日本版squareはどこか?

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取引先の方と話していて、このsquareというビジネスモデルの可能性を過小評価していた事に気付きました。既に既存小売り店の殆どにクレジットカードを読み取るCAT端末もレジもあるのだから、今さらこんなデバイスを導入するニーズなんて非常に限定されているのでは、と。大間違い。



実は百貨店を始めとする既存店舗の店頭ではレジの台数が減る傾向にあるそうです。一つには人件費、そしてレジ端末が高額であること。そうするとどうなるか。皆さんも経験がありますよね。百貨店で買い物をしてクレジットカードを提示すると、店員さんがカードを預かって遠くのレジまで処理をしにいくのをぼーっと待つことになります。これ、日本では割りと当たり前の光景ですが、海外では危険です。購入数や金額をごまかされたり、最悪スキミングされて不正請求トラブルが発生したりします。なので、目の前でカード処理をしてくれる顧客ニーズは潜在的に凄く大きいのだとか。なるほど、同じ意味で飲食店も自分の席で目の前でカード処理をしてくれた方が早くて安心ですし、全ての店頭小売店で同じニーズがあるのですね。それにプラスして出先で決済をする必要がある保険屋さんや宅配モデルの商売なども大きな恩恵を得られます。



で、日本です。実はsquareのモデルを日本に持ち込んで既にサービスを提供している会社が幾つかあります。



ペイメントマスター(by株式会社フライトシステムコンサルティング)

PAYGATE(by株式会社ロイヤルゲイト)



いちはやくサービスを形にしてリリースしているのはさすがと言うべきなのですが、残念なのはその価格体系。本家squareが決済額の2.75%だけ徴収するシンプルなモデルでカードリーダー端末もアプリも無料でばらまきまくっているのに対して、日本の会社は相変わらず端末代金や月額基本利用料等の古いモデルに拘っています。この手のプラットフォーム競争は先に市場を押さえた者が勝ち。アメリカを見習ってじゃんじゃん端末配った方が良いと思うんですがね…。



キャッシュレジやPOSを作っているメーカーの方、この動きに気付いていますか? 足下が大きな音を立てて崩れていますよ。店舗経営者の皆さん、これ良いサービスになると思いませんか? こうやって破壊的なイノベーションが繰り返し何度も起こるのがIT業界の醍醐味。いやー、久し振りにワクワクしました。