日本はスマホ後進国?

comScoreレポート:モバイル環境でかつて先行した日本、スマートフォンの普及率は最低レベル



ちょっとショックなレポートでした…。

まあ、日本の従来の携帯電話が海外で言うところのスマホと同等に近い能力を持ってましたからね。

そこで普通にブラウザアクセスやメールが出来てて特に困っていない人が多いので、無理にスマホに移行する必要性を感じてないんですよね。

通話品質に不安を抱えている人も多いですし、使いこなせるかも分かりませんしね。

docomoの製品ラインナップを見る限り、従来のフィーチャーホン系列である「docomo STYLE series」はまだまだなくならないようです。

フィーチャーホンがなくなるのは、メーカーが開発投資負担に耐えられなくなった時、という事になりますか。

既に携帯電話メーカーの統合はかなり進んでますので、その日は案外近いのかも。

iTunes Match

アップル iTunes Match は国内でも今年後半に開始へ



おー、ついに日本にiTunes Matchがやってきます!

これは著作権処理について日米で習慣や法体制が異なるので、日本市場導入は難しいと思われていたサービスです。

どうやらJASRACとも条件面で同意が見られそうなので、本当に実現しそうです。

何が嬉しいかと言うと、手元の音楽コンテンツがDRMフリーで使えること。

ユーザーはちゃんとお金を払ったコンテンツをDRMで面倒な管理される事にウンザリしていますから、利用の自由度が上がることは非常に喜ばしい事だと思います。



これで音楽系のコンテンツ流通については理想形が見えてきましたから、後は映像と書籍を何とかしなきゃ。

放送局のコピーワンスとかダビングテンとか、書籍のDRMとか、酷すぎです…。

頑張れ、国産メーカー!

Twitter上であまりに評判が良いので、シャープから新発売の「104SH」を見てみました。



シャープ製Android4.0搭載「104SH」の操作動画がスゴイ

写真と動画で解説する「AQUOS PHONE 104SH」



うーん、これは期待出来そうですね!

今までハイスペックのAndroidスマホと言えば、サムスンのGALAXYシリーズやHTCやらの海外勢が優勢だっただけに、久し振りに日本メーカーの製品で高評価のモデルが出てきたのは嬉しい事です。

最近どこの携帯メーカーも事業統合とか後ろ向きのニュースばかりで元気なかったんですよね。

本気で良い製品作れば出来るところを見せて欲しい。

で、せっかくの製品を世界で売ろう! 頑張れ、国産メーカー!

EC分野におけるパーソナライズ

Eコマースを巡る次の革命的発展は利用者次第?!



昨今のスマートフォンの発展振りを見るとIT業界は凄い勢いで技術革新が行われている印象ですが、実は置いてきぼりになっている重要な分野というのが沢山あります。

私的には、検索がその筆頭なのですが、この記事で扱われているEC分野のパーソナライズも注目すべきジャンルの一つです。

そう、Amazonで買い物した時に出る”この商品を買った人はこんな商品も買っています”というヤツですね。

Amazonのこの機能は本当に優秀で、初めて見た時はなんてスマートなUIなんだろうと感心しましたし、実際に買い物の役に立っています。

でも、この機能を実装しているのは大手モールを除くとほんの一部に止まっています。

理由は、上記の文中にもある通りデータの集積度とその解析システムの複雑さです。

単一のショップではリコメンドするに充分なデータ量がありませんし、あっても参考に値するだけの精度で解析して商品を選び出すシステムを構築するのに大変なコストが必要です。

中小のECサイトでは現実問題として実現は難しいですね。



これがFacebookやTwitterといったSNSプラットフォームを介在させるとどうなるか。

これが非常に興味深いところです。

膨大なトラフィックを解析するデータ基盤が手に入りますので、使い方によっては非常に面白い見せ方が出来るでしょうね。

問題はプライバシーへの配慮で、これが難題。

消費者の心理的な抵抗感は強いですから無条件にパーソナルな行動データを渡す気にはなれないでしょうが、匿名性を担保出来れば後追いで拡がっていくんでしょうね。

特にモバイルデバイスはパーソナルデータの宝庫。

個人の識別も、アドレス帳などの交流情報も、GPS等のロケーション情報も、個人へのフィードバック手段も何でもアリですから、いずれこれらの情報が集積されて解析され、広告や販売に使われていくでしょう。

気持ち悪さもありますけど、高度に洗練された見せ方をされれば、自然に受け入れられるのだと思います。

だって、あなたはAmazonに個人情報を盗まれているなんて考えてませんよね?

オープンか、クローズか?

アップルとFacebookの繁栄、そして「オープン」が廃れた理由



考えさせられる記事ですね。

確かに、今のIT業界を見ていると、Windows/AndroidよりAppleのMac/iOS、GoogleよりFacebookが支持を得ているように見えます。

事実、自分もAppleとFacebookにどっぷり浸かっています。

何故なのか、と考えてみると、垂直統合でユーザー体験が洗練されている事と、やはりノイズが少なくて情報が整理されているから、というのが大きな理由だと思います。

ここに異論はあまりないでしょう。



では、ECの世界ではどうなのでしょうか?

