「裏帳簿のススメ」岡本史郎(アスコム)



前作の「 会社にお金が残らない本当の理由」がさっぱり面白くなかったのですが、同時に二冊買ってしまったので読みました。

これは面白かった。

(前作は出版社or担当編集が悪いのかな?)



減価償却費のカラクリは飲食店などの設備投資額が大きい業態の経営者は是非知っておくべきだろう。

しかし、法定耐用年数に従わずに全額償却しても法人申告書別表4で加算すればOKというのは驚きだ。

本当に通用するのだろうか…。



中小零細企業に於いては、役員報酬が合法的な裏金であり、社長がキッチリコントロールすべし、という根本論は共感できる。

貰った役員報酬全額を自分の所得と考えてはいけないという点も。

それを正面から見据えて、きっちり数値管理しようというのが本書の主張である。

税務署の論理で作られている決算書に現実的な加工をして、本当に現実の役立つ経営指標とする技術が述べられている。

役員報酬と従業員給与の労働分配率や、一人あたり経常利益の目安などの役に立つ具体的な指標も語られている。

移動年計の考え方も新しい。

心に残った部分を列記してみる。



●共感・勉強になった一言(文中より抜粋)

 ・創造は単純作業の連続からしか生まれない。

 ・儲かっている経営者は細かい。

 ・成長する企業が経理やコールセンターをアウトソースしないのは理由がある。

 ・稼いでくれたビジネスほど積極的に捨てる作業が必要になる。



個人的には、「数字のコントロールを放棄して、数字なんて見なくてもお金が残るようにガンガン稼ぐ」ことにする。(^^)

売上10億円以下の企業を経営する全ての経営者に一読をお勧めする。



<ビジネスサポート あうん>