iPad、登場

さあ、ようやく日本でもiPadが発売です。

皆さんは触ってご覧になりましたか?

これまでiPhoneを触ってみたことが無い方には新鮮な使い心地でしょうね。

逆に既にiPhoneを持っている人にとっては、それほど驚きは無いでしょう。

動作もキビキビしていますし、画面もキレイ。

ポテンシャルは感じさせますが、そこはやはりソフトウェアあってのハードウェア。

日本で本格的にアプリが開発されるのはこれからでしょうから、まだ評価を下すには早いと思います。

これからどれほどの電子書籍がリリースされるか。

日本のコンテンツ流通の仕組みがどれだけ改革されるか。

旧世界の守旧派が強いか、革新勢力が強いか。

試されているのは日本社会の持つ環境適応能力なのかも知れませんね。

その意味では、色々閉塞感のある各ジャンルで、大きな変化を巻き起こすトリガーになってくれれば良いなと願っています。

クリエイター諸氏、ウデの見せ所ですよ!

「自炊」とDRM

ビジネスマンのための書籍スキャン入門ー既に始まっている電子出版



「自炊」っていう言葉、ご存知でしたか?

自分で書籍をスキャンして電子データ化する行為を指すのですが、何となく言葉に込められている一抹の後ろめたさとか暗さが、昔の音楽データのMP3化を思い起こさせませんか?

音楽のデジタル配信サービスが登場した時、当初音楽業界はこぞって海賊版の氾濫を恐れて反対しました。

そして厳密な著作権管理の仕組みを求めてDRMを実装しました。

それが何をもたらしたか。

よりヒドイ海賊版の広がりです。



Appleのアプローチは違っていました。

「より簡単に支払が出来、充分に安価な価格設定をすれば、誰も人の権利を盗んでまで音楽をダウンロードしたりはしない」という哲学で、基本的にはDRMを掛けずに一曲100円程度の価格設定でiTunes/iPodを世に問うたのです。

その結果どうなったかは皆さんご存知の通り。



何だかその音楽業界の轍を出版業界がわざわざ踏もうとしているように見えます。

上記のように「自炊」してまでわざわざコンテンツの電子化をする人が相当数出てきている状況で、いつまでも頑なに電子出版に背を向けていては海賊版コンテンツが氾濫する様になるのは火を見るよりも明らか。

前向きな対策はただ一つ。

業界自身が積極的に電子コンテンツの出版・流通を進め、閲覧に複雑なDRMを必要とせず、手軽にお金を払える安価な流通マーケットを整備する事です。

それがAppleでもAmazonでも良いじゃないですか。

自分達の強みはコンテンツの発掘と育成・プロモーション・流通にあるはず。

旧時代の仕組みに合わせた無駄なコストを削減して筋肉質な組織を作り直し、強みにフォーカスして柔軟に新しい環境に適応する。

新しい時代が来たんですから、新しい時代の振る舞いを積極的に模索していくべきなんですよ。



思い切って、社内の若手にプロジェクトを任せてみて下さい。

今試されているのは、業界・会社の懐の深さですよ。

mixiのUI変更など

最近mixi関連のニュースはパッとしませんね。

収益状況はgreeやDeNAに大差を付けられ、本来のSNSとしての方向性も迷走しているように見受けられます。

画面のUIをちょこちょこといじっていますが、底流にある根本的な問題を解決しないと事態は打開できないでしょう。

マイミクやまさんの日記の受け売りですが、mixiの失策はボイス機能の実装だと思います。

元々アメリカが発祥のFriendster・MySpace・Facebookといった先行サービスに対して、日記という日本独自のコンテンツ生成機能を上手く組み込んで活況を呈しましたが、ボイスがあると日記を書かずに済ませるユーザーが増えてしまい、結果として交流が薄くなってしまいます。

mixiとしてはtwitterの爆発的な人気に脅威を覚えての対策なのでしょうが、裏目に出ていると思います。

mixiアプリは個人的には嫌いなんですが、まあオフタイムの暇つぶしコンテンツとしては正解なのでしょう。

但し自社開発主義を取ったgreeと外注という方針をとったmixiで収益構造が全く違うものになってしまい、今のところgree方式が成功している状況です。

これも裏目ですね。



さて、ではこれからmixiはどうするべきなのか?

