Androidタブレット市場はKindleの独り勝ち

Kindle Fire、ついに米国Androidタブレットの過半数に(comScore調べ)

調査によると、2012年2月現在、AmazonのKindle Fireは米国の全タブレット中54.4%を占めている。現在市場に出ているAndroidタブレットの種類の多さを考えると、いかに圧倒的なリードであるかがわかる。Samsung Galaxy Tabシリーズ全タブレットを合わせても市場の15.4%にしかならず、Xoomが7%で続いている。
ま、こうなりますわね。

iPadの成功は、その使用感の完成度の高さもあるけど、やっぱりiTunes Storeというコンテンツ配信マーケットがあること。

となると、各社乱立のAndoroidマーケットに中で一番存在感のあるAmazonの端末が一番売れるのは自然の成り行きです。

疑問なのは、どうしてGoogleがAndroidのコンテンツ流通をもっと自社でコントロールしようと思わなかったのか。

なんかGoogleって、企業全体としての戦略に統一感ありませんよね。

各部門・サービスが、勝手にやってるカンジ。

個別には良いサービスもあるんだけど、全体がまとまっていない。

SONYみたい?

20%ルールみたいな独自性を重んじる文化が、裏目に出てるのかな。

これはAmazonにおいしいとこ全部持って行かれそうだ。

Google Drive登場

Google Driveがとうとうやってきた!



どうも日本のユーザー環境ではまだ利用可能になっていない模様ですが、クラウドストレージサービスの本命が登場です。

他の有力サービスとの比較はこちら

本当に便利な時代になりました。

これも通信環境が飛躍的に改善されたからこそ実現出来たサービスな訳で、地道に性能向上に努力されているネットワーク・無線・チップその他各分野のエンジニアさんの努力に深く感謝です。

まだ怖いので、いきなり手元のファイルを全てクラウドに一元化はしませんけど、バックアップ代わりに使ってみて、徐々にシームレスなアクセス環境が当たり前に浸透していくのでしょう。

これでローカル環境に置いておく必要があるのは、子供のビデオとかの大容量の動画ファイルくらいになっちゃいましたかね。

インターネットが本格的に普及(1995年)してからここまで17年、早かったですね!

SNSは使い分けされるか?

2013年には若い女性のFacebook離れが深刻化する?:4つのコミュニケーションツールの今後の使われ方



ご紹介の図をご覧頂きたいのですが、このエントリーで取り上げられているSNS四つのポジショニングを表しています。



1.Twitter

2.Facebook

3.PATH

4.LINE



上から順に段々交流範囲が狭くなって、より親密な仲で使うツールになっていくのだとか。

で、2013年には若い女性がFacebook離れを起こす?



うーん、それは無いんじゃないですか?



TwitterとFacebookは分かります。

Twitterは面識の無い人やニュースアカウント等の外部情報を広く拾う場、そしてFacebookは閉じた友人関係の中で交流を深める場。

これはもう確定でしょう。

で、その先により細かい範囲限定のSNSが使い分けされるようになる、と述べられているのですが、そんな面倒な使い分けするわけないですよね。

少なくとも、一般大衆に広く普及はしない。

より身近な仲でメールや電話が使われる事も、別に今と何ら変わる現象でもないですからね。

正直、業界人の独善で、普通の人はそんなに新しいサービスを沢山紹介されても辟易しているでしょう。



Facebookがmixiに変わって使われるようになったのは、日本という狭い世界を越えて世界で使われているプラットフォームだから。

mixiが方向性を誤らなければ、今でももっと使われていたと思うんですが、今の地位低下は彼ら自身のエラーに起因する部分も大きいと思います。

今後Facebookがよほど商業主義に傾いて嫌〜な場になれば別でしょうが、そうでなければ今後数年〜10年単位で長く使われるプラットフォームとして重宝されるんじゃないでしょうか。

大事なのは、そこに居る人間関係であって、サービスそのものは二の次なんですよ。

だから一旦構築したソーシャルグラフは、簡単には破棄されません。

それで良いんじゃないでしょうか。

「Line」のマネタイズは?

