生活保護の不正受給問題

騒いでますね、生活保護の不正受給問題。

正直ワイドショーネタに興味もないし、本人の所得と親や親族の生活は世帯を分けている以上ひとまとめにして考えるべきでもないとは思うけど、釈然としない多くの人も気持ちもよく理解出来る。

真面目に通勤電車に乗って働いて、多くもない給料から税金納めて慎ましく生活してるのに、片方でその自分が納めた税金をただで貰ってのほほんとしている人がいたら、そりゃいい気はしない。

本当に生活に困っている人のセーフティネットを用意する事に何ら問題はないけれど、大事なのは本当に保護すべき対象なのかどうか、という事。

ズルしてないの、と思う気持ちは皆持ってる。

で、ズルしてるっぽい事例があからさまになれば、そりゃ怒るよね。



一時、ネット上で社会のセーフティネットとして、ベーシックインカムなんて考え方がもてはやされたこともありました。

今風の仕組みでうまく機能するかも知れないけれど、それでもやっぱり根っこの部分でおかしいんじゃないの、と思う人が普通だろう。

働かざる者食うべからず、じゃなかったの、って。

そりゃ人それぞれ、持って生まれた才能も能力も違うけど、それなりに真面目に働いて暮らしていれば、ちゃんと報われる世の中であって欲しい。

多くの人の感覚はそんなベーシックなもんなんじゃないのかな。



体が動く普通の人なら、生活保護とか受給してるなら、軽度の社会奉仕活動くらい義務付けたら良いんじゃないのかな。

表の道を掃除するとかさ。

それで体動かして活動強制されるくらいなら自分で働くよ、という人が出てくれば、それはそれで成功な訳で。

筋の通った社会であって欲しいよね、子供達の代までも。

デフレ脱却の方策

“戦国武将”たちへの権限委譲、デフレ脱却はこれしかない



大前研一さん、好きなんですよね。マイナス評価も多い方なのは存じてます。ちょっと自信過剰で、上から目線なところが生理的に拒否される理由でしょうか。でも、ご本人もそこは良く自覚してらっしゃるんですよ。東京都知事選挙に出馬して負けた後に出版された「敗戦記」を読んだ時は、ああ、経験が人をここまで変えるんだな!、と感動したものです。そんな大前さんもそろそろいいお年なんですが、今でもその見識の高さは絶品だと思っています。高い視点、広い視野、深い洞察力から繰り出される分析と提言は一級品です。難があるとすれば、実行段階のハードルが高すぎる事ですかね。それが簡単に出来るなら誰も苦労しませんよ大前先生、みたいな。大きなテーマを整理したい時には、じっくり読んでみると考えが整理されますよ。



そんな大前さんがデフレに苦しむ日本が取るべき方策を取り上げています。現状分析も的確ですよね。
つまり、資金需要も消費意欲もない高齢者が経済を主導するようになり、50歳前後の700万人もの人々がバブル崩壊後の景気刺激策でステップローンなどに騙されて住宅購入をしてしまった。この人々はいま住宅価格の下落で実質債務超過となっており、その後の昇進も昇級も思うに任せないで苦労している。経済を牽引すべき世代がヘタッているのが日本の一大特徴である。



 その子供達が草食系やフリーターになるのも、時代・世代・年代の因果関係を見れば理解できないことではない。
もう一つ。皮肉なことに、日本の普通の企業は、融資を必要としていないところがほとんどになっている。国内成長に期待しなくなった企業の多くは、自己資金か減価償却で投資をまかなうことができる体質を作ってきたからだ。



 これは銀行が企業を裏切る姿を1990年代にイヤと言うほど見てきたからでもあるが、同時に「金利が低くても借金したくない」と考える慎重な経営者が結局生き残っている、という適者生存の結果でもある。



 逆に、融資を欲しがっている企業は、経営がおかしくて資金繰りに困っているところが目立つ。



 言い換えると、海外に投資機会があり、日本国内には成長産業が見当たらないということでもある。しかも最近は円高なので、日本で追加投資してもそれに見合った利益が得られない。ますます普通の企業は融資を必要とせず、日本国内にお金が回らなくなっているというわけだ。
その通りです。消費を牽引すべき人口のボリュームゾーン、団塊の世代が60歳を超える年に差し掛かり、現役を引退しようとしています。本来活発に消費活動を行うはずの30・40代がやせ細ってしまっているんですね。これに晩婚化と少子化が輪を掛けて消費市場を小さくしてしまっています。企業も、全体的に守りのマインドが強いですよね。バブル期のイケイケでずっこけた姿を散々見ていますから、投資にも借金にも非常に慎重です。日本全体が総じて三すくみ状態にあると言えるでしょう。