やまさんは、アカウント認証を厳格化して複数アカウントを締め出し、書き手の信頼性を担保すべし、と書いていました。

私は、日記の完全オープン性を導入すべきと思っています。

つまり書き手が選択すれば、mixiのアカウントが無くても普通にWebコンテンツとして誰もが閲覧できる状態を選択出来ると言うことです。

で、Facebook方式で全てのコンテンツのハブを目指す。

情報の公開範囲は今まで通り、書き手の選択に委ねた方が良いでしょうね。

本来closedな繋がりを前提としてきたSNSとしては難しい選択かも知れませんが、FacebookがあれだけWebの情報集積プラットフォームとして価値を高めているのは、全てのコンテンツを”人”という軸を基本に整理するというコンセプトのお陰。

Web上に存在する全てのコンテンツを集める事はclosedな環境では不可能ですから、そろそろ大きな方針転換が必要なんじゃないでしょうか。



個人的にはgreeやDeNAみたいな子供向けのゲーム場みたいにはなって欲しくないので、頑張って欲しいと思っています。

今後のWebの方向性

現時点のWeb界隈のトレンドを概観すると、情報の整理の仕方について新しい変革が起こっていることが分かります。

従来は検索エンジンが情報整理の中心でした。

検索結果を一定のロジックで価値順に整理し、ソートするのが主な機能。

一応情報の種類毎に、通常のWebサイト・画像・動画・ニュース/BLOG、とコンテンツの属性分けまでは機能している様に見えます。

ただ、まだノイズが多すぎる。



で、今起こっていることは次の二つ。

一つは、Facebookを代表とする人を軸にしたソーシャルウェブという整理の仕方。

結局世の中の活動は全て人が生み出しているのですから、この整理の仕方は有効ですよね。



次はリアルタイムウェブ。

代表はやはりtwitterです。

従来のGoogle等の検索エンジンの検索結果は集積型のコンテンツでしたが、こちらはまさにたった今リアルに生み出されている情報を扱っています。



これに付け加えるトレンドがあるとしたら、



[jp] Piku割でサプライズを与えたいーついに日本でもGrouponレースが始まった!



↑こちらにあるような地域性という切り口でしょう。

今はまだパソコンを通じた情報配信がメインのようですが、セカイカメラの様に実際の街中でモバイルデバイスを通じて情報を提供するARの世界に繋がっていくのだと思います。



情報整理の基軸になるのは、人・モノ・ニュースの三つ。

それが地域に縦割りされて、リアルタイムに配信される、というのが近い将来の到達点でしょうか。

iPhone + Facebook = ?

ソーシャルウェブを永久に変える iPhoneとFacebookの連携 - 渡部薫



↑これtwitterからの拾い記事なんですが、ショッキングでした。

携帯電話の電話帳は、個人情報という意味でも、キャリアが持っている情報の中で最も重要なものだった。キャリアはその情報を端末のデータとして扱い、ユーザの所有物としていた。その結果、キャリアはこの貴重な人と人のつながりの情報を活用することができなかった。



キャリアは愚かにも電話帳の重要性を甘くみており、閉じた電話帳アプリでしか提供しておらず、今でいうソーシャルグラフ(人と人のつながり)を構築しなかった。電話帳をブウラザ(HTML)対応せず、オンライン対応にもしなかったし、検索エンジンと連携させることすらしなかった。技術的にはめちゃくちゃ簡単なのに!


更に、

・そもそも電話帳に入っている人がソーシャル

・つながりの強弱とアクティビティがわかる

・電話帳の中にいる人は実在する人

・プライバシーコントロールという概念

・電話帳には膨大なアクティビティデータが眠っている

と五つのポイントを挙げて電話帳の重要性を指摘しています。

確かに、携帯の電話帳をソーシャル化するという発想は無かった!



勿論反論は幾らでも出来るでしょう。

プライバシーの観点から、ソーシャル化させたくないという人も多いはず。

そういう人には参加しないという選択肢を留保しておいた上で、それでも電話帳が人と人を繋ぐ結節点として重要な位置を占めることは間違い有りません。



うーん、どんどん日本企業の存在感が低下するなぁ…。

いつかFacebookが日本でも普及する閾値を超えるんだろうか?

iPad日本でも予約開始

永らく連休を頂いて失礼致しましたが、本日より通常営業です。



いよいよ日本でもiPadの予約が始まりました。

WiFiモデルと3Gモデルが最初から選べますが、Apple Storeでは今のところWiFiモデルだけの販売で、3GモデルはSoftbankショップでの提供。

注目のdocomoからは特に音沙汰無しでしたね。



ちょっと考えましたが、私はWiFiの64GBモデルをApple Storeで予約。

どうせあのかさばるサイズを外に持ち出したりしませんしね。

後で持ち出しを考える時には「Pocket WiFi」なんて手段もあります。



海外モデルを入手して使ってみた感想は、これは売れる、ということです。

「一部の当たらしもの好きが買うだけでしょ?」「話題になるのは最初だけでしょ?」なんて思ってる人、過小評価ですよ。

色んな領域の製品に大きなインパクトを与える、ある意味iPhone以上の商品だと思います。

是非お買い求めになって、新しい時代の息吹をお感じになってみて下さい。