今年一年の振り返りとスタッフへの手紙
投稿者 岡野 幹生 日時
さて、今年の業務も明日で終わり。
一年を振り返ってみたいと思います。
昨年の年度末は最悪の状況でした。
サーバーが期待したレスポンスを発揮してくれず、顧客からは毎日ブーイングの嵐。
聞くに堪えない言葉を浴びせられ、「この値段でここまで言われるか」と正直思いましたが、人は例え500円でもお金を出した以上対価を要求するものだ、という当たり前で貴重な勉強をしました。
サーバーの構成変更で何とか要求性能を発揮できる様になって、心底ほっとしましたね。
毎日攻撃していた人たちはどこかへ消えてしまいましたが。
次の課題は開発人員の確保。
昨年末は、人材斡旋会社に数百万円投じて二人のエンジニアを確保しましたが、あえなく退職。
これが一番つらかったですね。
ウチはエンジニアにとって魅力のない職場なのかと、かなり自問自答しました。
最後に支えてくれたのは、それ以前から在籍していたスタッフ達でした。
家庭の事情で時間と体を割かれていたチーフ、転職して日が浅く経験が少ない中で頑張ってくれた女性エンジニア。
入社が決まっていた新卒3名をどう迎えようか、先が見えない状況にとまどっていたと思います。
もう一つの大きな頭痛の種が、新卒3人組。
技術スキルが低いのは覚悟していましたが、予想以上に取り組み姿勢が甘く、これで本当に一人前に育ってくれるのか、はなはだ心許なかったです。
3月に、飛び込みで女性のエンジニアが中途入社。
これは全く想定していなかっただけに嬉しい出来事でした。
久し振りの明るいニュースでした。
4月。
事前にイメージしていたスキルレベルにはるかに至らない状態で新人が入社。
どこから研修を始めるか、皆で悩みました。
座学中心にスタートした研修でしたが、私自身の経験から途中で実務でOJTする方針に変更。
結果的にはこれが正解で、約半年のその後の開発業務トレーニングのお陰で、何とか形になるレベルまでこぎ着けることが出来ました。
春先。
密かに期待していた学生君に、就職は他社に行くとフラれる。
実はこれも結構ショック。
まあ、半分は覚悟していましたが。
7/7の七夕の日。
初めてのおちゃのこネットセミナーを神戸で開催。
沢山のお客様に参加いただいて、嬉しいイベントになりました。
8月。
待望の単月度黒字。
借金と仲間の出資金を食い潰してきた赤字基調路線から、ようやく水面下に浮上。
この瞬間の喜びは、足掛け3年間チャレンジしてきた成果を世間から認めてもらえた思いがして格別でした。
9月。
新規プロジェクトの着手。
おちゃのこネットを補完する周辺サービスの開発に取り掛かりました。
Web2.0てんこ盛りの楽しいプロジェクトです。
ようやく順調な流れになったとお思いになります?
いえいえ、私は最近もう一つ大きな課題を感じていました。
それは、社内の説明しがたい閉塞感。
実はこの状態をウチのアルバイト君がつい先日ズバッと指摘してくれたのです。
「社内がぬるいですよ」
う〜ん…。
返す言葉が無かったですね。
気が短い私があまりプレッシャーを掛けては皆が潰れちゃうと、これでも押さえてきたのです。
そうか、ぬるく見えてるか。
私も感じてはいたのですが、ぬるくなる条件が揃っていたのですね。
自社開発サービスで外部からのプレッシャーは無い。
採算ラインにも乗ったので、表向き資金面の不安も解消。
必然的に納期という意識が欠落。
結果的に仕事に対する真剣味が低下。
これって受託開発してた頃からしたら、あり得ない状態では?
そう思って、創業スタッフと早速ミーティング。
三人でしばし沈黙…。
確かに皆マズイとは感じていたのです。
でも、それをどうやって解消する?
