ある女性経営者さんのこと

おちゃのこネットで一番売り上げを上げてらっしゃる女性経営者さんと初めてお目にかかりました。驚くことばかりで、あっという間に5時間が経っていました。



創業当時のショップ立ち上げの経緯、まったく売れなかった頃、実店舗のオープン、ネットで月商100万円達成のためにやったこと、広告戦略、自社製造開始の経緯、SNSマーケティング、将来の夢。何より、徒手空拳で全く経験がないことに踏み込んでいくガッツが素晴らしい。かといって肩ひじ張ったカンジでもなく、例えるなら人生がリアルなドラクエみたいな、苦労も含めて全部を楽しんじゃうその笑顔に生き方が集約されている気がしました。



いつか皆さまにもご紹介させて頂く機会があると思いますので、楽しみになさって下さい。並みのビジネス書よりよっぽどタメになります。結果を出す人はやっぱりひと味違いますね!



<追記>

とっても嬉しかったお言葉。「おちゃのこネットはショッピングカートのAppleですね。」と仰って頂きました。Androidとは似て非なるものだと。なんだか目の前がすっきり晴れる気がしました。今まで、初心者ユーザーさんとヘビーユーザーさんのどちらを向けばいいのか迷っていたのですが、そうかAppleを目指せばいいのか、と。Macは初心者に優しくて、同時にヘビーな開発者のニーズにも応えていますもんね。優れたUIはどちらにも使いやすいものであるはずですから。「最高のショッピングカートを作る」というミッションに忠実に従いたい、それが進むべき道なのだと確認できた気がします。

「イーロン・マスク」ブランドの価値

イーロン・マスクの「火炎放射器」はすでに350万ドル分の予約注文を確保



「イーロン・マスク」はJobs亡き後のアメリカビジネス界のアイドル。倒産寸前の会社を彼個人の信用で建て直した実績から、彼個人の存在が歴としたブランドになっています。テスラ、ソーラーシティ、Space Xときて、次に立ち上げたBoring Companyは地下に高速移動用のトンネルを掘って交通インフラサービスを提供するのが目的の会社です。







それが何故かロゴ入りの帽子や火炎放射器を売っていますw 買ってる人はシャレのつもりなのかイーロン・マスクを応援しているのかよく分かりませんが、まだ何も実態のない会社の商品を予約という形で何十億円も売り上げてしまう。これこそブランディングの最たるものです。結局ブランドって、特定の個人がその価値を体現しているものなのですね。どこにもないその人のとんがった個性を前面に出し、存在そのものがブランドになる。



おちゃのこネットでも、売れているお店は店主さんのキャラが立っている気がします。意図的に個人が露出してブランドの個性を主張することが、顧客にお店の価値を伝える近道なのですね。だから売れているお店はどこもBLOGを大事にしてらっしゃいます。定期的に情報を発信し、拡散に努めると同時にコンテンツの蓄積と集約を忘れない。古くて新しいメディア、それがBLOGなんじゃないでしょうか。そして発信手段として未だに効果的なのが実はメルマガ。最近だとLINE@ですかね。お店からPushで情報を届ける手段がこの二つくらいしかないのです。



結局、やるべきことをコツコツと続けられるかどうかが別れ道なんじゃないでしょうか。短期で効果が出る施策は短期で廃れる。地道に体力をつけることが大事なんだと思います。勿論、「イーロン・マスク」クラスのインパクトのあるキャラをお持ちでしたら話は別ですが。

Coincheck不正流出

ビットコイン取引所「コインチェック」で620億円以上が不正に引き出される被害が発生(追記あり)



Coincheckで大規模な不正流出騒ぎがあったようです。規模は600億円超と言われており、マウントゴックス事件での被害額100億円超の数倍に及ぶ模様です。新しいモノの出たては何かしらトラブルが起きるものですが、折からの仮想通貨ブームに乗って世界中で投機熱がヒートアップしていましたから金額が膨らみましたね。投機が行き過ぎて明らかに鉄火場になってましたから自己責任と言えばそれまでですが、環境が整備されていない仮想通貨市場の怖さが明らかになりました。



金融とITは相性がいいので上手くマッチする新サービスが作れるとあっと言う間にスケールしますが、穴があった時が怖い。ハイリスク・ハイリターンの典型です。その意味ではウチの様なECサービスでも決済は身近なテーマですから、いかにリスクをコントロールするかが大事な経営判断になります。よくある話ですが、クレジットカードの情報は社内に持たずに外部の決済代行会社にリスクを外出しするなど、漏れるのが前提でシビアなデータをそもそも自社では保持しないというのが安全なやり方だと思っています。



