デザインの決め方

焦点:トヨタがデザイン改革に本腰、個性打ち出しブランド強化へ



皆さん、クルマのデザインってどうやって決めてると思います? まあ最終的には役員会にかけるんだろうけど、デザイン担当ディレクターの意向が色濃く反映してると思うじゃないですか。なんと、トヨタでは違ったらしいんです。
新車のデザインは、一般社員による評価を3回繰り返した後、最終候補を役員が参加する審査会にかける。各部署から選ばれた約100人の社員が、原寸大のクレイ(工業用粘土)模型をみながら得点をつけ、高得点を獲得したものが次の段階に進む。問題はその過程で社員の意見を反映した修正が加えられること。グリルが大きいと言われれば小さくし、ランプが小さいと言われれば大きくする。様々な意見を聞き入れ、修正を重ねれば重ねるほど、デザインは平準形に近付き、クルマの個性となりうる「芽」を摘みとる格好になる。
驚きました。一般社員の意見を取り入れてクレイモデルに修正を入れてたとは! そりゃ無個性なクルマしか出てこないはずです。で、改善をしたのですが、
「かっこいいクルマをつくろうと思うなら、現時点では、ちょっと変じゃないかと思われたり、抵抗感があったりするくらいがちょうどいい」
その通りなんですが、レクサス/クラウンにここまでアグレッシブなチャレンジをする必要があったんでしょうか? その代わりに、フラッグシップとして期待されていたLFAはコンセプトカーモデルから退化してつまらなくなったという評価でしたからね。どうも出る・引くの判断がちぐはぐな気がします。



ただね、これだけ大きな会社で、世界一の販売台数を狙おうかというポジションにあるのに、ここまでチャレンジする姿勢そのものは凄いと思います。無難に徹してればケガもしないわけですからね。恐らくスピンドルグリルはあまり受け入れられないと思いますけど、この攻める姿勢が次世代のモデルに洗練された形で出てくれば拍手です。章男社長、頑張れ!