Googleショッピング検索のプロモーションテキストの取り扱い

おちゃのこネットは先日よりGoogleショッピングサーチ向けにフィード送出機能を追加したのですが、今Google Product Search Teamとやり取りしているのがプロモーションテキストの取り扱いについてです。

こちらの説明にあるようにかなり細かくGoogleのポリシーが列挙されており、合致しないフィードはエラーとして審査に落とされてしまいます。

おちゃのこネットのフィードで問題になっているのは、



 ・中古品のステータスが含まれていない

 ・商品画像に汎用画像が使われている

 ・在庫切れの商品が含まれている

 ・プロモーションテキストが含まれている



の大きく四点です。

中古品のステータスについては、現在システムの改造を行ってステータスを追加出来る機能を準備中です。

汎用画像の使用はショップオーナーさんが気を付けて使用を回避して頂くしかないのと、在庫切れ商品の問題は審査期間中に売り切れる商材があるのは致し方ない事なので、我々としては対処が難しい問題です。

で、残るのが冒頭のプロモーションテキストの件。

これはなかなか難儀でして、Googleチームからのフィードバックによれば、

商品説明にプロモーション テキストが含まれています



商品アイテムの商品名や説明に含まれている、宣伝やひな形のテキストをすべて削除してください。商品アイテムに関するテキストは、その商品だけを説明するものであることが必要です。送料無料、お支払い情報、プロモーション、在庫情報、ショップのポリシーなどの詳細情報は、宣伝テキストと見なされるため、指定しないでください。


と言う事なので、かなり該当するケースが見受けられます。

だって、年末の「在庫処分」とか、「只今大キャンペーン中!」とか商品説明に入れますよね、普通。

こういうのが軒並みプロモーションテキストと判断されて削除を求められるのですから、オーナーさんの対応は大変です。

数千点も商品があるお店なんかはどうしろというのでしょう。



現在何とかオーナーさんの労力を最小限にとどめる方策を検討中で、一応方向性は出ましたのでシステムの改善に取り掛かっています。

そのGoogleとのやり取りが如何にストレス発生するか…。

こちらのフィードを人質に取るような発言もありましたしね。

「Don't be evil.」がポリシーだったんじゃないですか、Googleさん?

実装は年明けになると思いますので、もうしばらくお待ち下さいませ。

UI変更について

かなり以前からBloglinesというRSSリーダーを使っていたのですが、最近色々曰く付きなんです。

まず、残念ながらサービス休止のお知らせ、という案内が来まして、まあしょうがないかと他社サービスへの移行を準備していたのですが、その後どこかの会社に救済される事が決まったのでサービス継続だとか。

やれやれひと安心と思っていたら、今日出社していつもの通り開こうと思ったら登録データ移行のメッセージが表示。

ん?と思いながら指示に従ったら、データ移行エラー。

おいおい、Google Readerは何の問題も無くエクスポート/インポート出来たよ!?

で、ゴリゴリデータ移してみた結果、従前とは全然違うユーザーインターフェースになっちゃってます。

おーい、無駄にAjaxとか使わなくて良いんだよー

却って見難くなってるよー



あきらめてGoogle Readerに乗り換えました…。

Bloglines気に入ってたのに…。



シンプルさが特長のサービスは、UI変更要注意なんですよね。

良さが消えちゃうリスクがありますから。

勿論自戒を込めて。

TVという主戦場

腐っても鯛、落ちぶれてもテレビ。

まだまだ世間の可処分時間に占めるテレビ視聴時間シェアは高いものがあります。

日本でも多チャンネル化の波が広まっており、恐らくかなりの家庭がCATVか光TVに接続されているはず。

そこではBlu-Ray/HD/DVDレコーダーもしくはセットトップボックスが併用されているはずで、昔とはテレビの視聴スタイルが大きく変わっています。

一言で言えば、「テレビのネット化」

つまり、だらだらと受け身でただチャンネルを切り替えてみていたスタイルが、積極的に予約録画を多用して見たい時に見たいものを見る能動的なスタイルに移行しつつあります。

今年はそこに更に大きな技術革新の波が襲っています。

Apple TVとGoogle TV。



Apple TVは以前から使っているので大体分かっているのですが、Google TVは未知数。

で、ちょっと調べてみました。



Google TVなんていらないよ(いまのうちは)

やっぱりGoogle TVなんていらないよ(いまのうちは)



