技術オタクになり過ぎないこと

中谷先生、お言葉ですが日本のモノづくりはそれほど安泰でもないように思いますが?



はてブに上がっていた記事ですが、色々考えるところが多かったのでご紹介を。



一つは、日本のモノ作りの現場が劣化している事への警告。

現場のノウハウが海外流出している事への危惧と、グランドデザイン不在がもたらすトータルスタイル提案力の貧困さと、レイア−の上も下もダメというかなり深刻な状況。



まそれは今更の話として、本当に考えさせられたのは奥山さんの下記の指摘。

我々工業デザイナーは一般的には製品の色や形を決める職種の人だと理解されている。

しかし実際にはそれは我々の仕事のごく一部分でしかない。

我々デザイナーは素材の特性を理解しその調理法を決定する料理人のようなもので、技術は素材に過ぎない。

技術は重要ではない。

なぜなら、高級料理店でシェフに「このブリはすごく新鮮なのだ」といって何も調理していない魚をそのまま食卓に置かれたってお客は困るだけでしょう?

それと同じで技術は単なる素材でしかない。

料理人が素材の自慢をしていたって仕方がないわけで、それをどう調理するかが重要なのだ。


技術ありきで発想すると、「ウチのシステム、こんな最新技術を使ってるんだぜ」という自己満足のオンパレードに陥りがちで、ユーザー視点が抜け落ちてしまいます。

確かにiPodは大した技術を使っていないかも知れませんが、そこを否定してしまってはウォークマンの成功だって価値を見失ってしまうことになります。

結局、製品やサービスの最終品質を決定する人間の人間力がモノを言うのかも知れません。

Appleはそこをスティーブ・ジョブズがやってますものね。

(今のSONYの経営陣は最終製品評価やってるのでしょうか?)



ウチは技術に偏らずに、その技術で何がもたらされるか、に神経を使う集団で居たいと思っています。