僕の「LINE」考察 ~成功要因とマネタイズ~



Skype、Viber、Tangoと来て次はLineですか。

いわゆるIP通信アプリが次々登場していますが、ビジネスモデルに興味があります。

今のところSkype以外ははっきりしたマネタイズモデルを構築出来ていませんので、どこでお金を取るかが難しい制度設計になります。

上記のエントリーにあるように、1.広告モデル 2.有料会員(月額課金)モデル が従来のマネタイズモデルだったと思うのですが、3.アイテム課金モデル というあたりが今風でしょうか。

ここまでが課金の基本パターンですね。

4.プラットフォームモデル というのは、結局のところ大規模にサービスが使われる土壌を醸成して、その上で最終的には1〜3の基本課金パターンを採用する、というところに落ち着くのだと思います。

プラットフォームとして定着しつつあるFacebookにしても、最終的には1.の広告モデルに落着でしょうからね。



それにしても、はっきりしたマネタイズモデルが確立する前にサービスの規模を追求するあたりが、シリコンバレースタイルですね。

シリコンバレーは将来の収益性に期待する投資家のエコシステムが既にあるので出来る話なのですが、Lineの提供元であるNHN Japanはゲームビジネスで得た収益を新規事業に再投資するモデルです。

こういうケースは、そのビジネスを専業で立ち上げようとするベンチャーに比べて、どうしても姿勢が甘くなって中途半端に終わる事が多いのですが、どうなりますか。

部門のマネージャーがベンチャー創業者並みの執念を持てるかがキーでしょう。

しかし、通信なんてとっくに枯れたビジネスと思うところからこういうホットなサービスが生まれてくるのが面白い!

日本の電子書籍市場は立ち上がるか?

電子コンテンツ・ビジネス雑感



電子書籍を発行する立場としては悔しいんですが、現状を正確に分析した内容である、と言わざるを得ません。電子書籍元年と言われながらなかなか日本で市場が立ち上がらない理由は、



1.デバイスの普及度が低い

 これは鶏と玉子の話になるのですが、読めるコンテンツが少ないからデバイスの普及も遅く、今のところは新しいもの好きのITギーク層に限られている気がします。日本の大手出版社がこぞってAmazon・Appleへのコンテンツ流通に反対している状況が変わらないと大きな変化が望めないでしょうね。



2.書店流通網の整備

 これも諸外国、特にアメリカと比べると日本の書店網の整備具合はそれはもう至れり尽くせりだと思います。殆どの駅前にちょっとした本屋さんはありますし、宅配便の行き届いた日本ではAmazonが下手したら当日配送してくれますからね。オンデマンドで好きな時に、までは行きませんが、相当流通スピードが高いのが消費者に特に不便だと感じさせない大きな理由でしょう。別の観点で見れば、日本の書店経営の特殊性も大きいですよね。再販制に守られて定価販売が約束されていて、委託販売制があるから返品自由なんて、そんな楽な商売他にありますか? そりゃあちこちに一杯出来ますよね。さすがに近年の競争激化で書店も淘汰の時代を迎えていますが、これが一定の数以下に減らない限り消費者の利便性は損なわれないでしょう。ただ、行き着く先は今のCDショップと同じだとは思いますけどね。



という二点に集約されると思います。さて、この状況に風穴が開くのはいつなのか?



アマゾン電子書籍、40社と配信合意 学研・PHPなど



と思っていたら、こんなニュースがリリースされました。どうもこの記事も飛ばし気味で、本当に合意しているのか怪しいんですが、各社水面下でAmazonと条件交渉をしている事には間違いないでしょう。どんなに抵抗しても技術の進歩で進む未来は決まってしまいますから、どこかで決着せざるを得ないでしょう。



ウチは今のところ「CARZY」の販売を独自のiOSアプリと、独自のサイトを通じてのPDF提供という形態を取っていますが、本当はiBooksやKindleで普通に売りたいんですよ。独自の窓口を通じて売るのは集客面で大変だし、アプリの開発なんてしたくない。ソースはPDF等の汎用フォーマットで制作してそれで各所に配布したいんですよ。しかしなかなか日本語コンテンツの販売に門戸が開かれないんです。同じようにジリジリしているコンテンツ制作者は多いんじゃないでしょうか。



ま、市場環境が整わないと商売にならないので、今のところは我慢してコンテンツの仕込み時期だと思うことにしています。一旦作ったコンテンツが腐らないのも、流通から排除されないのも、電子書籍市場の利点ですからね。日本で本当に花開くのはまだ一・二年掛かりそうですけど、今が我慢のしどきなのだと思っています。

