シリコンバレーというメジャーリーグ

昔、そうあれは2003年あたりでしたか、おちゃのこネットの準備中にビジネスモデルへの意見を求めて東京のキノトロープの生田さんを訪ねたことがありました。値付け、つまりマーケット内でのポジショニングについてダメ出しされて落ち込んで帰ったのをまだ昨日のことのように思い出しますが、その時に言われたのが「東京って日本中からエースで四番が集まるメジャーリーグなんだよね」というセリフでした。そうか、神戸や地方でやってるのとは次元が違うんだな、なんて東京への憧れと畏怖の念を抱いたものでしたが、それは大きな間違いでした。

北米ベンチャー探索・評価 応用編セミナー@大手町

こちらに参加したのは、渡辺千賀さんに会ってみたかったからw 奥本直子さん共々、とてもチャーミングな方でした。

そもそもこのセミナーはアメリカのベンチャーマーケットに投資をするVC向けの内容なので私が参加するのは場違いなのですが、北米ベンチャーマーケットの空気感と実際に投資をしているVC各社の担当者さんの雰囲気が知れて面白かったです。

そこで千賀さんに言われて印象的だったことを幾つかご紹介。
アメリカと日本ではベンチャーマーケットの規模感が全然違う。例えるなら、日本が小川でアメリカはナイアガラの滝。どんどん目の前を凄い勢いで沢山のベンチャーが流れて行くから、個別に品定めをしているヒマがない。効率的にフィルタリングする仕組みが必要。
そしてアドバイスを頂きました。
Y Combinatorに応募してみたら? 日本人で受かったのは過去一人だけだけど、もし入れればそれだけで五段抜きの効果があるよ
なかなかのハードル上げっぷりですねーw

勿論Y Combinatorの存在は知っていましたし、Airbnbが成功したのもYCの指導があったからなのですが、私には縁遠い存在でした。その唯一の日本人がこの方。

「お前、おもしろいからウチに来い」 ホームレスから日本人初のY Combinatorへと転身した起業家の壮絶人生

福利厚生提供サービスか。全然考えませんでしたね。日本とヨーロッパで成功しているのにアメリカにイケてるサービスがなかったのだとか。そんなパターンもあるんですね。もう一人日本語のできる外国人さんがYC出身らしいのですが、そちらはSEO会社だと聞きました。

YCのパッケージはこちらに紹介があります。

Yコンビネーターの合格から最終プレゼンまで

これも珍しいネタでもなんでもなくて、色んな本に書いてあります。YCの基本パッケージは、

 ・概ね2万ドル前後の投資で株式の6%程度を取得
 ・創業メンバーが三カ月シリコンバレーで直接指導を受けること

というものです。半年に一度のペースでピッチが開催されていて、今は2018年夏(7・8月)の開催待ちですね。さてどうしましょうか。ダメ元で申し込みだけしてみましょうか。受かったらシリコンバレーに行かないといけませんが、既に締め切り過ぎてるし、受かりませんよねー(逃げ道用意w)

Y Combinator : Apply

ホンモノの世界のメジャーリーグは、アメリカ・シリコンバレーだったのだというお話でした。(to be continued...)

人生を遊ぼう!

「競争は嫌い」出社は週3日、前沢流の粋な働き方

本当に失礼な話なんですが、前澤友作さんってチャラいイケイケの人だと思ってました。タレントと浮名を流してワイドショーネタになって、調子こいてるな、と。そもそもあのヒゲが好かんw。でも色々インタビューを読んでみて、非常にまっとうで、先進的な考え方をお持ちの経営者なんだとようやく分かってきた気がします。この記事、読んで感銘を受けました。
好きなことを、ただひたすら楽しみながらやる。それがいつの間にかビジネスになっていたんです。

 こんなにモノが売れない時代に、洋服を売って会社を成長させているなんてすごいですね、と言われます。僕自身は、「売り上げを伸ばそう」とか「利益をあげよう」とか、思ったことはありません。それよりも、楽しみながら働ける会社をつくりたい。

 多くの人は「稼ぐため」に会社に入り、働くと思っているでしょう。僕は、その考え方自体が、根本的に間違っていると思うんです。

 働くなんて、一種の”余暇活動”でいい。人生を楽しむため、好きなことをするために会社に入るのが本来のあり方。極端なことを言えば、嫌いなことは、一切、やらなくてもいいとさえ思います。

 どうせ買うなら、誰だって、楽しそうな人から買いたいでしょう。はやっている店ほど、働いている人も楽しそうだと思いませんか?

