ヤマト運輸と佐川急便



今朝の日経にローソンがヤマト運輸との契約を解除して郵パックに切り替える記事が出ていました。

ヤマト運輸は民業圧迫だと反発しているようですが、ここは我が身を振り替えるべきだと思います。



世間的にヤマト運輸と佐川急便を比較した時のイメージは、ヤマトは官に立ち向かって新しいサービスを立ち上げた先進者。

佐川急便は贈賄事件もあってダークなイメージで体力頼みの企業、というのが正直なところでしょう。



実態は逆です。



実は佐川急便はヤマトをはるかに上回るシステム投資をしているIT先進企業です。

ネット時代にいち早く対応した「eコレクトサービス」は代金決済にクレジットカードを利用する形態を他社に先駆けて実現し、しかも手数料はヤマトの5.25%に比べて4%と安価です。

ドライバーが契約から回収まで一括で窓口として対応できるため、導入の手続きも比較的スムーズに運びます。

送料の割引き交渉も比較的柔軟ですしね。



試しに同様のサービスをヤマトにあたってみました。

まず手数料の料率が1%以上高い段階でネットショップとしてはNG。

しかも導入のためにヤマト運輸本体とは別にヤマトコレクトサービス(株)とヤマトシステム開発(株)の両社とやり取りが必要で、荷物の受け取り時にクレジットカードを取り扱うことはできません。

送料そのものも定価を崩しません。

事前決済をすることで宅配時に本人が不在でもお届けはできるというメリットもあるのですが…。



ローソンとの一件の本質は、「郵パックのサービスとヤマトを比較したがサービス内容に遜色は無かった。」と言われてしまう事にあると思います。

サービスの内容が他の追随を許さないレベルならヤマトを選ばざるを得ないでしょう。

そして高度なIT投資で効率経営を実現できれば、送料や決済手数料でも安値を提示できるはずなのです。



ヤマトがプライドだけ高止まりしていて本業強化がおろそかになっていると感じる次第です。

小倉さんの亡霊から脱却する時ですね。