何故、東京に行かなければならないのか?

最近、東京に移転する企業が多いですよね。

特にWeb系の企業はこの傾向が強く、地方で創業してもある程度成長すると東京に本社を移転する企業が後を絶ちません。

主な関西出身企業では、サイボウズやドリコムがその例ですね。

そして、最も有名な代表例ははてなです。

そのはてなが、今度はアメリカに進出するというアナウンスがありました。



はてな、アメリカへ



正直、私は疑問です。

近藤さんは、彼なりに色々考えて悩んだ末の結論だったでしょう。

未知の世界を見たい、本場の空気に触れたい、という正直な気持ちを封印せずに冒険してみたのは賞賛されるべき事なのかも知れません。

それでも私が反対なのは、

「自分のルーツを見失っていませんか?」

と言いたいからです。



我々は日本人です。

この国で生まれ、この国に育まれて大きくなりました。

どれだけ欧米の生活スタイルが好きな人でも、和風旅館の畳の上でほっこりする感覚は持ち合わせているはず。

意識するしないに関わらず、それは我々の体に刻み込まれたDNAなのです。



都会に出てくると、最初はその自由さ、何にも縛られない身の軽さに我を忘れます。

田舎出身者ほどその傾向は強いです。(私もそうでした)

ただ、その状態が長く続くと言いようのない不安に囚われます。

「自分はどこから来て、どこに行くのか」

ブレードランナーのレプリカントが発した問いは、大いに共感を呼んだと思います。



世の中の大半の事柄は、全て相対関係でしか計れないと思います。

そのためには、何か自分にとっての物差しが必要です。

自分が確かに感じる心、大切にしたい価値観。

それを形作っているのは、育った環境だと思うのです。



私も、今のおちゃのこネットに本格的に取り組む前は、東京に行くべきか悩んだ時期がありました。

でも、自社サービスの提供に軸足を据えた後は、神戸から情報発信していくスタイルが心地よく感じています。

だって、情報を手に入れるだけなら世界中どこに居たって簡単な時代です。

大切なのは、そこから何を感じ取って、何を生み出すか、です。

変に自分を見失わない距離感って大事だと思いますよ。



新しい事をするのに必ず東京に行かないとダメ、最後はシリコンバレーに行かないとダメ、だったら地方の立場が無いじゃないですか、ねえ?(^^)