う〜ん、なるほど。

ちょっと論旨が分かり難いですが、要するにまだ操作性がこなれていない、という事なのですね。

で、そこで紹介されていた「SPIDER zero

大量の映像ソースをみる装置としては、ソニーが2004年に7チャンネル同時録画可能な「VAIO type X」、2005年に8チャンネル同時録画の「Xビデオステーション」を発売している。後者は、最大3週間分まで遡って視聴できる。そして2008年には、PTPが「SPIDER zero」を発売した。





「SPIDER zero」

 この中でも、SPIDERは8チャンネル1週間を“まる録”するものだが、既存のどんなレコーダーやテレビのリモコンよりも、シンプルなリモコンで操作できる。



 番組は、番組名、出演者名、CMのメーカー、製品名など、その週に録画されていた番組に出てくるキーワードで、メニューから選ぶようになっている。その場で自分の好きなキーワードを入力して検索することはできず、あらかじめネットから設定しておくことしかできない。操作が、とてもパッシブ(受け手的)なところで止まっている。



 ところが、SPIDERの真骨頂はここからである。キーワードで引っかかったリストから「見たいもの」を選ぶと、そのキーワードが出てきた番組内の、該当するシーンから再生が始まる。これは、ちょうどグーグルの検索結果リストのスニペット表示のような感じで、そこだけちょいちょいと眺める感じになる。番組のその部分だけを見て終わることもあるし、「これなら番組を最初からちゃんと見よう」となることもある。肝心のシーンだけちょいちょい見ていけるので、えらく効率がよい。



 ユーザーたちによるオススメもあり、これも同じように「この番組が面白いよ」ではなく、「この場面の、このセリフが面白いよ」という感じで、ピンポイントで見ることができる。だって、「あなたの目的地はこの地図の中にあります」では困りますよね。きちんと地図上のポイントで示してくれて、はじめて情報というのと同じですよね。


おー、これ凄いじゃないですか!

知らんかったけど。

で、今はもう売ってないのね…。

確かに、こういうユーザー体験を新しく創り出してしまうデバイスは魅力的です。

AppleかGoogleに取り入れて欲しいなあ。



ちょっと悲しいのが、こういう時にどうも日本メーカーには期待出来そうもない感がある事。

ハードウェアの性能を追求するのは今でも世界トップクラスだと思うんですが、どうもソフトウェアの作り込みがレベル低いんですよね。

なんでだろ。

想像するに、大手メーカーの社内でソフトウェア技術者の扱いが著しく低いんじゃないですか?

下手したら外注とか。

今や製品の使用感を決定するのは圧倒的にソフトウェア的要素が左右するのに。

このままじゃ日本メーカーはいつまでも黒子にしかなれないよ。

まあ世界一の黒子ポジションをキープするという戦略もあるとは思いますけど。

もしGoogleが無かったら…

と考えてみました。

検索エンジンも、Google Mapも、Gmailも、Analyticsも、YouTubeも、Android携帯も無いんですよね。

(他社から買収したモノもありますが)

競合他社が代替サービスを提供しているにしろ、Webの世界の風景は大きく違っていたでしょう。

それでいながら消費者は(基本的には)1円もお金をGoogleに払っていない。

こんな会社が存在している事自体が奇跡なのかも知れませんね。

そりゃ日本でこんな会社を想定してベンチャー育成したって無理な話ですよ…。

Sharp GALAPAGOS / SONY Reader、本日発売

今日は両社から電子書籍端末のリリースです。

これでApple iPad、Amazon Kindleと併せて大手どころが出揃った感があります。

少し調べて、↓こちらの比較が良くまとまってます。



SONY ReaderはiPadやGALAPAGOSなどの電子書籍端末より優れている [電子書籍]



本当にSONY Readerが優れているかどうかはさておき、私が着目するのは端末のサイズです。

どうもサイズは大きい方が10インチ、小さいモノが6インチ前後に収束する模様です。

ではどちらを選べばよいのか。

それは多分あなたが読みたいコンテンツによるのでしょうね。

つまり書籍が中心なら6インチ、雑誌が中心なら10インチに分かれると思います。

文字中心の書籍なら小さい画面で充分ですが、6インチディスプレイで雑誌はツライ。

拡大/縮小を繰り返して読む気もしませんしね。

当然10インチは持ち歩きがシンドイので、自宅/職場での利用がメインになるでしょう。

常時バッグに入っているのは6インチかな。

という事は、両方買って使い分けするのが数年後は当たり前なのかな?



はっきりしてきたのは、デバイス依存・プラットフォーム依存を極力排除して、可能な限りあちこちにばらまかないと電子書籍ビジネスは成立しない、という事です。

これは作る方の手間が大変ですな。

という事は、ここにビジネスチャンスあり、なんでしょうね。

ワンストップで編集・フォーマット変換・配信仲介をしてくれる存在。



ん、、、それって取り次ぎだったりして…?

