自動車メーカー、業績絶好調

何だ、自動車メーカーは全部業績絶好調じゃないですか!

みんなとっくに新興国で稼ぐ体制作っちゃってるから、国内市場の落ち込みなんて織り込み済みなんですよね。

どんどん工場は海外移転してリストラし、本社は利益を吸い上げてきっちり儲ける。

業況と景気がリンクしない時代になってしまいました。

ま、製造業はその方向で頑張って頂いて、我々サービス業は一層の効率化と海外にサービスを輸出する事、更に海外から観光客を呼び込むことをもっと進めないといけませんね。

21世紀型の産業構造に対応を迫られているという訳ですか。

濡れぞうきんを絞る事を考えると、逆に改善の余地は大いにあるのだと前向きに捉える事にしましょう。

オープンカーは「ミッドライフクライシス」カー?

クルマ電子雑誌の「Bagnole」の最新2011年2月号の特集は『クルマでオンナにモテるか』だそうです。

いやあ、大事なテーマですね。(笑)

記事を読んでみると、「昔からクルマでモテるなんて発想は妄想だった」と看破してあります。

まあそうですよねw

それでも、当時の若者はドライブに女の子を誘うのが代表的なデートストーリーでしたし、事実私を含めた周囲の殆どがそうしていました。

女の子との連絡手段は自宅の固定電話しかありませんでしたし、宅飲みなんて引き籠もりの発想は無かったし、乗っているクルマにセンスと経済力と育ちが現れると皆が思っていた時代でした。

ただ、それは右肩上がりの経済成長と、男女の社会的役割が固定化されていた古い時代のなせる技だったのかも知れない、ともあります。



う〜ん、確かに、、、

この先の懐事情が良くなっていくという見通しが無ければ高額なローンを組む気になりませんし、女性は助手席に座るものという発想が無くなって、本当に必要なら自分で買っちゃいますものね。

で、それは実は日本特有の現象でもなく、ヨーロッパでも同じだと記事にありました。

青木陽子さん曰く、イギリスでスポーツカーや高級車を買うのは次の三つの層だと。

1.クルマは成功のステータス

ーーとくに90年代半ば以降の英国バブルで成功した金融成金とサッカー選手に多い。例:アストンマーチンDB9、妻と子どもはレンジローバーVOGUE



2.エンスーと走り屋

ーーBBC『Top Gear』とジェレミー・クラークソンのファン=色気ゼロ。例:ノーブル、ロータス・エクシージ



3.ミッドライフクライシス男

ーー本物のエンスーではないけれど、昔憧れたオープンスポーツに死ぬまでに一度は乗ってみたい。例:ポルシェ・ボクスター、TVR、大排気量バイク


うわー、TVR乗りはミッドライフクライシス男に分類されちゃいました〜(笑)



※ちなみに、ミッドライフクライシスについてはこちらをどうぞ。



自分が中年である事は認めたくありませんがw、まあクルマ好き連中を見ていると、小遣いを自由に使える独身者かそれなりに懐に余裕のある中年が殆どですからまあ当たってますか。



でもねぇ、、、

もっと沢山の人にクルマの本来の愉しさに気付いて欲しいです。

クルマというものが持つ価値には、実用性と趣味性の二つがあるのですが、日本でのクルマとの付き合い方があまりに実用性に軸が振れすぎですよ。

だから居住性と積載性にばかり目が行って、ミニバンだらけになっちゃう。

それだけじゃないんですよ。

事情が許される方は、是非オープンスポーツに乗ってみて下さい。

で、屋根を開けて走ってみて下さい。

拡がる青空と、風を切って走る爽快感。

あなたが知っていたクルマとは全然違う乗り物がそこにはあります。

こんな楽しみを金持ちのオジサンだけに独占させる必要はありません。

ストイックに考えずに、日本人だってもっと享楽的に生きて良いと思います。

だって、ここは世界に誇るマツダ・ロードスターを生み出した国なのですから。

メディアの裏側

二日ほど東京に出張して、自動車メディアさんの取材に同行させて貰っていました。

いやあ、普段活字になった後に読む記事が、こうやって作られているんだという生の現場が見れて非常に面白かったです。



初日は、メーカー/インポーターさんの新モデルの試乗会に同行。

各媒体の記者さんやモータージャーナリストさんが多数取材に訪れています。

しかし疑問なのは、こうやってお膳立てされた素材を限られた時間で取材するだけでは、誰が書いても代わり映えしない記事にしかならないのでは?という点。

多分実際にそうなんですよね。

だから面白くない。

メーカー/インポーターさんのご機嫌を損ねちゃうと次から呼んでくれないらしいですし。(笑)

そりゃあ本音の記事なんて書けないですわ。



二日目は違います。

某媒体さんの取材に同行させて頂きまして、地方のスーパーカースポットを廻りました。

目の前の素材を前に、対談が弾む弾む。

二時間半、濃い〜〜蘊蓄が弾けまくり!

大事なのは、その背後にある個人の歴史ですよ。

クルマに思い入れのある地方の趣味人が、お金と時間を掛けてスーパーカーを収集し、地域のコミュニティを形成しています。

お店だって、カラーがないと生き残れませんから、経営者のアイデンティティが自然と出ます。

恐らく昔やんちゃだったであろう社長さんの、思いと生き方の反映です。

当然共感するお客さんがそこに集いますよね。

その人の繋がりに価値がある!

クルマ好きの醍醐味は、クルマを通した人の交流にあるんですよね〜



面白い媒体のあり方が良く見えた二日間でした。

クルマ雑誌が売れない理由

元気のないクルマ業界で、一番元気がないのがクルマ雑誌です。

何故でしょうか?



私は理由は明快だと思っています。

それは、「顧客の事を考えていないから」



分かり易い例として、女性向けのファッション誌を考えてみて下さい。

ちょっと話が飛躍しますけど、石油資源の枯渇やエネルギー問題、環境やエコといったテーマと密接に関わっているのはクルマに限った話では無いのです。

だって石油から作り出される製品は、プラスティック・化学繊維・化粧品・食品関連などなど非常に多岐に渡っていますから。

ファッション製品だって石油に依存しているという意味ではクルマと同様のところがあるのです。

じゃあ、ファッション誌で「環境のためになるべく長く着回しましょう」とか「この服のCo2排出量は…」なんて言いますか?

ナンセンスですよね。

ファッション誌を買う読者は、その雑誌を読む事で夢を見たいわけです。

今より綺麗な自分、モテる自分、若返る自分、、、

その夢にお金を払うわけです。

作り手も痛いほど分かっているから、必死でおとぎ話を紡ぎ出します。

なるべく現実の世知辛い話題を避けて、生活感を排除します。



クルマ雑誌がやっている事は真逆なのでは?

クルマ雑誌を買う人はどういう人なのでしょうか。

クルマ好きですよね。

環境問題に意識の高い人ではありません。

エコや地球環境に興味があってそういう問題を深耕したい人は、新聞やビジネス誌・専門誌を読みますよ。

誰がわざわざ自分の身銭を切って楽しくもないご託を読まされなきゃならないのか。

そこに疑問を持たないクルマメディア関係者は感性がおかしくなっているとしか思えません。



商売の基本は、顧客の気持ちになって考える事だと思います。

で、顧客目線を忘れないままで、少し、半歩斜め上の提案をしてあげる。

そこに満足感が生まれるのだと思います。

クルママーケット、そんなに悲観するほど枯れてはいないと思いますよ。