結果的に、もっと外の世界とコミュニケートするプランを選択することにしました。
詳細は追々と。
で、会社に戻って、問題のアルバイト君の日記を開発メンバー全員に読ませる。
「皆、こんなこと書かれてどう思う?」
ここで、一人だけ悔しくて泣いたスタッフが居ました。
私は、そのスタッフの行動が正しいと思います。
だって、他人に文句を言われる筋合いが無いと思えるほど打ち込んで仕事していた証拠ですからね。
でも、他のスタッフはどうなんだ?
私がリクルートに新人として入社したとき、有名な先輩社員に言われました。
「新人が”自分なりに頑張ってます”とか言うな!」と。
その自分のレベルが低くて一人前に到達していないのが問題なんだ、と。
「新人は全力疾走がマイペースや!」とも叱咤されました。
「プロは結果で判断される世界や!」とも。
私が新人時代に一番勉強したこと、それは如何に自分に社会人としての能力が無いか、という事でした。
必死にやっているつもりなのに、先輩の1/10も成果が出せない。
たった二・三年の経験の差しかないはずなのに、このアウトプットの違いは何なんだ!
自分は思っていたほど能力がある人間なんかじゃ無かった、そう気付かせてもらったのが一番の財産だったと思えます。
だから本気で勉強しなきゃ、と納得出来たんですよね。
多分、新人を含め、納得のいっていないスタッフも居るでしょう。
これ、言葉じゃ伝わらないんだよ。
実体験しないと。
だから、環境を変えます。
狭い社内だけに閉じこもらず、外の世界を経験しよう。
そしてお金を稼ぐことのしんどさを実感しよう。
我々はプロなのだと言うことを自覚しよう。
意味が分からなかったら、何十回でも説明します。
最後においしい酒を一緒に飲みたい。
和気あいあいと馴れ合いは全く意味が違うのだから、一人前の技術基盤の上に立って初めてお互いの敬意が芽生えることを分かって欲しい。
強くて優しいプロの集団。
それが私が作りたい会社のイメージです。
だって、こんなにも沢山のお客様が期待してくれているのだから!
一年を振り返ってみたいと思います。
昨年の年度末は最悪の状況でした。
サーバーが期待したレスポンスを発揮してくれず、顧客からは毎日ブーイングの嵐。
聞くに堪えない言葉を浴びせられ、「この値段でここまで言われるか」と正直思いましたが、人は例え500円でもお金を出した以上対価を要求するものだ、という当たり前で貴重な勉強をしました。
サーバーの構成変更で何とか要求性能を発揮できる様になって、心底ほっとしましたね。
毎日攻撃していた人たちはどこかへ消えてしまいましたが。
次の課題は開発人員の確保。
昨年末は、人材斡旋会社に数百万円投じて二人のエンジニアを確保しましたが、あえなく退職。
これが一番つらかったですね。
ウチはエンジニアにとって魅力のない職場なのかと、かなり自問自答しました。
最後に支えてくれたのは、それ以前から在籍していたスタッフ達でした。
家庭の事情で時間と体を割かれていたチーフ、転職して日が浅く経験が少ない中で頑張ってくれた女性エンジニア。
入社が決まっていた新卒3名をどう迎えようか、先が見えない状況にとまどっていたと思います。
もう一つの大きな頭痛の種が、新卒3人組。
技術スキルが低いのは覚悟していましたが、予想以上に取り組み姿勢が甘く、これで本当に一人前に育ってくれるのか、はなはだ心許なかったです。
3月に、飛び込みで女性のエンジニアが中途入社。
これは全く想定していなかっただけに嬉しい出来事でした。
久し振りの明るいニュースでした。
4月。
事前にイメージしていたスキルレベルにはるかに至らない状態で新人が入社。
どこから研修を始めるか、皆で悩みました。
座学中心にスタートした研修でしたが、私自身の経験から途中で実務でOJTする方針に変更。
結果的にはこれが正解で、約半年のその後の開発業務トレーニングのお陰で、何とか形になるレベルまでこぎ着けることが出来ました。
春先。
密かに期待していた学生君に、就職は他社に行くとフラれる。
実はこれも結構ショック。
まあ、半分は覚悟していましたが。
7/7の七夕の日。
初めてのおちゃのこネットセミナーを神戸で開催。
沢山のお客様に参加いただいて、嬉しいイベントになりました。
8月。
待望の単月度黒字。
借金と仲間の出資金を食い潰してきた赤字基調路線から、ようやく水面下に浮上。
この瞬間の喜びは、足掛け3年間チャレンジしてきた成果を世間から認めてもらえた思いがして格別でした。
9月。
新規プロジェクトの着手。
おちゃのこネットを補完する周辺サービスの開発に取り掛かりました。
Web2.0てんこ盛りの楽しいプロジェクトです。
ようやく順調な流れになったとお思いになります?
