「平和と繁栄の回廊」麻生外交の成果

字幕付【中東和平】平和と繁栄の回廊【善行と罰】 その1



一部ネット民には強烈なファンのいる麻生太郎副総理。外交の場で非常に存在感を発揮することで有名です。英語が堪能なことと、やはり彼のパーソナリティなんでしょうね。世界の火薬庫、パレスチナ地域で彼が非常に大きな外交成果を挙げていることはご存知でしょうか? すんごく長いんですけど、講演の書き起こしですのでざっくりご覧下さい。
「これからの日本になに期待されているんだ?」と

言われれば、私は今から言う例が一番だと思っているので

ちょっと話が長くなりますが、聞いてください



パレスチナ

というところが中近東にあります

イスラエルとドンパチやっているところですが



一九四八年

今から約六〇年ぐらい前に

ここにイスラエルという国ができました





以来、パレスチナとの紛争はずーぅと今日まで続いて

全てのテロというものは、

まずは、ここから起こったと言ってもいいぐらい



それに対して多くの人々は

「イスラム教とユダヤ教との宗教戦争だ」

とよく言っているが

こりゃ嘘だと思う



なぜなら・・チリ

チリってのは、南米にチリという

皆さん方が飲まれるワインなんかもそうですが

チリという国があります









このチリという国の外務大臣の話によると

チリにおける最大の外国人のコミュニティは



Chile Jewish Society

チリユダヤ人協会



次に大きいのが

Chile Palestine Community

って言うんですって



この二つが一番デカイんですって



ユダヤ教

イスラム・・

ユダヤ教



両方、ご存知の通り

パレスチナはイスラム教

そして

イスラエルの方はユダヤ教ですよ



そしてチリはもちろん

キリスト教ですから



キリスト教国の中に

全然異なる宗教が二ついて

最大の勢力をもって

その三つともうまくいっている



即ち

宗教が全ての原因だ

世界でよく言われている

宗教によってアレが起きてんだって話は嘘だ



そこで

私は、こういうところにおける

いわゆるテロが起きたり、なんだったりするのは



そりゃー、色々あるだろうが

根本的には貧乏

「貧困と絶望」だと思っている



希望がない

メシが食えねぇ



この二つがテロになる一番大きな理由だと

私は、そう思っている



僕はアフリカの

電気もないようなところに二年もいたし

中南米のブラジルにも一年ぐらいいた



アメリカやイギリスにもいましたけど

こういう

かなり貧しい、

電気もないようなところに

二年間ぐらいいたことがありますんで



よくそういったところを比較すると

わかりやすいんだと思いますが



そこで我々が、

日本政府として



これらの地域にどういった

国際貢献ができるのか、というんで



外務大臣になって一年・・

二年ぐらいになりますか



その頃に

こいうプロポーザル、

提案を出した



「パレスチナさん、おたくでは

 このまま行ったって先はない

 世界中、パレスチナ人から送られてくる

 義援金だけで国が成り立つ

 なんてことはありえない









 そこで、

 イスラエルも一九四〇年代、五〇年代は

 間違いなく義援金でやってたが



 彼らはキブツ(kibbutz)

 ご年配の方なら覚えてるだろうけど

 農業法人



 ロシア語でいやぁコルホーズ

 中国語では人民公社



 これの巨大なものを作って

 イスラエルは巨大な農業国家として

 まずはスタートしたんだ」と



「したがって、

 お宅も

 この農業をやる気はないか?