傾向としては似たところがあるのでしょうね。

Amazonの伸長、楽天の伸び。

こちらも指示されている理由は上記のApple/Facebookと同様かも知れません。

では、このトレンドがずっと支持されるのか?

正直分かりません。

ただ、これは例えるなら、プールと海とどちらが良いのか、に近い問い掛けなのだと思います。

プールの方が安全で綺麗でサービスが行き届いていて、場合によっては飲み物まで持ってきてくれちゃう。

子供を遊ばせていても安心だし、大人も快適である事は間違いない。

でも、ダイビングは出来ないし、天然のサンゴもイルカも鯨もいない。

誰もいない真っ白な砂浜を求める人、サーフィンしたい人、パワーボートに乗りたい人の要望を叶えることは出来ない。

なので、やはり両方が必要なのでしょうね。



我々は海の領域に生息するポジションですが、ノイズを少なくする事、便利さの追求、そして自由度を担保されている事、が求められるポイントでしょうか。

何が大事なのか見失わないように注意しながら進んで行きたいと思います。

世界が一つの色に染まるのは息が詰まりますからね。

TVの将来

会社のスタッフとこんな会話がありました。



スタッフA「私ね、自宅の地デジを録画したDVDを、クルマで見ようと思ったんですよ。そうしたら、再生出来ないんです〜。聞いたらVRモードがどうたららしくて、凄く面倒らしいんですよ〜」

スタッフB「あー、それ聞いたことある。普通のDVDと録画方式が違うから、再生出来ないんだよね」

私「えっ、そうなの? そもそもCPRM対応メディアじゃないと録画出来ないって時点で、地ジデのディスクへの録画はあきらめてたんだよね〜」

スタッフA「新しいプレイヤー買わないとダメらしいので、私もあきらめです…」



意味分かります?

そもそも問題の発端は、地ジデ放送のコンテンツにコピーワンス(1回しか録画できない)という著作権保護機能が付いていることです。

昔のアナログ放送は自宅で視聴しているコンテンツは録画し放題でしたが、放送局がデジタル放送ではそう出来ない様にガードしちゃったんですね。

録画する為には何が必要か?

まずは、CPRMに対応したメディアが必要です。

普通のDVD-Rでは対応していないことが多いので、ここでまず引っ掛かりますね。

で、録画方式がVRモードという従来のビデオモードとは異なる方式になっています。

こいつも曲者で、VRモードに対応した再生プレイヤーと再生ソフトが必要になります。

普通のクルマに付いているDVDプレイヤーでは再生出来ない事が殆どですね。



こうやって、自分達の権利を守る事だけ考えてユーザーの使い勝手を何も考えていない放送業界ですが、アメリカではどうなっているでしょう?



見たい番組だけを見たい時間に–テレビチューナーと録画機能をクラウド上に置くサービスAereo



アメリカでも同様にテレビ業界とネット業界の綱引きは続いています。

今のところ、マス放送コンテンツを完全なオンデマンド方式で視聴する術は実現されていませんが、何とか法律とテレビ業界の規制のすき間を縫おうと↑こんなサービスが来月からスタートするらしいです。

面白いのは、このAereoという新サービスの音頭を取っているBarry Dillerが、実はテレビ業界出身であること。

さすがアメリカ、守旧派出身の大物イノベーターって人がちゃんといるんですね〜

ここが日本との違いで、テレビ業界を変革するだけのパワーを若者が持ち得ず、いつまでも年寄りの牙城を崩せません。

ま、アメリカだって苦労してるんですから、日本でなかなか進まないのは当たり前かも。

このAereo、小手先の屁理屈みたいな仕組みなんですけど、テレビ業界がどう反撃してくるか見ものですね。

頑張れ〜!

Gumroad

Pinterestの19歳のデザイナーが起業して110万ドルを調達―Gumroadはリンクから支払いができる画期的サービス



話題のPinterestから、早くも19歳の若者がフェードアウトして新サービスを立ち上げたというので、見てみました。



個人コンテンツ販売の新時代を開くか 「Gumroad」で同人誌を売ってみる



↑サービスの概要は上記が分かり易いですね。

非常にシンプルな、デジタルコンテンツのダウンロード販売システムです。



なるほど、
ストア・モデルはもう時代遅れだ。誰もが自分のフォロワー、ページのファンにTwitterやFacebookで直接呼びかけることができる。しかし今まではファンに対してコンテンツを直接販売するチャンネルが整備されていなかった
ですか。

あえてコンテンツを検索出来るようなポータル機能を持たせなかったんですね!