いえいえ、私は最近もう一つ大きな課題を感じていました。
それは、社内の説明しがたい閉塞感。
実はこの状態をウチのアルバイト君がつい先日ズバッと指摘してくれたのです。
「社内がぬるいですよ」
う〜ん…。
返す言葉が無かったですね。
気が短い私があまりプレッシャーを掛けては皆が潰れちゃうと、これでも押さえてきたのです。
そうか、ぬるく見えてるか。
私も感じてはいたのですが、ぬるくなる条件が揃っていたのですね。
自社開発サービスで外部からのプレッシャーは無い。
採算ラインにも乗ったので、表向き資金面の不安も解消。
必然的に納期という意識が欠落。
結果的に仕事に対する真剣味が低下。
これって受託開発してた頃からしたら、あり得ない状態では?
そう思って、創業スタッフと早速ミーティング。
三人でしばし沈黙…。
確かに皆マズイとは感じていたのです。
でも、それをどうやって解消する?
結果的に、もっと外の世界とコミュニケートするプランを選択することにしました。
詳細は追々と。
で、会社に戻って、問題のアルバイト君の日記を開発メンバー全員に読ませる。
「皆、こんなこと書かれてどう思う?」
ここで、一人だけ悔しくて泣いたスタッフが居ました。
私は、そのスタッフの行動が正しいと思います。
だって、他人に文句を言われる筋合いが無いと思えるほど打ち込んで仕事していた証拠ですからね。
でも、他のスタッフはどうなんだ?
私がリクルートに新人として入社したとき、有名な先輩社員に言われました。
「新人が”自分なりに頑張ってます”とか言うな!」と。
その自分のレベルが低くて一人前に到達していないのが問題なんだ、と。
「新人は全力疾走がマイペースや!」とも叱咤されました。
「プロは結果で判断される世界や!」とも。
私が新人時代に一番勉強したこと、それは如何に自分に社会人としての能力が無いか、という事でした。
必死にやっているつもりなのに、先輩の1/10も成果が出せない。
たった二・三年の経験の差しかないはずなのに、このアウトプットの違いは何なんだ!
自分は思っていたほど能力がある人間なんかじゃ無かった、そう気付かせてもらったのが一番の財産だったと思えます。
だから本気で勉強しなきゃ、と納得出来たんですよね。
多分、新人を含め、納得のいっていないスタッフも居るでしょう。
これ、言葉じゃ伝わらないんだよ。
実体験しないと。
だから、環境を変えます。
狭い社内だけに閉じこもらず、外の世界を経験しよう。
そしてお金を稼ぐことのしんどさを実感しよう。
我々はプロなのだと言うことを自覚しよう。
意味が分からなかったら、何十回でも説明します。
最後においしい酒を一緒に飲みたい。
和気あいあいと馴れ合いは全く意味が違うのだから、一人前の技術基盤の上に立って初めてお互いの敬意が芽生えることを分かって欲しい。
強くて優しいプロの集団。
それが私が作りたい会社のイメージです。
だって、こんなにも沢山のお客様が期待してくれているのだから!