ユーロの憂鬱

キプロスの預金没収と終わりなきユーロ危機



キプロスの銀行は28日まで営業停止が続くらしいですね。まだ最終決着は見えていません。今のところ、10万ユーロ以下の預金は全額保護、10万ユーロ以上の預金は40%カット、というのが着地点みたいです。キプロス問題、危機の規模自体は大したことないんですよね。GDPが2兆円もない国ですから、破綻してもヨーロッパにも世界経済にも大きな影響は無い。問題になっているのは、結局ユーロというシステムが今後も継続出来るのかという根本的な危惧にあります。個人的には、無理と思っています。



【この1冊】『ユーロ破綻 そしてドイツだけが残った』
著者によれば、ユーロはもともと、為替の安定と金融政策の統合を維持しながら、各加盟国が財政政策の自由度を維持するのは不可能という構造的・根本的問題を抱えてきた。「ユーロ維持」のためには、最強国・ドイツが長期にわたって南欧諸国に対する財政支援を続ける必要があることが明白になりつつあり、支援を受けるにはドイツの意向に従うしかない。これは実質的な「ドイツ帝国の復活」であり、他諸国のドイツに対する政治的・経済的反発が高まるため、「ユーロ維持」より「ユーロ崩壊」の可能性が高まっているという。
まさにこの指摘の通りの進行ですよね。そもそも国の経済運営システムが各国で異なるのに、通貨だけ統合しようというのが無理なんですよ。ヨーロッパ主要大国(ドイツ・フランス・イギリス・イタリア)と北欧諸国程度にとどめておけば維持も可能なんでしょうが、ハードル下げ過ぎましたね。



最近つくづく思うのは、日本は良い国だ、という事です。ガラパゴスで良いじゃないですか。人口1億2千万人で、世界第三位の経済大国、特殊な自国言語のお陰で適度に外国から守られて独自のポジションをキープ出来ており、ほぼ単一民族の構成による良好な治安と文化レベルが維持できている。とどめに世界最高の食事。これ以上何を望むの?というカンジです。長期的には日本が再評価されるようになるのは自明に思えますけどね。