 好きなことをやるために一つ屋根の下に集まっているのですから、社内で無駄な競争などしません。全社員基本給は一律ですし、ボーナスも全員同じ。いい時はみんなで分け合うし、悪い時は共同責任という考え方です。

 それだとサボる人が出てこないかと心配する人がいますけれど、いいじゃないですか、サボったって。人間なんですから、働きたくない時だってあるでしょう。そんな時は誰かがポンと肩をたたいて、「今日も1日、頑張ろうよ」と声をかけてあげればいい。僕は、むしろ、そんな会社をつくりたい。

 働くのは1日6時間だけでいい

 一人ひとりの能力を業績に応じて細かく評価し、給料に差をつけて、なんてやっているのは、ずっと効率が悪いと僕は思います。そんな時間があるならば、その時間を、お客様のために費やした方がいい。

 人のために役に立ち、人を喜ばせ、結果としてそれが事業になり会社が発展するというのがあるべき姿だったはずなのに、どうすれば隣の同僚に勝てるかとか、どうやったら部長に怒られないように今日一日をしのげるか、なんてことばかり考えるようになってしまったら、会社に行くのがつまらなくなるし、業績も上がらなくなってしまうんじゃないでしょうか?


スタートトゥデイ社長の前沢友作氏
 スタートトゥデイの場合、誰かがサボったり、会社に来なくなったりしても、それはみんなの責任です。来ない人が悪いとは、一切、考えない。

凄い考え方ですよね。でも、分かる気がする。共感できるし、この価値観を実現したいと思える。そんな吸引力があります。会社って伊達に大きくはならないんだな、と感じました。

ずっと、働くことってシンドイことだと思ってきました。食うために人が嫌がる厳しいことや面倒なこと、やりたがらないことをすることが仕事なんだと。でも、もうそんな時代じゃないんですね。特にホワイトカラーの仕事というのは、本人が知的な楽しみを感じられる仕事じゃないともう人が来ない。これは最近読んだ本に書いてあったことですが、真理だと思います。
「頭脳労働者のモチベーションを引き出す唯一の方法は、楽しい仕事を、楽しい仲間とやらせることだ。それ以外に近道はない。」 Jason Fried
実際わたし自身も仕事が楽しくて仕方ありません。新しい構想を考えて実現していくプロセス、それを通じて今まで知らなかったことを知り、新しい体験をする、面白い人と繋がる。これが辛いことのはずがありませんよね。だからもし私が余命●年、なんて宣告を受けても、やることは何も変えないと思います。自分にとって一番楽しい事をしているのですから。

いま世間で高給を得ている仕事とはどんなものでしょうか。プロスポーツ選手、歌手、映画俳優、お笑い芸人、アーティスト。これら全て、生きるために不可欠な仕事ではありません。でもそんな人たちが世の中から圧倒的な支持を得ているのはなぜでしょうか。それが人が生きて行く上でとても大切なものになっているからです。つまり人はもう食べるためではなく、楽しむために生きていると言えるのです。

だから私も仕事というものへのアプローチを意識して変えてみようと思います。「Life is entertainment. 人生を遊ぼう!」

ブロックチェーンの未来

ブロックチェーンによる新規事業開発

知人が主催してくれたセミナーに参加してきました。国内のブロックチェーンに対する最新の知見が得られてとても有意義でした。国内有数の規模でICOしたALISの安さん、中部電力、富士通、Amazon、という登壇者の顔触れは今の日本で一番詳しい方たちなのですから、これが日本の最前線です。しかしながら正直申し上げて、アプリケーションはまだ全然ダメです。「それ、ブロックチェーンを使う意味がありますか?」と尋ねたくなるものが多かったです。