同じような事が自社で起きたらと想像するだけで身震いします。油断してはなりませんね。

「Googleは使わない」

Googleは使わない、SEO対策しているから——Instagram有名人のGENKINGが語った10代の「リアル」



今頃2016年の記事をご紹介して申し訳ありませんが、タイトルが強烈で思わず読んじゃいました。
Googleで検索すると文字が出てくるし、(検索結果は)SEO対策されている。あとはスポンサー(広告)とかが上がってきて…ネットってリアルじゃない。



一昔前ならGoogleで検索して化粧品のランキングを見ていたが、いまは見ません。結果にウソが多いのも若い子は知っている。
うーん…。これがどこまで一般的な感覚なのか、正直分かりません。とは言いながらやっぱり多くの人は今日もGoogleで検索していると思います。でもこの「Googleの検索結果にウソが多い」という感覚、若い人が共通に抱いている疑念なのであれば早晩なんとかしないとGoogle離れなんてことになる日が来るかもしれません。いつかは若い人がメインストリームになるのですからね。Facebookは検索導線をGoogleから奪い取ろうとしている(InstagramはFacebook傘下です)わけですが、その競争の結末が見ものです。

AI進歩の底知れなさ

Alpha Zeroの衝撃と技術的失業



大学生の頃まではよく将棋を指しました。一時は三段ほどの腕前だったので今でも新聞の将棋欄やNHKの録画は見たりします。最近のAIの進歩については、将棋や囲碁のプロ棋士を凌駕していく様をリアルタイムで見て興味と恐ろしさを感じています。過去に何度かAIブームはありましたが、その度に期待外れの現実にがっかりさせられました。今回もどうなのかと勘繰っていた部分がありましたが、どうやら本物のようですね。



ご紹介した記事は「ポナンザ」という将棋ソフトの開発者のブログです。
この感情をどう表現すればいいのだろうか。多分これが技術的失業なのだろう。おそらくだが、DeepMind社がこのまま本気を出し続ければ、Ponanzaをはるかに超える途方もないプログラムが完成するだろう。それくらいこの新手法は“まだ”洗練されておらず、とてもバニラだ。伸び代がたくさんある。
この底知れない伸び代のある感じが、何とも不気味です。この技術がこの先どんな形で我々の生活に入ってくるんでしょうね。翻訳、無人化、自動化、一番身近で影響が大きそうなのはクルマの自動運転かもしれません。思っていたより早く実用化のフェーズがやってきそうで、楽しみでもあり、恐ろしくもあり。どうせ避けては通れないのなら、踏み込んで積極的に利用する側に回った方が面白そうです。試してみますか!

Twitter社の物語

Twitter創業物語 失敗するよりも成功するほうが嫌な思いをすることは多いかもしれない。 けれども



このエントリーを読んだだけで「ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り」はまだ読んでいませんが、切なくなりました。今まで感じていたTwitter社の迷走振りはこの人間関係の複雑さから来てるんだな。本当の所はエヴァン・ウィリアムスやジャック・ドーシーと実際に付き合ってみないと分からないのだと思うけど、個人的にはMediumを立ち上げたエヴァン・ウィリアムスに肩入れしてしまう。それはやはりサービスがその人を体現していると思うから。
基本的に揉め事というのは上手く行った時に起きるものである。

 僕は潰れそうな会社に絡んだことはいくつもあるので、潰れた会社の元社長や元社員が、それほど不幸な思いをせずにそれなりに楽しく暮らしているのをよく知っている。会社経営にとって、実際、失敗というのはそれほどでかいリスクではない。



 ただ、やはり厄介なのは成功、しかも大成功をしたときだ。その時は必ず揉める。

 揉めない方法というのはほとんどないだろう。
という清水さんのコメントには悲しくなるけど、それが現実なのかもしれない。まだ成果を出していない私がこんなことを言うのもなんだけど、やるからには揉めない成功事例を作りたい。追い掛けた夢の到達地点が地獄でした、というのは嫌だもの。

UX(User Experience)について

UXの重要性が知られてきています。ユーザーがそのサービスを通じてどのような顧客体験を獲得出来るか。どんなユーザーも、何か目的があってそのサービスを利用するわけです。その目的を達成するプロセスが本当にユーザー目線で設計されているか、全ての事業者は基本に立ち返って見直してみることが大切です。



スマートEX



これはJRが提供する新幹線の予約サービスなのですが、このUXが最悪に近い。私の目的は明確です。「新幹線を簡単に利用したい」 これに尽きます。しかし話は簡単ではありません。私の要求を満たすためには、実は二つの要素を実現する必要があります。