 気候、風土は

 イスラエルと全く同じ所にあるんだから

 気候、風土は同じだろう



 作る技術は俺たちが教える

 金も出そう」



できあがった物をどうするか



これは間違いなく

この国以外に売らにゃいかん



売って外貨を稼ぐ



「そこも俺たちが教える」



日本で今、

イタメシ屋、

色々なところで、

イタリア料理で、



トマトだ、レタスだ

みんな、中近東やら

ギリシャやら、トルコやら



またぁ・・

色々なところから輸入してます



「輸入してやる

農協が教えてくれる」



しかし、農協の人たちは商売ができませんから

農協の人たちは作るだけ

自分たちは商売する気がない人たちですから

だから自分たちで物売らないんだから



したがって

「売るのは商社を使って教えてあげる



あんたらのやることはたった一つ



働け



日本人並に働いてみせろ」



「イスラエルさん、

 お宅のやることはひとつだ」と









「何もしねぇーでくれ



 この地域に一切に何もするな



 決めたとこにゃー

 ココは、しないでくれ」



となりにヨルダンという国があります

そちらから見たらヨルダンの東側に

あるのですが

ヨルダン川という小さな川・・



言っておきますが、

相模原川よりは大きいと思っていたら

大きな間違いよ



小川みたいなもん、

ヨルダン川ってのは

小さな・・

ポイッと飛び越せるぐらいの川



その川の東側がヨルダンだ









その国を通して輸出

イスラエル通して輸出したくないから



「お宅、飛行場までの道路

 俺たちが作るから

 道路だけタダで貸せ」と



「あと使ったっていいよ

 俺たちが

 それを舗装するから」



これが条件



これによってパレスチナは

自分で食い物を作り



自分でそれを輸出して

自分で稼ぐ



仕事と収入と

未来が見えてくるから



「これを俺たちがヤルがどうだ?」



交渉に

かれこれ一年半ぐらい

かかったと思いますが



昨年の三月 (2007年3月)

シモン・ペレスという



今はイスラエルの大統領に

なりましたけれども



この人が来て

日本で



外務省

飯倉公館で



日本、ヨルダン、パレスチナ、イスラエル

の四カ国で手を握って

「・・信用してみるか」

という話になりました



「俺たちがヤルんだ

 他の国がヤルんじゃない

 日本人がヤルんだと



 フランス人が

 イギリス人が

 アメリカ人がヤルんじゃない

 俺たちがヤルんだ

 信用してもらっていいんじゃないか?」と



言って

立ち上がって握手して









六月に

feasibility studyを終えて

六月にやれる



技術的な目処をつけて



八月



ジェリコ・・

ジェリコってのは死の海と言われる

デット・シーという死海



海抜マイナス三二〇メーターという

世界で最も古い町のひとつ

ジェリコということろで

それをやることになりました









そこにイスラエルの外務大臣と

私と他の国の外務大臣みたいなのが

四人集まった









「イスラエルの外務大臣が

 ジェリコに来たのは初めて」



と大騒ぎで新聞に

・・その辺りでは

めちゃくちゃ

大ニュースですから

日本の新聞に載ったことありませんけど





そして

ペレスという

イスラエルの大統領が



「これまで俺たちは三カ国で

 何百回となく交渉のテーブルに

 着いたことがある

 しかし、

 金儲けのために三者が

 一緒の席に座るのは初めてだ」



俺は

「可笑しい」と

ゲラゲラ笑った



「ユダヤ人が金稼ぐ以外で

 何で集まるんですか?」と



ゲラゲラ笑った

面と向かって



そしたら

だぁ~れも笑わないんだね

極めて深刻なんだよ



政治家歴五一年だからね

このペレスって男は



それが

「ない」

と言うわけ



これまで

調停やら

休戦やら

なんやら・・・



「一回もない」



「ユダヤ人が金儲けの話をしないのは

 おかしいんじゃないの?」って

言ってゲラゲラ笑ったら



「あそこで笑ってくれて助かった」と

「笑ってくれなかったら

 実は、ちょっと間が持たなかった」と

「お前が笑ってくれた

 おかげで助かった」



と言われたんですが



この事に関して

「そんなとこに手ぇ出したら

 アメリカからなにか言われたら

 かないませんよ」と



野党の人も言った



新聞記者も言ったよ



しかし



アメリカが

日本に対してなんて言ったか



「本当か?!



お前、正気か?」



って言うから

「おぉ」



「何でそんなことができんだ?」



「あんたらは、これまで

 平和というものを

 政治と軍事でやってきた



 しかし

 五〇年間うまくいったことは

 ねーだろうが?