今、一番イケてるサービス?「Quora」

Facebook元CTOがスタートしたQuoraがQ&Aサービスに革命を起こす

情報収集はGoogleでもTwitterでもなくてQuoraの時代



はてぶで見つけたんですが、さすがアメリカ、twitterでもfacebookでもgrouponでもなく、もうその先に行ってるんですね〜。

1998年、私達の「知りたい」という欲求に答えることを目的として、Googleの検索エンジンは誕生しました。そして検索エンジンの存在によって人間のライフスタイルは確かに豊かになりました。しかし、現状の「検索」という行為は私達のニーズに本当に「的確」に答えているのか・・・?



 そんな問いを抱いたのはFacebook共同創業者、そして同社元CTOのAdam D'Angelo氏でした。同氏は2008年にFacebook社を抜け、Quoraという新しい形のQ&Aサービスを2009年にスタートしました。このスタートアップは「ただの」Q&Aサービスではありません。



 従来のYahoo AnswersのようなQ&Aサイトは質問されたトピックにある程度詳しい人間が答えてくれましたが、そこでは良い答えもあれば、的外れな答え、そして時にはユーザー間で中傷が起きることも多々ありました。



 Quoraのセールスポイントは、非常にシンプルなインターフェース、Q&Aを通したソーシャル性、そして何より実名でハイクオリティーな回答提供にあります。


現状の検索エンジンが提供する答えに満足している人が少ないのはご指摘の通り。

Googleの検索結果に人・モノ・ニュースの三つの要素が混在して、結果的にゴミ溜めに近い状態になっている事を考えると、人が探している答えを提供するという事は機械に簡単に出来る事ではないんじゃないかとさえ思えてきます。

人力検索系のサービスの存在意義はそこですよね。



多分、求めている答えは人によって違うんですよ。

それを一律に全ての人に同じ答えを返しているところに根本的な間違いがある。

同じキーワードを入れても、その人のバックグラウンドや行動特性に応じて解釈を変えた答えが返される。

そういう次世代検索エンジンが求められていると思います。



Googleさん、あなたのポジションはあまり安泰では無いかも知れませんよ。

ネット配信の趨勢は?

電子書籍元年と言われる今年は、iTunesの日本向け映画配信開始も相まって大きな節目の年になりました。

電子書籍がどの程度の普及を見せるかはデバイスの普及率に大きく左右されますから、当面はあくまで紙媒体の補完にとどまるでしょうね。

ただ、私が考えているのは既存の紙メディアの置き換えではなく、電子書籍だから出来るメディアの立ち上げです。

これは紙かデジタルかの違いではなく、ビジネスモデルの違いです。

つまり、広告依存か購読料中心かの違いです。

何が違ってくるかというと、広告主への配慮。

これが日本中のメディアを腐らせている諸悪の根源なのです。

出来るだけコストを切り詰め、純粋な購読料で収益の柱を作る事で、書き手が書きたい事を書き、読者が支持をするという理想のメディアのあり方に近付くわけです。



電子書籍の先例として映像配信の世界はどうなっているでしょうか。

あまり日本では知られていませんが、実は世界の映像配信の一番の先達はNetflixという企業です。



【西田宗千佳のRandomTracking】アメリカで人気の「Netflix」とは何か? -AV Watch



Netflixは現在アメリカ及びカナダ居住者向けにしかアカウント取得を許していないため日本からはサービスを利用出来ませんが、1999年から始めたDVDの宅配ビジネスと近年のネット配信事業の組み合わせによる両国市場への浸透度はかなりのもので、全ての配信事業者が参考にしている企業と言えます。

私が不思議なのは、NetflixにしろApple TVにしろ、多くの映像ソースを押さえているのはアメリカ企業で、アメリカ向けには映像配信が実現しているのに、どうして日本向けにコンテンツを揃えるのに苦労するのかという点です。

外からは伺えない業界内部の大人の事情というヤツがあるんでしょうね…。



しかし、今年はiTunes/Apple TVによってその堤防に穴が空きました。

これからコンテンツの種類は増える一方、対応する端末は多様化する一方なので、急速に生活に浸透して行く事でしょう。

見たい時に見たいものを見る。

そんな単純な事がようやく実現出来る環境が整ってきたという事です。

その時、いつまでも後ろ向きな対応しかして来なかった日本の老害企業(メディア/コンテンツホルダー)がどんな運命を辿るのか、答えは今から明らかですね。