグマック指数にどれだけ信憑性があるのか分かりませんが、好調な貿易黒字を見ると今後は円高基調になって行くのかも知れませんね。

円が強くなって物価が安くなると良いと思うのですが、実感としてある国内の物価高感は、殆どが首都圏に過度に経済集中しているのが原因に思えます。



「自社商品+地方在住」というトレンドに持って行きたいと思っているのですが、道は遠いですね…。

Napsterが定額制音楽配信スタート

Napsterが月間固定料金による定額制の音楽配信サービスを本日より開始しましたね。



一度はWinMXやWinnyに始まる無料ファイル交換ソフトのブームを引き起こしたNapsterが、著作権保護の壁を乗り越えられずに破綻したのはご存じの通り。

それが、音楽業界とオフィシャルに手を組んで復活してきたのが面白いところです。



ネット接続にしてもそうですが、従量制のダイアルアップが定額制のブロードバンドに変わり、ネットの使い方の質そのものも変えてしまいました。

Napsterも音楽の流通へのインパクトは実はiTunes Storeよりも大きいかも知れません。



音楽コンテンツについては、新しいデジタル流通のプレイヤーがほぼ出揃った感があります。

次はYouTubeやGyaoに代表される動画コンテンツの流通がどうなるかですね。

2006年はデジタルコンテンツ配信の転換期として記憶されるべき年なのかも知れません。

ハードウェアとソフトウェア

この15年ほどずっとソフトウェアに関わる仕事をしてきました。

(私は営業職なので自分でPGが出来るわけではありませんが…)

最初は制御系のシステム開発と、若干の組み込みソフト。(カーナビシステムの開発なんかを受託で請けていました)

そして今は純然たるWeb系開発。



この15年で、果たしてどれだけソフトウェアの技術進歩があったのか、考えてみました。



開発言語はかなり変遷がありましたね。

当初はCオンリーで、場合によってはアセンブラなんてのも用いていた事がありました。

業務系では丁度オフコンからオープンシステムに移行するタイミングで、COBOLのプログラマーがVisualBasicに慣れるのに四苦八苦していましたね。

しばらくはVB全盛の時代が続き、1995年あたりから少しずつインターネットの世界が拡がってPerlが使われ出しました。

Javaこそが世界を変える、なんて言われてたりしましたっけ。

今はPHPやRubyが手頃でもてはやされていますね。



さて、肝心の開発効率はどうなりましたか?

15年前にCASEツールなんてのが話題になり、人が手でプログラミングする時代はすぐに終わる、と言われていましたが、結局日の目を見ず。

相変わらずコツコツとデバッグに勤しむ毎日です。



そう考えると、この15年間に果たしたハードウェアの進歩は本当に偉大です。

単純な計算能力の進歩を比べれば、今のノートパソコン、いや携帯電話でさえ一昔前のスーパーコンピューターの能力に匹敵します。



一体、この潤沢な能力はどこに消えているのでしょうか?



せっかくのハードウェアの進歩を食いつぶして、大して生産性も上がらないソフトウェア業界は多いに反省すべきですね。

まだまだIT革新はほんのスタート段階にしか無いのかも知れません。

そう考えると、未来に希望が持てますね。(^^)