どうして中国のバブルは崩壊しないのか?

もうすぐ崩壊するすると言われ続けて、もう数年。

最初はオリンピック終了後、次は万博終了後が危ないと言われていたのですが、一向に中国のバブルは崩壊する気配を見せませんね。

これはどうしてなのでしょうか?



一つには、中国国内から海外への厳しい送金制限が理由だと思います。

中国における貿易・投資上の問題点と要望(日本機械輸出組合)

私の知人は機械部品製造業を経営しており、当然このご時世中国への工場進出を取引先より強く要望されていますが、上記の事情から進出を躊躇っているそうです。

つまり、一旦中国に工場進出したあとに、日本本社で資金繰りの都合等でキャッシュが必要になっても簡単には中国法人から融通が出来ない。

唯一海外送金に柔軟性が認められているのが決算利益確定後の配当支払なのですが、それにしても諸手続が厳しく簡単ではない。

中国合弁会社からの配当の日本向け送金の際の留意点(JETRO)

つまりどうあがいても簡単には中国国外にお金を持ち出せなくしてあるわけです。



恐らく中国の不動産市場の将来に危機感を覚えている人は多いはず。

現地の中国人にしろ、投資している外国人・海外法人も、しかるべきタイミングで物件を処分して換金し、海外逃避したいと思っているはず。

ところがそれが出来ない仕組み。

恐ろしい…。



もう一つの社会的不安抑止策が、強力な公安部隊による治安維持です。

中国:暴動相次ぐ 格差拡大など社会的弱者の不満が爆発(毎日新聞)
今年度の国家予算で、暴動鎮圧などに使われる公安費(6244億元)は国防費(6011億元)を上回っている。暴動やデモの広がりを受け、胡錦濤指導部は格差是正に積極的に取り組む姿勢をアピールすると同時に、「社会管理」と称する引き締め策を強化している。
これ驚きませんか?

何と軍事費より多額の公安費用を注ぎ込んで社会不安を押さえ込もうとしてるんですよ。



日本政府には及びもつかないほど中国政府は想像以上に賢いのでしょう。

すれすれの綱渡りを何年にも渡ってこなし続けているハイスキルのサーカス団員を思わせます。

しかし、この先ずっとロープから落ちない保証は誰にも出来ません。

そして落ちるのはGDP世界二位の大国なのです。

Xデイの到来を想像すると恐ろしくなりますね。

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