確かに、現状でデジタルコンテンツのダウンロード販売システムを普通に作ろうとすると、アダルトまみれになります。

もしくは怪しい情報商材とか、著作権侵害コンテンツの嵐。

行き着く先はMegauploadの閉鎖みたいな結末ですので、この手のサービスに乗り出すなら事前の制度設計が重要です。

その意味では、最初からストア機能を放棄して、個人のソーシャルネットワークに委ねてしまったというのは、一つの賢明な切り口なのかもしれません。

課題はありますが、要注目ですね。

支払いサービスがAppleやGoogleにさえ難しい理由

支払いサービスがAppleやGoogleにさえ難しい理由



ショッピングカートをご提供していると、必ず決済に関する話が出てきます。

古くからあるクレジットカード決済代行各社さんのサービスと、新興の決済専門サービスの対比とか。

一番分かり易いのはPayPalです。

日本の会社には100年経っても実現出来そうにない画期的なスキームなんですけど、その後がなかなか出てきませんよね。

個人的には「Checkout by Amazon」や「Google Checkout」、更に「Apple ID」なんかが有望だと思うのですが、「Checkout by Amazon」はUS、「Google Checkout」はUS/UKに未だにマーチャントを制限しており、「Apple ID」は他社への決済機能を提供していません。

どうしてこのあたりが広まらないのかという疑問に対する答えが、上記のサイトを読むと見えてきます。

両社共に中刻部分に関していくつかの困難に直面している。互いに相手の弱点を強みとしていることは興味深い。Googleはカスタマーサービスに弱く、Appleはテクノロジーに起因するリスク管理に弱い。



カスタマーサービスは支払いサービスで非常に重要だ。そこにはお金のやりとりがあり、アカウントの制限、詐欺行為や損害への対応などによって事態は複雑化し、買い手、売り手双方からの質問の原因となる。Googleは、人間の対応が絡むことでは必ず失敗するところを見せてきており、Google Checkoutユーザーからのフィードバックもこれを裏付けている。つまり、今後の成長のカギはGoogleがいかにうまく顧客に対応し、カスタマーサポートのスケーリングを行っていくかにかかっている。これは、過去Googleが得意としてこなかったことの一つだ。



二番目のポイントがテクノロジーだ。私はよく、支払いにおけるリスク評価はテクノロジー主導であり、(業務遂行、ユーザー体験と共に)サービスの主要部分であると言っている。支払いサービスに参入しようとする企業には、詐欺行為をリアルタイムで発見し、資金移動を追跡してマネーロンダリングを防ぎ、侵入されたアカウントを検出して停止するなど、することがたくさんある。Appleはユーザー体験とカスタマーサービスに関してはすばらしいが、中核となるソフトウェア技術、特に支払い部分に関しては欠けているようだ(昨年のiTunes詐欺事件でアカウント侵入や偽支払いが起きたのが良い例)。PayPalで、Max Levchinをはじめとする多数の優秀な人が、詐欺行為を防ぎリスクを管理するために夜を徹して働かなくてはならなかったのには理由がある。これはきつい仕事だ ― しかも10年間にわたってリスク対応を最適化してきたPayPalの上を行かなくてはならない(そのPayPalも多くの問題に直面している)。大企業の中でこの機能を作り上げることは容易ではなく、Appleにそれが可能であるかどうか私にはわからない。
確かに。

PayPalを利用していて一番悩ましいのがアカウントのロック問題ですが、国境を越えて行われる悪意のある詐欺行為や、怠惰なマーチャントの不誠実な販売対応の尻ぬぐいをしていると考えるとPayPalを責める気にはなれません。



個人的にははやく旧式で時代錯誤なクレジットカード番号のオンライン入力という習慣が無くなって欲しいのですが、広く普及したアカウントを持っている有望な企業、Amazon・Google・Appleのうち本格的に支払/決済サービスに取り組む用意が出来ているのはAmazonくらいなんですね。

まさか楽天の決済が世界に拡がるとも思えないし、この業界は10年後も大して様子が変わっていないのかも知れませんね。

マーク・ザッカーバーグの手紙

マーク・ザッカーバーグの投資家向け公開状―「私たちは金もうけのためにサービスを作っているのではなく、よいサービスを作るために収益を上げている」



先週末のIT業界はFacebookのIPOの話題で持ちきりでした。

CEOであるマーク・ザッカーバーグの手紙、良い事言いますね。

実際は鼻持ちならない生意気野郎らしいですが(笑)、こと事業に関する理念は尊敬に値します。

Yahoo!からの買収提案を蹴ったいきさつなんかも共感を呼びますね。



この手紙を読んで、私の頭には全く異なるある企業のことが思い浮かびました。

そう、Ferrariです。

多くの自動車メーカーが自分達のブランドイメージを高めて市販車の売り上げアップを目指したのに対して、Ferrariはあくまで主目的はレースであり市販車をそれを支える収益源にすぎません。

自動車界の至高のブランドに上り詰めたFerarriと、IT業界の新星Facebookにどこか共通項があるのか私には分かりませんが、今後Facebookがどう育っていくか興味津々ですね。