決断力

ソフトバンクのUSスプリント買収が公式に発表されましたね。久し振りに見るアグレッシブなニュースで、嬉しかったです。スプリントの経営は決して順風ではなく、インフラもソフトバンクの既存ネットワークと互換性がありませんからリスキーな買収という声もありますが、決断した孫さんを凄いと思います。考えてみれば、旧vodafoneを買収した時も同じようにリスキーで成功確率低いと言われていたはず。今日のSoftbankの隆盛を見れば、正しい経営判断であった事は明確です。



こういう決断力のあるスケールの大きい経営者が少なくなってしまいました。創業オーナー社長が減って、サラリーマン経営者が増えちゃったんですね。個性的で活躍が目立つ経営者と言えば、柳井さんとか、稲盛さん、永守さん、三木谷さん、渡邉美樹さん、堀義人さん、などなど皆創業者です。



個人的に、人を動かす最大のエネルギーは”怒り”だと思っています。感情を表に出すのが憚られる現代ではあからさまに怒りを表現することは難しいのでしょうが、旧世代の経営者の創業のモチベーションは生まれ育った貧乏な環境や周囲への怒りだった事が多いはず。満たされた良い時代に産まれた若者が、あまりエネルギッシュな大志を持たないのは仕方がないのかも知れませんね。



乱暴な意見ですけど、私はもっと大企業を倒産させるべきだと思います。「Too big to fail」なんて言ってないで、ダメになった企業は市場から退場させる。そこで抱えていた人材が放出される。勿論短期的に痛みは生じますけど、そこで人材の流動性が生まれ、一定数が起業に向かう。これが健全な社会活力の生み出し方なんじゃないでしょうか。社会全体がソフトランディングを志向しすぎて膠着状態に陥っている。それが日本の病状だと思います。外科手術が必要なんですよね。日本という国のあちこちに。