「一度目のチャンスは見送る」 大山十五世名人

今週、一つ残念な決断をしました。



お目に掛かって非常に良い方だと感じたのですが、その後のレスポンスがあまりに悪かったので業を煮やして取引をお断りしたのです。

こういう時の考え方には二つの選択肢があります。



良くあるのは、「チャンスの女神に後ろ髪はない」という考え方。

一見正しいのですが、少し性急で、浅い気がします。



私が尊敬する将棋の故・大山十五世名人は、「一度目のチャンスは見送る」と喝破して驚かせました。

私も最初は意味が分かりませんでしたが、年を重ねるにつれ、少しずつ名人の人生観に共感を覚えるようになりました。

確かに、チャンスを見送るのは怖いことです。

もう一度チャンスが巡ってくるのか、不安です。

巡ってこないかも知れません。

やった後悔より、やらなかった後悔の方が罪が深いとも言います。



それでも、人生はそれほど底が浅いものでも無いのですね。

機会というものは、たった一度しか訪れないものではなく、繰り返し繰り返し何度も訪れているのです。

それに気付かないだけだと思います。

でも、人は幾つになっても変われるのです。

気付いたときに行動を変えれば、決して手遅れではありません。

そして、その人の器量に応じて、最終的には自然と物事は収束するものなのです。

決して早熟なことが幸せへの近道ではないと思うわけです。



同様に、失敗にも必ず挽回する機会は訪れます。

うつむかずに、自分を磨いて精進しましょう。

よりよい結果に到達するための、神様の思し召しなのかも知れませんよ。