シリコンバレーという特異点

Instagramの創業者たちに学ぶこと



昨日の続きみたいな話なんですけど、Web界隈では最近最も大きな話題なのでご勘弁を。



さて、このエントリーを読んでどんな感想をお持ちになったでしょうか?私的にはデジャブーというか、結構前から考えていたポイントだったりします。つまり、広くワールドレベルではシリコンバレーという特殊な場所がIT系の中心点であり、この仕事に携わる人全ての憧れでもあるのですが、では皆が皆シリコンバレーに行かないと、スタンフォード大学に入って人脈造りしないとダメなんでしょうか。私はそうは思いません。これはつまり、地方問題なのですね。



若くて、自分のキャリアをこれから積み上げようと思う人は、都会に対して強烈な羨望の念を抱くことでしょう。人が多くて、エネルギッシュで、経済・文化・全ての情報の発信源。そんな渦の中心に自分の身を置いて刺激に触れたいという思いは良く分かります。もし自分の今の環境に対して、物足りなさや、ある種の焦りの様なものを感じていたとしたら、その憧れは強く身を焦がすかも知れません。その衝動に思い切って身を任せ、世界を見てみるという事も面白い生き方でしょうね。そこを否定はしません。



ただ、それしか選択肢が無いというのは、あまりに薄っぺらな価値観では無いのか、というのが私の思いです。今はシリコンバレーとその他という軸での話なのですが、実は東京とその他地方という軸で、日本における仕事の仕方についてずっと考えてきた事と通じると思うのです。確かに東京には面白い仕事がある、優秀な人が集まっている、チャンスがある。でも、それしか選ぶ道がないなら、地方の立場は?



日本は広い国です。桜の開花も北から南まで各地でバラツキがあり、桜前線の動きを見ていれば日本には多様な地域があって一様ではないのだという事が良く分かると思います。それぞれの地方に伝統があり、文化があり、コミュニティがあります。確かに中心地からの物理的距離は埋められないけれど、これだけ交通手段が発展し、情報流通が盛んな今、それは昔に比べれば相対的に重要度が低くなっているんじゃないでしょうか。保守的だと思われるかも知れませんが、私は今住んでいる神戸という街が好きです。東京よりも、大阪よりも人が少なく、それでいて街の文化度は高く、風光明媚で食べ物も美味しい。東京だって飛行機に飛び乗れば1時間で着いちゃいますからね。その気になれば人的交流も充分可能だと思います。



結局、求めるゴールをどのレベルに設定するのか、という事に帰結するのでしょう。バイアウトもしくはIPOで10億ドルレベルのアウトプットを短期に追求するなら、それは地球上でシリコンバレーでしか実現出来ないでしょう。しかしそもそもビジネスをする人全てがそんなゴールを設定しているのか、すべきなのか、というのが問題です。歩く速度が人によって違うように、生き方のペースも異なるはず。人の価値が持っているお金だけで判断されるものではない様に、同じ尺度でビジネスの成否を測る必要はないはずです。多様な生き方があって良い。そんな事をつらつら考えました。

FacebookがInstagramを買収

Facebook、Instagramを10億ドルで買収



う〜ん、10億ドルの価値があるのかな〜?

恐らく多数の人は、Twitterを広く情報を収集するメディア、Facebookを身内で情報を共有するメディア、と使い分けているはずです。

そして、写真という手段がどれほど豊富な情報をシェアするのに役立つのかも良くご存知でしょう。

一枚の写真が切り出すその瞬間が、字数を尽くした描写を軽々と上回ってしまいます。

特に我々は文章の専門家ではないですから、なかなか人に想いを伝える文章って書けないんですよね。



iOS/Androidアプリの開発者もそこは良く分かっているので、多数の写真・カメラアプリが存在します。

その中でInstagramが突出した存在になれたのは何故でしょうか?

それは、機能が分かりやすくて、操作がシンプルであった事、でしょうか。

ポラロイド風のエフェクト加工された写真を良く見かけますものね。

いたずらに機能を増やさなかったのも好判断だったのでしょう。

私個人的にはノーマルのFacebookアプリで充分なので、Instagramすら使いませんけどね…。



しかし、10億ドルという値段には驚きです。

このスケールがシリコンバレーならでは、ですね。

セカイカメラがいくら面白いプロダクトを提供していても、日本の資本市場でこれだけの資金の出し手はいませんから。

プレイヤーのサイズが違う。

彼我の差に圧倒されるばかりです。