SEOについて

最近はSEO(サーチエンジン最適化)という用語自体が死語という話も有りますが、続けて耳にする機会がありましたので一言。勿論おちゃのこネットという沢山の方にお使い頂くプラットフォームをご提供する立場として"正しい"技術を採用し続けることは必要です。随時行われるGoogleのアルゴリズム変更に対応して、求められる仕様にブラッシュアップし続けることは大変ではありますが、大事な事でもあります。我々がその努力を求めれるのは当然です。



しかし、ユーザーさんはどうなのか。ときおり、過度にSEOを気になさるお客さまがいらっしゃいます。こちらでSEOについてお書きしたのはもう10年以上も前の事ですが、今でも概ね考えは変わっていません。タイトル、キーワード、ディスクリプション、程度の設定は必要ですが、あとは普通に”良いコンテンツ”を作ることに専念頂ければそれでいいと思います。”良いコンテンツ”を正しく評価するのが検索エンジンの目的なのですから、最初からそこをゴールにしていれば細かいアルゴリズムの変更に右往左往する必要はないはずですから。実際に最近おちゃのこネットの売上上位のお店を回っていて、皆さま「おちゃのこネットに特にSEOの弱さを感じたことはない」と仰って下さいました。そこは自信を持っていいのだと感じました。



そもそも、厄介なコンピューターの知識や設定は専門業者に任せて、自分達はやるべき本業に専念する。それがASP(クラウドサービス)を使う理由です。ショップオーナーさまにはご自身の商売そのものにだけ向き合って頂きたい、我々は裏方として面倒な作業を極力サポートする。そういう良い関係でありたいと思っています。「商売人さんの気持ちが分かるシステム屋」、というのを強みにしていきたいですね。

技術と営業のバランス

マイクロソフトは上場時の目論見書も神がかっていた!?(前編)



このメルマガ有料(無料コンテンツもあり)なんですが、面白いので購読しています。このマイクロソフト上場時の分析も興味深いものがあります。感心したのはマイクロソフトという会社が営業努力で大きくなった会社であることです。
それはR&Dと比較して営業マーケティングの費用が約3倍も大きいという点です。マイクロソフトはオペレーティングシステムという非常にハイテクな製品を作っている会社にもかかわらず、製品開発にかけるお金の3倍ものコストを営業マーケティングに費やしているというのが上場時点での実態です。当時はまだインターネットも普及していなかったので、WordやExcelといったアプリケーションを販売する場合には家電量販店などの小売に頼るしかありませんでした。また上で述べたようにOSをOEM販売するにあたっては当然パソコンメーカーへのマーケティングフィーなどが発生している可能性が十分考えられます。このようにマイクロソフトは当時から相当な技術の会社であるだけではなく、営業マーケティングに長けていた、あるいは営業マーケティングの重要性を十分理解し実践していた会社だと言えるのではないでしょうか。
なるほどな、と。なんとなくマイクロソフトは技術志向の会社でMS-DOS/Windows/MS-Officeなどの製品が優れていたから大きくなったというイメージがありますが、開発費用の3倍も営業マーケティングにかけているというのは驚きました。と同時に、なるほどここが足りないからウチは成長しないんだなという反省にもなりました。良いモノを作っていれば売れる、という考えがまだあるんですよね。でも頑張って作った製品が知られなければ売れることはない。IT企業が調達した資金をTVCMに投入するのはこういう理由があるから。遅ればせながらですが、ちゃんとマーケティングにお金を投入しようと思いました。



今、Wantedlyで新規の求人案件を出そうと思って原稿を書いているんですが、まだ正式にリリースしていない下書きの段階でがんがんメールが送られてきて、ついには電話が掛かってきました。鬱陶しいんですが、やるな、とも感じました。こういうベタな努力が必要なんですね。ITってスマートな世界に見えますが、成果を出している会社はどこも泥臭いことをしています。楽天のことも馬鹿にしてたけどやっぱり彼らの営業努力は凄い。素直に勉強させて頂いて、会社を再び成長軌道に乗せたいと考えています。

中国で電子決済が普及した理由

中国在住3年の雑感



最近中国での電子決済の普及が凄いとよく耳にします。私自身は数年前に上海に行ったことがあるだけで中国の近況について自分の目で見たわけではありませんからよく分かりません。それでもこのエントリーの内容には深く頷くところがあります。
「現金信奉してる日本人は未開人過ぎ」みたいな言説も多いが、中国で普及した理由は、まず何よりも店側の手数料がめちゃ低いからどの店でも使えるようになったこと。それに加えてalipayとwechatが1番ガチで戦争してる時に死ぬほど割引バラまいたてた。モバイルペイメント使うと10%引きとか普通だった。またalipayはアカウントにチャージしてる残高に対して銀行金利の数倍の金利を付けてたから、使わないけどとりあえずアカウント作ったっていう中高年も多かった。もちろんこんなのでペイするわけないのだが、アリババとテンセントが先行投資として根性入れて血流しまくって頑張ったからみんな使ってるだけ。日本だって普及期にここまで根性入れて金燃やしまくるプラットフォーマーがいたら普及すると思う。
確かに昔Yahoo!BBが駅前でモデムを配りまくったから日本は世界有数のブロードバンド大国になったわけで、結局のところ誰か特定の経営者の圧倒的な熱意が世の中にインパクトをもたらすということは多々あるのです。その意味では今の日本にそこまでの熱意が足りないだけなんじゃないかなと思いますね。



今の日本は不況だというコンセンサスに洗脳されて、競争が不足していると思います。ぬるま湯なんですよ。80〜90年代のあの世界を圧倒するジャパンパワーの時代を知る者としては、今の日本はあまりにぬるい。逆に言えば、アグレッシブな経営者にとっては成果を出しやすい環境とも言える。まだまだ国も個人も老け込むのは早い。ちゃんと勝負している人も沢山いますよ。



「深圳すごい、日本負けた」の嘘──中国の日本人経営者が語る
中国古代の呪術で「蠱毒」というものがあるそうだ。ヘビやムカデ、カエルなど毒を持つ動物を1つの壺に入れ、生き残ったものから最強の毒が得られるというものだ。深圳はいわば製造業の蠱毒を行うことでレベルアップしてきたのではないか。「日本よりも深圳のほうが生き延びやすい」「誰でも活躍できる街」などという、甘ったれた幻想は捨ててもらいたい。
我々はもう一度この中国の競争する姿勢に学ぶべきなのだと思います。羨む前に、勝負しましょうよ。(自戒を込めて)