では、どうしたら良いのか。大前さんも魔法の答えを持ち合わせているわけではありません。
日本の国家戦略がことごとく失敗し、今日に至っても前述のようなお粗末なアイデアしかないということは、中央政府が主導するのを止めて、アイデアと意欲のある地方に思い切って権限を委譲すべきで、そういう方法がそろそろ国家戦略の中心に置かれなくてはいけない。



 つまり、橋下徹大阪市長の提案するような「都」に成長戦略を委ねることである。どうせ中央でアイデアをこねくり回しても政権はそう長くは持たない。せめて2期8年くらいの大統領(首長)にバトンをタッチする、という決断が必要だ。橋下プランだけではなく、名乗り出る“戦国武将”にはみなやらせてみる。そういう一国二制度への切り替えが求められているのだ。
つまり道州制の導入による地方分権ですね。国として大きな施策を採用するのが難しいので、ユニットを小さく分けて地方でアイデアを試そう、という事です。確かに、そういう方向しか突破口が無い気がします。国の形を大きく変えるグランドデザイン力が求められていますね。民主党政権では、実現無理かな?

政治のレベル

日本の政治レベルの低さにはあきれますよね。

こんなんで先行き大丈夫か、と心ある人は皆心配されていると思います。



でも、諸外国に目を向けてみましょう。

いわゆるG8と呼ばれる先進各国、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・ロシア・カナダ、そして日本。

どこも結構ボロボロじゃないですか?

アメリカは期待されたオバマがぱっとしなくて再選危ういし、失業率も貧富の格差も解消出来る見通しが立っていません。

アメリカ経済は一部に元気なセクターもありますけど、グローバル経済への対応に苦しんで雇用を確保に汲々としているところは日本と何も変わりません。

ヨーロッパは必死で空中分解を阻止している状態。

しかも各国の足並みはバラバラです。

フランスは左寄りの政権交代を選択しましたし、イタリアは財政破綻の危機に直面して緊急管理内閣が事態の収拾を図っている有様。

イギリスは対岸から様子を眺めていて、ドイツが孤立無援の戦いを強いられています。



日本の未来が決して楽観出来ないのはその通りですが、冷静に眺めてみると、それほど悪い状況でも無いことに気付きます。

まだまだ強い産業は残っているし、問題を抱えている企業は必死にリストラに取り組んでいます。

事実、上場企業の収益は2013年3月期は増益基調の見通しです。



ちょっと話は飛びますが、週末に小学校の土曜参観をしてきました。

学級崩壊なんてのは相当特殊なケースで、概ね普通の学校はちゃんと運営されています。

先生のレベルも、私が子供の頃よりよほど高いと思えますし、一時のゆとり教育カリキュラムも見直され、かなりのボリュームの教材をベースに子供達は一生懸命勉強しています。

国の競争力の源は教育、そこの品質は保たれていると思いますね。



要するに、右向け右、で皆が一斉に同じ目標を追い掛けていたあの頃が、日本の発展期だったんですよ。

途上国から先進国にキャッチアップして、成熟社会になった。

そして、成熟社会というのは、総じてまだら模様で、良い事悪い事が併存しているし、問題はどこの国も企業も抱えている。

そう考えると、あまり悲観的に考える事もないんじゃないでしょうか。

最後は、個人個人の努力ですよ。

頑張ればちゃんと報われるし、社会のベースはちゃんと厚く整備されている。

誰かをアテにするんじゃなくて自分の裁量で強く生きていく覚悟さえ持てれば、日本は相変わらず良い国なんだと思います。

政治システムも、誰も現状を良いとは思っていないので、遠からず改善されていくでしょう。

楽観的過ぎるかも知れませんが、意味なく暗くなって落ち込んでいるより良いでしょう?

人間、生きて行くには希望が必要なのです。

与える人、もらう人

「稼ぐことの価値」を示せていない私たち



地味に良い記事だと思います。

私が労組とか左翼とかニートとかが嫌いなのは、全部同じ理由です。

つまり自分で困難に立ち向かって成果を生み出すよりも、権利を主張して分け前に預かろうというムシの良い姿勢が見えるからです。

そりゃ、社会が未成熟で、資本家に大衆が搾取されていたり、帝国主義と植民地があった時代ならいざ知らず、もう充分個人の権利は守られているじゃないですか。

きっちり価値を作りだして、儲けてお金持ちになる人が、もっと尊敬されてしかるべきだと思います。

今時、悪い事してあぶく銭掴んでも長続きしませんよ。

成功する人は、それだけ喜ばれることを世の中に提供しているからこそ、見返りがあるのだと思います。

大きく儲けたいなら、大きく与えないと。

まず与えて、後から成果がついてくる。



フォーブス日本の富豪40人(2012年)