 俺たちは、

 それを経済でやる



 だから

 時間をよこせ

 しばらくやらせてみろ

 俺たちに



 あんたらはダメ



 アメリカ人

 イギリス人

 フランス人

 信用できない



 俺たちは

 なん~にもこの地域に

 今まで関係ねーから

 だから俺たちは信用がある



 この顔がええんだ

 その顔はダメ



 これが証拠だ」

と言ったら



これも今みたいに手叩いてくれる

人がいたらよかったんだけど



相手のアメリカの偉い人は

黙ぁ~て



「すごい、

 それが起きたら奇跡だ」



と言ったんだけど



少なくとも

かれこれ一年近く経ちますが



これまで弾打ち込まれたこともないし



妨害されたこともありません



「少なくともあの砂漠が緑に変わったら

 平和が我々に

 これだけの繁栄を与えてくれる

 というのを日本人が俺たちに教えてくれる



 それに応える義務と責任は

 我々パレスチナ人

 そしてイスラエル

 それに責任はかかっている」



と言って

パレスチナの外務大臣が

演説したのに対して



イスラエルの外務大臣が

・・ってうなずいてましたました



これがもし三年後、

きっちり青い物ができて

緑になった場合

多分、世界は”奇跡”って言うよ



おらぁ

日本人がやるってのは

こういうことだと思うね



これからの日本ってのは



これで言っていることはねぇ

肝心なことはひとつなんだよ



”働く”

ってことなんですよ



働く



他の人たち・・

中国の人たちなんかは

人を働かせるのは

うまいよ



しかし自分で働くか?



これ、すごく肝心なところですよ



これね、

宗教観に基づいていると

僕は思うね



俺の偏見かもしれんけど



旧約聖書



イスラム教

ユダヤ教

キリスト教

の経典は

旧約聖書ですよ



この旧約聖書に

例のアダムと

イブってのが

出てくるんですが



神との契約を破った

アダムに対し

神が与えた罰が



”労働”であります



したがって

”労働は罰”なんですよ

Working is a punishment

なんだ



しかし我が方

これは神道



我が方は

経典がどうの・・

そんな難しい宗教じゃなくて



土着宗教みたいなもん

シャーマニズムって言うんだけど

土着宗教



こっちは経典なんてねぇ

”自然との共生”

”先祖崇拝”

だいたいこんなもんだ

あとありゃしない



したがって経典がないから

一番古い本ってことになると

これは”古事記”ってことになる



例の天照大神っていう

おばさん・・・



おばさんって言っちゃえいけねぇ

女の神様がいる



この天照大神って

女の神様が一番えらいんだな



この天照大神が



”機織り小屋からいでたまえ

神々はいかにしておわすと

天の岩戸を開けたまい

高天原をながむれば

神々は野に出て働いていた”

と書いてあるだろ



ご年配方だと

誰でもこの辺りは記憶があると思うよ



今日日の青年会議所は

こんな格調高い日本語なんて

全然知りませんよ



これダメ



こいうのを教えることが

おじさんたちの仕事



この話を読めばわかることは

一目瞭然にわかることが

いくつかある



天照大神が

女の神様が

機織小屋から出てきたんだから

一番えらい女の神様も働いていた



”神々が野に出て働いていた”

ってんだから



間違いなく

”神々”

複数だ



一神教じゃない

複数



すなわち

神々が行うんだから

罰のはずがない



神々が行うのは

善行しかねぇ



したがって

”労働は善”です



Working is a mitzvah



かたや

Working is a punishment



罰と善行じゃ

全く違いますよ



したがって

外国人と付き合いのある人なら

わかると思うが



外国人と付き合ってごらん



「退職した!」

シャンパン抜いて

大騒ぎだろうが



ーーーーーーーー(講演部分はここまで)
どこまでが麻生さんの個人的な手腕なのか分かりませんけど、



スイカが戻ってきた(パレスチナ)(JICA)



この記事を見る限り、着実に現地に成果は出ているんじゃないでしょうか。これが本当の中東和平に繋がれば、ノーベル平和賞ものかな? そんな日が来ることを願います。

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コメント

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八朔 日時 :

「パレスチナはイスラエルと同じ産業政策をすればいい」というのは慧眼だと思います。

パレスチナとイスラエルが同じような産業構造の国になれば両国の和解は可能かもしれません。

そういえばイスラエルはスウィーティーというグレープフルーツとブンタンを交配した柑橘類を世界中に輸出していますね。

CONTACT岡野 日時 :

八朔さん、こんにちは。



そうなんですよね。この議論の出だしである「紛争の原因は宗教問題ではなく、経済問題だ」というのが素晴らしい判断です。地域に緑が根付くと良いですね。(^^)

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