greeはどこで道を誤ったか?

グリーは一体どこから道を間違え始めたのかという知られざる歴史まとめ



とっても長いエントリーなので読むのが大変ですが、Webに関わる仕事をしている方にはご一読をオススメします。

まず大事なのが、greeという会社に対して”道を誤った”という表現を使われている点です。

私もそう思いますし、良識あるWeb業界の多くの方も同意されるのではないでしょうか。

2002年から2003年あたりにかけて、アメリカでSNSが盛り上がる気配を見せていました。

FriendsterやMySpaceといった成功例を見て、日本で後追いのサービスが立ち上がったのがmixiであり、greeです。

記事にあるように、greeは創業者の田中氏が楽天在籍中に個人サービスとして立ち上げた事もあり、またそのデザインセンスがmixiとは違う洗練された印象を与えたこともあり非常に好意的に迎えられたのです。

その初期ユーザーの多くはアーリーアダプターと呼ばれる、ネット界の先進ユーザーで構成されていました。

当初の田中氏の姿勢は、本当にピュアにWebの未来を開拓する夢を抱いていたと思います。

それがどうしてこんなに射幸心を煽る不健全なゲームプラットフォーム会社に堕してしまったのか。

非常に残念です。



上記のエントリーを追ってみると、収益化には相当苦労した様子が見えますし、2007年10月のアバター騒動あたりが大きなターニングポイントになった気がしますね。

そこで既存ユーザーからの大きな反発を招き、結果的に初期ユーザーの思いを振り切って収益化の道を選択してしまった。

ここで利益至上主義の魔道に落ちたのかな、と思います。

後は上場という選択を取らざるを得なかったところですね。
「GREEは僕にとって子どもみたいなもの。子どもが生まれる前から『子ども年表』みたいなのを作って、子どもの将来とか、いつ死ぬかとか決めたりしないでしょう?『あなたの子どもの目標あるんですか』とか、『将来のプランがないなんておかしい!』なんて言う人もいないし」。
最初はこんな気持ちで事業運営してたはずなんですけどね…。



ここで日米を比較するなら、Facebookの資金調達プラントの大きな違いです。

ご存知の通り、Facebookはつい最近まで特にめぼしい利益を上げてきませんでした。

それでも将来の収益性を期待して資金を提供するベンチャーキャピタル等の資金提供インフラがアメリカにはあった。

ここが目先の収益を上げることを拙速に求める日本の金融事情との違いですね。

創業者・近親者という初期の資金の出し手と、新興上場市場というある程度の成功が見えてきた段階の資金提供インフラの中間を取り持つ存在が手薄。

例えばここに事業の評価を客観的に行えてリスクマネーを担えるキャピタルがあれば、もしくはマイクロソフトやGoogleのような既に成功した先達の先行投資という受け皿があれば、一番苦しい事業の立ち上げ期にお金が回ると思うのです。

私の経験でも、ある程度の手応えはある、顧客基盤が出来つつある、そしてサービスの成長に必要な投資が必要、でもまだ収益は追いつかない。

このタイミングの資金負担が一番の難関なんですよね。

ここで頼れる存在が殆ど無いんですよ、日本では。

SONYだってその時期に頼ったのは盛田さんの生家でしたしね。(盛田酒造は愛知県の老舗の酒蔵でした)



日本に必要なのは、健全な成功事例だと思います。

その意味でライブドアをああいう形で潰しちゃったのは影響が大きかったと思います。

他に日本のIT業界でパトロンの役目を担えそうな成功企業というと、ソフトバンク/Yahoo! Japan・サイバーエージェント・GMO・楽天ぐらいですか。

その彼らが、あまり積極的な投資活動をしてませんものね。

かなりビビってる部分はあるんじゃないでしょうか。

そろそろ、”まともな村上ファンド”が現れて、日本の非効率な部分を矯正する動きがあっても良いんじゃないかと思うんですが、また潰されちゃうかな?

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