日本に求められているパラダイム転換

戦後発展を続けてきた日本が今直面している大きな課題は次の二つだと思っています。



1.東京一極集中の是正

2.少子化対策



どちらも簡単には是正出来ない大きな問題なのですが、個人的に思っていることを書いてみます。



1.東京一極集中の是正

 よく日本は東京に極端に集中していて良くない、なんて言われますが、これが満更マイナスという訳でもないという話しもあります。



GDP世界一の都市・東京
3. 世界でも住みやすい都市、東京



MONOCLEというイギリスの住宅雑誌で、毎年「住みやすい都市世界ランキング25」が行われている。

東京は、2008年まではランク外だったが、2009年にはミュンヘン、コペンハーゲンに次いで3位、2010年には4位にランクインしている。

(ちなみに他には福岡と京都が25位以内にランクイン)



ヨーロッパ人だけではない。

アメリカでも西海岸のグルメなベンチャー金持ちの楽しみは、週末に「東京グルメ」を楽しむこと、なんて記事を以前Wall Street Journalで読んだこともある。

西海岸からなら、飛行機で10時間くらいで東京着きますからね。



東京は、物価が高い、英語が必ずしも通じない、など外国人にとっては難点もあるが、

広い公園・庭園も多く、緑も豊か、歴史的事物に加え美術・音楽など文化的にも奥が深い、

結構安全、提供される食事のバラエティと質などが海外で評価される理由だ。
効率性という意味では一ヶ所に全部まとまっていた方が便利だし、東京ほどの文化的成熟度のあるメガシティは世界的にも貴重な場なので、刺激的で楽しいのは事実です。実際問題海外でも大抵は首都に一極集中しているのが実態ですよね。パリしかりロンドンしかりローマしかり。むしろアメリカや中国みたいに複数の都市が違う役割を担って分散している方が例外で、それは広大な国土が理由というだけにすぎません。ではこのまま東京集中を進めて良いのかと言えば、それもアリなんでしょうが、肝心の住民がストレスに耐えられるかですね。あの満員電車と劣悪な住宅事情をいつまで我慢出来るんでしょうか。私は無理と思っちゃいました。(^^;

 この流れが変わるには、多くの人の価値観に転換が必要なのだと思います。まず、職場としての大企業志向から脱却する必要があります。幸いにして、既に若年層の雇用では大企業の存在感は年々薄れるばかりです。今の既存社員が大量に退職する頃には随分就業意識も変わっているでしょうし、必然的に多くの人がもっと小規模な組織に属していることが増えるでしょう。大企業のリストラは今後も止むことはないでしょうし、そろそろ終身雇用の幻想から覚めても良い頃だと思います。あと、転勤という仕組みに多くの人がNoと言っても良いんじゃないかなと思っています。だって、自分の住むところ一つ自分で決められないって、酷くないですか? 勿論、転勤ありのエリートコースをチョイスする選択の自由はあってしかるべきでしょうが、転勤なしというのが本来の働き方なんじゃないのかな。ヨーロッパで同じ事したら暴動起こりそうです(笑)。 自分の生き方を大事にして、他者に依存しない働き方を志向すれば、自然と東京への集中度も和らぐんじゃないでしょうか。



2.少子化対策

 これも上記に関係するんですけど、女性がもっと働ける環境を作ることが大事なんじゃないでしょうか。勿論専業主婦が良いという人も多いとは思いますが、旦那に依存しないで自分自身の経済力を持っていたいという女性も多いはず。ある意味リソースの巨大な埋蔵金になっていますから、女性をもっと活用出来れば労働力という意味でも、消費という観点からでも、もっと経済が活性化するんじゃないでしょうか。変に移民を増やすよりずっと良いと思います。で、そのために必要なのは、やはり働き方に対する考え方を変えることでしょう。つまり、多様な働き方を認めることが必要です。一番は時短勤務を認めること。そして、職場全体が極力残業を避ける意識に変化すること。そもそも規定の時間ぴったりに仕事が終わる会社が少なすぎます。これでは保育園に預けることも難しい。幼少期は長時間保育も難しい事がありますから、預けて遅れて出勤、早めに退勤してお迎え、が出来なければ女性は働きに出ることが出来ません。これだけ派遣社員みたいな非正規労働が増えているんですから、勤務時間にも色んなバリエーションがあって良いんじゃないでしょうか。ちなみにウチでは、時短勤務も、イレギュラー出勤(週に何日しか出勤しない)もアリにしています。勿論フルタイムの人に不公平にならない給与上の差は付けていますけど、大事なのはそういう選択肢が用意されていることなんじゃないでしょうか。会社にとっても、能力の分かっているベテラン女性社員をむざむざ手放すのはマイナスだと思います。



全ての問題点は、深く考えもせずに何となく前例を踏襲している頭の固さにあるんだと思います。逆に言うと、柔軟な雇用環境を用意した会社が良い人材を獲得出来る訳で、中小企業は差別化の良い施策になるんじゃないかな。柔らか頭で行きましょうよね。

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小松 日時 :

このまま少子化が進んで日本の人口が現在の1億3千万人から適正人口の7~8千万人になれば東京の満員電車&劣悪な住宅環境の問題は解決すると思います。



少子化を問題にしている人は太りすぎの人の体重が減り始めたのを見て「体重を増やさないといけない」と言っているようなものです。



昭和20年の終戦時に日本の人口は8千万人弱で、その時に「日本の人口が足りない」と言った人は誰もいませんでした。

むしろ昭和30年代には日本の人口を減らすためにドミニカとか海外に日本人が移民していました。



70年代に日本の人口が1億人を突破した時には「日本の人口が増えすぎて大変だ」と日本人は人口増を憂慮していました。



現在の少子高齢化は生まれる子供の数が少なくなったことが原因ではありません。

昔は今とは逆に子供が多く生まれ過ぎて問題だったのです。

その多く生まれ過ぎた子供たちが60年たって高齢者になっただけの話です。



「少子化で現役世代が高齢者を支えるのが大変」という議論も理解できません。

現役世代が支える非現役世代は65歳以上の高齢者と15歳未満の子供です。

65歳以上の高齢者が増えても15歳未満の子供は減っているのですから全人口に占める現役世代と非現役世代の比率に変化はありません。

子供一人を小中学校に通わせるのに年間約40万円の税金がかかります。

それを高齢者の医療費や年金に回せばいいだけの話です。



北欧諸国も70年代は人口減少が問題になっていましたが現在は出生率が回復しました。

日本も7~8千万人の適正人口になれば出生率が回復して人口減少が止まると思います。

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