お店に求められるソーシャルリテラシー

ソーシャル時代のリクルート的なるもの、または情報産業の憂鬱(雑感)

FBでホットペッパーがスポット情報を登録しまくっている件



大変ボリュームが多くて恐縮なのですが、今飲食業界の最前線でどういう事が起きているのか興味がある方は是非ご一読をお勧めします。飲食に限らず全てのお店の永遠の課題は集客にあります。その為にリアル店舗は人通りの多い一等地に高い家賃を払って出店し、お店の認知を上げるために高い広告費を捻出するわけです。その従来型の手法は今でも有効ではありますが、ITリテラシーの高いお店は更に先を行っているという話ですね。



今我々が一日に受け取る情報の量は昔に比べてどれほど増えているでしょうか。何百通にもなるメール、絶えず更新されるニュースサイト、TwitterやFacebook・mixiなどのソーシャルコミュニケーションの波。これだけの情報シャワーを浴び続けていれば、そりゃ従来メディア(TV・新聞・雑誌)との接触を下げもしますわ。正直溺れそうです。



ある意味、先方からプッシュで配信されてくる情報を取捨選択しているウチは話が簡単でした。イヤならTVの電源をOffにすれば良いし、DMは捨てればいい。でも自分から情報をプルで取りに行く行動様式が定着すると、どこでストップを掛ければ良いのか分からない。際限がない。お店の側も同じです。「イマドキFacebookにページくらい作っておかないと! Twitterで情報発信もしなきゃ! あ、クーポンも忘れずに!」 疲れますよね…。



何だか策に溺れている気がします。正直、クーポンで来店するお客さんがリピーターに定着するとは思えません。自分が大事な人とひとときを過ごす時、クーポン出しているからって店を選びません。私が大事にしているお店はそんな事しなくてもいつもお客さん一杯です。お店の価値の本質は、商品(味)とサービスです。マーケティングとか広報とかはそれを引き立てる手段であって、価値そのものにはなりえません。大人数で運営している大組織でない限り、店主やお店のチーフメンバーがあまりに煩雑な情報発信に手を取られていると、肝心の本質が疎かになりませんか?



知識やノウハウはあるに越したことはないけれど、何でも行き過ぎは毒にしかなりません。忙しくて心を亡くしていると感じたら、少し手を止めて本質に立ち帰ってみましょうよ。ストレスは体壊しますよ。