 ・簡単に予約をしたい

 ・簡単に乗車をしたい



予約に関しては、上記のスマートEXというサービスに登録するのが良さそうです。サイトの手順に従って進めていくと、どうも「プラスEX会員」に登録して手元のクレジットカードにサービスを追加する必要があるそうな。ここで気持ちが萎えます。(わざわざ新規にICカードを発行する必要があるのかよ…?) めげずにプラスEX会員の登録申請をしてICカードの到着を待ちます。で、二週間ほど(年末年始を挟んだので長かったのかも)で到着したので、ようやくスマートEXサービスに登録し始めたのですが、まあこの画面が使いにくい。一応スマホで登録できるUIになってるんですが、何度も再登録してIDやPWの再発行を繰り返してようやく登録完了しました。これは途中の離脱率が凄いことになっているのではと思います。



私の場合少々話がややこしいのは、手元のApple WatchでモバイルSuicaを利用して新幹線に乗りたいと思っていること。そんなんレアやろ、と思われるかも知れませんが、交通系ICカードをウェアラブルで利用する形は近い将来一般的になると思いますから先行事例として大事だと思います。で、iPhoneのSuicaアプリからエクスプレス予約を試みるのですが、モバイルSuicaとスマートEXの紐付けに一苦労。既に手元にあるスマートEXのIDとの関連性がよく分からず、ちゃんと利用できる形になっているのかどうか不安です。



二時間ほど格闘した後に多分これで登録出来たと思うのですが、まだ実際にチケットを購入して新幹線に乗るところまで試していませんのでなんとも言えません。新幹線というサービスが唯一無二で他に選択肢がないから皆我慢してこんな面倒な手続に付き合ってますが、代替手段があればそっぽを向かれていると思います。JRの幹部が自分でこのサービス試したのかと尋ねたい気持ちです。



同じこと、実は自分のサービスでもあり得るんですよね。自分のサービスを自分でちゃんと試してるか? そのUXは快適に設計されているか? スタッフ任せにせず、自分の目で確かめて評価しないといけないなと反省しています。裸の王様にはなりたくありませんから。

ビットコイン狂騒曲

世の中ビットコインで大騒ぎですねw 今さまざまな仮想通貨が1,000種類以上もあり、日々さらに増え続けているそうです。リップルコインは一年で480倍になったとか、明らかにバブルですよね。



1年で480倍になったリップルコインをタンスの裏から見つけた話



(Ripple共同創業者の)クリス・ラーセンは今日一瞬1 Rippleが4ドル近くまで上がった時に、個人資産がラリー・エリソンを超してアメリカで4番目になった。
これに対して、



バフェット氏:仮想通貨、悪い結末を迎えるのは確実



バフェットはネガティブな反応。これを慧眼と見るか、古いと見るか。



私は個人的にはこんないかがわしいもので儲けようとかは全然思わないのですが、世の中にDecentralizedな決済システムが必要とされているというのは理解できます。中国やアフリカ諸国でデジタルマネーが普及したのも、社会ニーズにインフラが追いついていない現状があるから。そしてそのニーズは普遍的で避けられない流れだと言えます。だとすれば、今流通しているコインが全て消滅したとしても、何らかの通貨が最終的には普及するのでしょうね。



ウチはおちゃのこネットというECサービスにおいても、CARZYの新ビジネスにおいても、決済とは無縁でいられませんから、少し実際に使ってみようと思っています。百聞は一見に如かず、ですものね。

Yahoo!ショッピングと楽天モデルの成算

遂に見えてきたYahoo!ショッピングの「勝ち筋」



有料メルマガの記事ですからどなたにもオススメというわけではありませんが、興味深い分析です。EC事業者さんは必読。



Yahoo!ショッピングが2013年に手数料無料化に踏み切って5年、大切な収益源を手放して広告料に依存するビジネスモデルが成功するのか疑問視されていましたが、結果的にYahoo!ショッピングの賭けは吉と出たようです。
アメリカ: 10%弱

日本: 7% 〜 8.5%程度

中国: 3%程度
Yahoo!ショッピングはアリババ・タオバオ型のモデルと言えるのですが、
これまで2%以下で低迷し続けていたMonetizationが過去1年間で増加を続け、この四半期は4.12%まで上がっています。
とあります。確かに楽天型の高収益モデルのような収益率ではないのですが、取扱高とMonetization Rateの両指標が改善に持ち込めてしまいましたのでここから先は費用を投入しただけ利益が作れる回収モードに入ったと言えますね。



楽天は楽天の、そしてYahoo!ショッピングは彼らなりの独自の戦略で勝負をし、きっちり成果を出してきています。



楽天、クレジットカード取扱高トップに



ここは素直に拍手です。EC業界ではAmazonの強さが恐怖心を煽りますが、我々も我々の戦略を見つけて勝ち残れる道を探らねばなりません。その意味では楽天とYahoo!ショッピングの成果は心強い先行事例とも言えるのです。勇気を持って前に進まねば。チェレンジあるのみです。