この先のビジョンはまだ誰にも見えていないのかも知れなません。インターネットの世界における下位レイヤーが実装されつつある段階で、ブロックチェーンの価値を体現するアプリケーションはまだこれからなのだとAmazonの塚田さんが語っていましたから、そうなのかも知れない。実は皆の期待通りには立ち上がらないかも知れない。それでも登壇者はディスラプションの可能性をポジティブに信じていました。(セミナーの最後に私が質問しましたw) 私が考えるビジョンは、芝麻信用のモデルです。

「信用」が中国人を変えるスマホ時代の中国版信用情報システムの「凄み」

個人を中心にした社会モデルの実現。その基盤がブロックチェーンなのなら、確かにインターネット以上のディスラプションなのかも知れない。少し気持ち悪いところもありますが、それでも組織から個人へのパワーシフトは止まらないと思いますし、最終的に個人ベースに価値が収斂していくのは正しい流れに思えます。

今は仮想通貨で手っ取り早く儲ける怪しい輩が跋扈していますが、こんな状態が続くわけがありません。私はまともなブロックチェーンの使い方を探っていきたいと思っています。

認証コード=暗証番号

大変お恥ずかしい話ですが、私の個人LINEアカウントを乗っ取られてしまいました…。こんな仕事をしているのに本当にお恥ずかしい次第で、怪しいメッセージが送られた知人の皆さんには本当に申し訳ないです。さすがにWebMoney送ってる人はいないと思いますが、くれぐれもご用心ください。

今回の手口は珍しいものではないそうですが、どんなやり取りがあるのかお知らせして、同じ失敗をなされないようにシェアさせて頂きたいと思います。

私の場合は、発端は昔の上司からのFacebookメッセンジャーでした。「LINEのアカウントが凍結されてしまって、解除するのに友達の認証が必要。まず携帯電話番号を教えてほしい」 この方との距離感が微妙で、もう20年以上会ってない方だったんですよね。「奥さんに頼めばいいのに、どうして私に?」とは思ったんですが、奥さんと離婚したのかなとかITに詳しい気安く頼める目下の人間があまりいないのかな、なんて勝手に状況を想像しちゃったんですね。携帯電話番号は私も知らなかったので、あまり疑問に思わずに教えました。次に私の携帯にSMSで認証コードが送られてきます。犯人が認証コードの請求をしたんですね。で、この認証コードを先ほどのメッセンジャーで教えてしまったと。犯人は私の友達リストを入手して、別アカウントに私の本名といつも使っているアイコン画像を登録したんですね。で、「WebMoneyを10万円分コンビニで買ってきて欲しい」と連絡をしまくった。直後に色んな人から電話やLINEで、乗っ取られてるよ、とご連絡を頂きました。大変ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。

この流れのポイントは、認証コードを教えてしまったというところです。認証コード=暗証番号、という認識が私になかったんですね。てっきり知人のアカウントの認証に使われるもので、まさか自分自身の認証を取られているなんて思わなかったのです。この流れのポイントは、

・実在のメッセンジャーアカウントを使う事でやり取りを信用させる
・知人の凍結アカウントの解除のための認証であると誤認させる

だと思います。そもそも連絡元の元上司が実在のFacebookアカウントを乗っ取られていたんですね。ホンモノのアカウントからの連絡だったので、そこを疑いませんでした。元々Facebookの更新頻度が低い方だったので、ご本人の対応も遅れちゃったんでしょうね…。そして友達を認証するというステップに対して、まあそんな手順もあるのかな、程度にしか疑わなかったんですね。認証コードに対する取り扱い意識が低かったために起きた失敗で、本当に落ち込みました。