↑大体そうなってますよね。

殆ど創業者。

一部、親の資産を受け継いでいる人もいますけど。



アメリカ型の何でも資本主義も味がないと思うけど、日本の悪平等主義の風潮も気持ち悪い。

中間が目指すベクトルだと思います。

電機業界の明暗

電機メーカー各社の決算発表が続いています。

SONY・Panasonic・シャープといった弱電専業メーカーが軒並み大赤字で、日立・三菱電機・東芝などの総合電機メーカーは概ね堅調です。

日立なんかは二期連続で過去最高益達成ですもんね。

う〜ん、ちょっと前は逆だったんですが…。

当時は事業の集中と選択が出来ていない総合電機メーカーが負け組で、弱電専業メーカーが勝ち組評価だったんですよね。

ビジネススクールの教科書にもそう書いてありました。

分からないものです。



傍目に見ていても、テレビを始めとするエレクトロニクス製品の値段の下がり方は気の毒になります。

パソコンの価格性能比の向上は、CPU・メモリーといった半導体という歩留まりに大きく影響される製品特性があったからこそ。

テレビの液晶/プラズマパネルや、各種制御コントローラー、HDDなんかは半導体ほどの生産効率の変動がないと思うので、ここまで急激に値段が下がっては利益を出すのは至難の業だろうと思いますね。

何かがおかしいのでは…?

ネット上の評判なので信憑性は分かりませんが、原因が韓国メーカーの国を挙げてのダンピングにあるのだとしたら、世界中の電機メーカーが多大な被害を被っていることになります。

消費者の側からするとそりゃ安いに越したことはありませんが、50インチのテレビが10万円しないって異常じゃないですか?

消耗戦に巻き込まれているメーカーの人が可哀想です。



そう考えると、クルマの値段って変わりませんよね。

モデルチェンジで値段が下がった記憶ってあまりありません。

はてさて、どっちの業界が正しいのか…。

原発再稼働の是非

大変難しい問題なので触れるのは避けようかとも思いましたが、大事な事なので考えをまとめておくことにします。どうもこの件は、感情論と理屈が相容れない不毛な水掛け論に陥っている気がしますね…。



まず、私は原発の再稼働に賛成です。理由を幾つか。まず第一に、原発は既に目の前にある現実です。この発電力を前提に社会活動が行われている以上、いきなり止めては影響が大きすぎます。確かに怖い感情を抱くことは自然ですが、何十年も概ね問題無く稼働して来たわけですから、一定の管理技術はあると認めて良いと思います。まずは当面の電力需要を満たすことが最優先ではありませんか。関西電力の原発依存度は48%です。(出典) これだけの供給力をいきなりゼロにして、節電努力だけで乗り切れると楽観視できる理由が分かりません。まずは社会の基盤を守るために現実的な対応が必要だと思います。



当面の電力需要をなんとか賄うことが出来たとして、その次に考えるべきは原子力とどう付き合っていくか、です。ちゃんと管理すればそれなりに安全に扱える技術なのか、それとも21世紀の我々には手に負えない厄介な代物なのか。これは正直分かりません…。原子力に関する専門的な技術知識のある専門家にしかその判断は下せないでしょう。ただ、気持ちとしては何とか扱っていきたい、扱えるようにならないものか、と思っています。文明の初期段階で火を使いこなせたからこそ人類は猿とは違う存在になり得たのだし、新しい技術を前にして尻込みしていたのでは進歩がないと思うからです。自然科学の発展は一本調子には行きません。失敗と改善、試行錯誤を繰り返して成果を積み上げていくものだと思います。失敗した時のリスク管理を出来るのか、というのは不安要因ではありますが、津波による電源喪失なんてのはあまりにも悪条件が重なったレアケースです。世界中に稼働している原発が何百基もあるわけですから、通常の条件下であれば安全稼働させるだけの実績は充分あると思うのです。放射線という目に見えないものに対する恐怖心が必要以上にパニックを呼んでいます。確率論では自転車やクルマよりも飛行機の方がずっと安全なように、ロジカルに落ち着いて考えるべきです。感情的に拒否反応していてはダメだと思います。まあ私の意見も科学的な知見に立脚してる訳ではありませんから、ただの希望的観測なんですが…。付け加えるなら、無くなるのが分かっている化石燃料に依存していては未来がありませんし、自然エネルギーによる代替発電が効率面で当面使い物にはなりそうもないので、原子力発電くらいしか選択肢がないのでは、とは思っちゃいます。



繰り返しますが、電力はインフラ中のインフラ、社会の基盤です。これなくして現代社会は成り立たないのですから、まずは電力供給を回復させましょう。政府が現実的な選択を取る事を期待します。