殆ど同じタイミングで別の知人が、「ケータイが水没しちゃって、助けて!」という流れからアカウント乗っ取られたという事例も聞きました。これも助けてあげなければ、という心理を突いた巧妙なアプローチですよね。オレオレ詐欺の手口は沢山公開されていますが、どれもストーリーがよく練られていて、自分の中の文脈でありそうな流れが用意されていると乗っかってしまうということは誰にでも起こり得ます。俺は大丈夫、という方もどこかに必ず弱点があります。それは微妙な人間関係に起因すると思うのです。例えば、両親、特別な関係のある叔父・叔母、昔お世話になった先輩、もしくは後輩。手助けしてやろう、役に立ちたい、という心を利用するのです。引っ掛かってしまった私自身を振り返ってみても、完全に防ぐのは難しいだろうなと感じます。

勿論一番悪いのは、詐欺集団です。でもこれ、LINEやFacebookとISPが捜査協力すれば該当者の特定は簡単にできそうですよね。兵庫県警本部生活安全部サイバー犯罪対策課さんとはリアルに協力関係にあるので、今回の件の報告と相談をしてみようと思います。

くれぐれも皆さま、ご用心を。

人の気持ちに配慮はするけど、顔色は伺わない

小さくはあれ会社の経営なんてことをしていると、日々決断の連続です。その度に苦悩します。最近こういうセリフを見かけました。
上に立つ者は下の者の気持ちは汲んでも顔色は窺ったらあかん
マンガの登場人物のセリフなんですが、なるほどなと。上とか下とかいう表現にそもそもどうかと思うところはあるのですが、それでもこれは大事なことなのかもしれません。

チームのメンバーの気持ちに配慮することは絶対に必要です。いくら自分の主張に自信があっても、それを正しく伝えてみんなに支持してもらえなければ結局は実行できない。それでは目的は達成できません。ただ、全員が自分の主張に賛同してくれるかどうかは分からない。恐らく一定数の反対意見があるでしょう。そこは人によって価値観が異なる以上仕方がない。それでも決めて前に進まなければならない。

この時にメンバーの顔色を伺ってしまうとどうなるか。自分の決定に自信が持てなくなり、方針を定めることができずに右往左往することになるでしょう。これがマズい。一定の議論のプロセスを経てチームとして意志決定したことには従ってもらう。ここでリーダーに自信がないと、メンバーに迷いが生じます。これでは方針が正しくてもパフォーマンスが出ないかもしれない。せっかくの意志決定が活かせないのです。充分に議論はする。衆知を集める努力はする。納得がいくまで話し合いをして、疑問点は晴らす。そうやって出した結論は大切にしないと、議論自体に価値がなかったことになってしまいます。もしその結論が間違っていることが分かったら、その時また修正すればいいんです。

リーダーも不安がないわけではありません。むしろ自分の決定が正しかったのかどうか不安だらけです。でもそのストレスに負けずにチームをリードする気概がなければリーダーは勤まりません。自分を信じて進むのみです。

大事な話は一晩寝かせましょう

皆さんにも前の晩に書いたラブレターを翌朝読み返して、恥ずかしくて破り捨てた経験がおありのことでしょう。(え、ないですか?w) これ、ビジネスレターでも同じことだと思います。人は感情で動く動物。どんなに理性的な人でも、必ず感情に支配されています。特に夜に感情が高ぶったまま大切なレターを書くと、取り返しのつかないことになってしまうことがあります。

これは大切なメッセージだな、という自覚があれば、そしてその内容に迷いがあるのなら、必ず一晩寝かせてから送るようにしましょう。寝てスッキリすると、感情が落ち着いて冷静に書き直せるものです。私も本当に大切なメッセージは二〜三日寝かせることもあります。このBLOGも大体朝書いてますしね。メッセージを送る前に、誰かにその話を聞いてもらったり、どこかでつぶやいてガス抜きするのも有効。

オンラインコミュニケーションが主体の現代だからこそ、ことばが与える影響に細心の注意が必要だと感じています。